第2609号2020年3月9日)の内容

<1面>
反人民性をむきだしにする安倍政権を今こそ打倒せよ
<4面>
産業・企業生き残りへの挺身
 JCメタル「20闘争」方針の批判
<5面>
日教組教研集会を創造的に実現しよう!
Topics 「年間変形労働時間制」容認へ組合員を誘導する日教組本部
<2面>
安倍政権による障害年金支給の削減を許すな
□千曲川堤防決壊は人災だ
<3面>
埋め立て資材搬入を阻止
 2・20辺野古 7時間の激闘
◎米の「インサイド・アウト防衛」構想
<6面>
組織的・思想的崩落を露わにした日共第28回党大会
国際短信 プローニン氏の寄稿
 ウクライナ支配階級の深まる腐敗
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号

  


反人民性をむきだしにする安倍政権を今こそ打倒せよ

労働者・人民を困窮に突き落とす安倍の新型肺炎対策


 
 辺野古工事車両の進入を実力阻止
「日米核安保粉砕!」掲げ闘う学生を先頭に座り込み(2・20)
 日本全国へ感染が拡大した新型コロナウイルスの対処策≠ニして全国一律の小中高校休校要請を突如として発表した首相・安倍は、これにたいする労働者・人民の怒りに直面して、みずからの「要請」の正当性をおしだし居直りと弁明に大わらわとなっている。二月二十九日に記者会見に臨んだ安倍は、感染の拡大にたいして無為無策をきめこんできたことにはほおかむりして、感染を収束させるためにあらゆる手を尽くす≠セの子どもたちの健康を守るための措置≠セのとぬかした。
 何が感染収束のため≠セ。国内感染者の数を表面上少なく見せかけるためにPCR検査(ウイルスの遺伝子検査)を徹底的に制限し、「高熱がでても検査してくれない」と悲鳴をあげる人民を足蹴にしてきたのがこの政権ではないか。
 この会見をおこなった安倍の一切のもくろみは、感染拡大防止にあらゆる手を尽くす首相≠ニ自己宣伝するところにこそあったのだ。あろうことか、かのクルーズ船に約三七〇〇名もの乗客・乗員を閉じこめつづけ、そうすることによってウイルス拡散を招いたみずからの措置についても「ベストを尽くした」などと厚顔無恥にも居直りつづけているではないか。安倍政権の新型肺炎対策での無為無策、さらには東京高検検事長の定年延長問題、「桜を見る会」問題、これらにたいする労働者・人民の不信と怒りの高まりに直面して政権存続の危機に追いつめられている安倍は、この危機をなんとしてものりきることを策して感染拡大抑制策における「首相の決断」をアピールすることに血道をあげたのだ。これこそ、危機に揺らぐ安倍日本型ネオ・ファシズム政権の断末魔のあがきにほかならない。
 安倍がうちだした「一律休校要請」じたいが、生活困窮にたたきこまれている労働者・人民の生活を一顧だにすることもない実に犯罪的なしろものなのだ。現に夫婦共稼ぎや母子家庭の約五〇〇万世帯の労働者たちは、子どもを家に残すわけにもいかず仕事を休まざるをえない。多くの病院では、子育て中の医療労働者たちが欠勤せざるをえないがゆえに診療の縮小などを余儀なくされている。そもそも安倍政権の社会保障切り捨て政策のゆえに、公立・私立病院は統廃合、病床数や人員の削減を強いられ、慢性的な人員不足にさいなまれているのだ。
 会見において安倍は、今後あらたな「賃金補償」の制度を創設するとか、これから第二弾の対策を検討するとかとほざいた。だが、日給制や時給制の非正規雇用労働者や請負労働者は三月二日からただちに収入が断たれたのであって、各企業に給付する「雇用調整助成金」などを労働者への「賃金補償」と吹聴するのは、しかもこれから検討する≠ネどというのは、おためごかしいがいのなにものでもない。ただただ「首相の決断」なるものを喧伝するために、――文科相・萩生田にさえも発表当日まで知らせることなく――みずからの裁可ひとつで「休校要請」を発したのがネオ・ファシスト安倍なのである。最末期の姿を露わにしている安倍ネオ・ファシスト政権をいまこそ労働者階級・人民の力で打ち倒せ!

政権延命のために感染実態を隠蔽

 国内感染者が初めて確認された一月十六日から一ヵ月間、PCR検査を徹底的に制限し、ただひたすら感染者を少なく見せかけることに狂奔したのが安倍政権なのだ。すでに市中感染が始まり、多くの労働者・人民がウイルス感染の危険にさいなまれているにもかかわらず、政府・厚労省は、PCR検査を湖北省からの帰国者といわゆる「濃厚接触者」だけに限定した。
 こうした対応は、まさしく、中国国家主席・習近平の国賓待遇での四月来日、国威高揚の儀式=東京オリンピック・パラリンピックが「中止」に追いこまれる事態を回避せんがためなのである。〔習近平来日は中止されることがほぼ決定された。〕これらの国家的行事を予定通り開催することをつうじて、みずからの自民党総裁四選、憲法改悪への道をこじ開けるために安倍は、NSC(国家安全保障会議)専制のもとに厚労省・国立感染症研究所をも統制しつつ、国内感染者数を少なく見せかけることに狂奔してきたのだ。
 記者会見において安倍は、PCR検査能力を増やしていくとか、保険を適用するとかと発表した。だが、「帰国者・接触者相談センター」=厚労省だけに検査希望者の窓口を限定し、そこにおいて検査の可否を決定するという従来の制度をそのまま維持している。それは、軽症者や無症状の感染者はハナから検査対象にせず、検査数を最小限におさえる仕組みではないのか。現に彼らは「入院患者の確定にPCR検査の重点を移す」という検査実施基準を「基本方針」(二月二十五日に決定)に明記している。感染者数を徹底的に少なく見せかけることが、安倍政権の「感染拡大防止策」の柱なのである。
 もはや一刻の猶予もない。改憲と政権延命を何よりも優先し、労働者・人民の健康と生命など二の次・三の次にしている安倍政権を断じて許してはならない。すべての労働者・学生・人民の力で今こそ安倍政権を打ち倒すべきときだ。

経済破局に脅える政府・独占資本家階級の労働者・人民への犠牲転嫁を許すな

 いまや、中国発の新型コロナウイルス肺炎が、南極大陸を除く五大陸におよんで全世界に蔓延しつつある。このゆえに、世界経済は一挙に景気後退・不況局面に突入しつつある。このただなかで日本経済の危機はいよいよ進行し、安倍が吹聴してきた「経済の好循環」などという言辞の虚構性はますます鮮明になっている。中国における製造業の生産が通常時の三分の一以下にまで落ちこんでいるもとで、中国企業および中国に進出した日本企業は部品生産の停止に追いこまれている。このゆえに、日産など自動車産業をはじめとする日本の製造業企業も生産停止に追いこまれた。こうした操業停止にともなう業績悪化に焦りを募らせている資本家どもは非正規労働者の解雇・雇い止めを強行しようとしているのだ。
 中国むけ輸出の急減、中国をはじめ外国人観光客の訪日(いわゆる「インバウンド需要」)の激減、これらによって日本の観光業、交通運輸業がよりいっそうの収益悪化に叩きこまれることは歴然としている。このもとで諸企業の資本家どもは、観光地で働く労働者や観光バスの労働者を次々と解雇し路頭に放りだしているのだ。
 内閣府が発表した(二月十七日)経済指標においても、昨年十〜十二月期の「個人消費」は前期比マイナス二・九%、GDP成長率はマイナス一・六%(年率換算六・三%)と急減したことが示されている。
 昨年十月の消費税増税によって生活苦を強制されてきている労働者・人民は、さらに新型肺炎の全世界的流行がもたらした経済危機のしわ寄せを受けているのである。
 二〇春闘において独占資本家どもは、企業業績悪化の見通しを理由に徹底的な賃金抑制攻撃をしかけている。中小企業の倒産にともなって、数多の労働者が解雇されている。労働者・人民への一切の犠牲の転嫁を許すな!
 新型コロナ肺炎が全国的に拡大しているにもかかわらず、安倍政権が発表した新型肺炎対策の「基本方針」に関連する予算(一九年度予算の予備費などから捻出)は、わずか一五三億円であり、最新鋭ステルス戦闘機F35一機分にも満たないのだ。〔シンガポール政府の感染対策費は五〇〇〇億円。〕
 このかん安倍政権は、社会保障関連の財政支出の抑制・大幅削減に狂奔してきた。その一環として公立病院の統廃合や病床数の削減を医療機関に強制してきた。医師の数も意図的に削減してきた。毎年、社会保障費の自然増の抑制のために、社会保障施策の切り捨てと、大衆収奪の強化を強行してきたのがこの政権だ。国民は自分の健康は自己責任で守れ、国に頼るな≠ニ公言し、社会保障の切り捨て、社会的弱者の切り捨てを強行してきた安倍政権は、新型肺炎対策にもこのネオ・ファシスト的政策を貫徹しようとしているのである。
 その反面で安倍政権は、在日米軍経費の日本側負担を四倍増にせよ、アメリカ軍のインド・太平洋地域への展開費用も負担せよという国家エゴイズムをむきだしにしたトランプ政権の要求に応じて、五兆三〇〇〇億円(補正予算を除く)の防衛予算や数千億円の米軍関連経費を二〇年度予算案に計上しているのだ。また巨額のアメリカ製兵器を爆買いしようとしているのである。まさに労働者・人民から搾りとった血税をトランプに献上しようとしているのが、安保の首輪と鎖につながれた安倍政権なのである。

<反安倍政権>の闘いに起て!

 新型肺炎対策において無為無策と反人民性を露わにしている安倍政権。この政権はいま、腐敗まみれの最末期的姿をさらけだしている。
 安倍はみずからの手兵・改憲翼賛勢力を「桜を見る会」に参集させて公費で饗応・接待しただけでなく、政治資金規正法違反あるいは公職選挙法違反の前夜祭=懇親会を開催したことが明白になった。安倍事務所はホテルとの金銭のやりとりをやっていない、契約主体ではない、明細書はない≠ネどといった安倍の言い逃れが、すべてウソであったことは、いまや誰の目にも明らかとなっているのだ。
 みずからの身を守るために検察をコントロールする必要性に迫られている安倍は、次期検事総長にみずからの子飼い分子・黒川(東京高検検事長)を据えるために、「定年延長」を強行した。安倍の違法行為を隠蔽するために内閣官房・NSCが全省庁・官僚を統制し、文書まで偽造(いわゆる「白塗り文書」)していることが白日のもとにさらけだされているのである。すべての労働者・学生・人民は、安倍ネオ・ファシスト政権の犯罪性・反人民性を暴きだし、<反安倍政権>の闘いに断固として決起せよ!
 安倍政権による感染実態の隠蔽を許すな! 貧困層・弱者に矛盾をしわ寄せする安倍式新型肺炎対策を弾劾せよ! 新型肺炎を口実とした賃金抑制攻撃粉砕! 二〇春闘勝利! 資本家の懐具合を心配する「連合」労働貴族の大裏切りを許すな! <一律大幅賃上げ>をかちとれ!
 IR疑獄弾劾!「桜を見る会」の不正饗応弾劾!
 安倍政権の社会保障切り捨て反対! 大衆収奪の強化反対! 野党共闘による予算組み替え要求にうつつを抜かす日共中央を弾劾せよ! アメリカ製兵器爆買い・米軍支援費用の大幅増大を許すな!
 安倍政権の憲法改悪を阻止せよ! 今こそ、労働者・人民の実力で安倍政権を打ち倒せ!

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「第四次産業革命」遅延下の産業・企業生き残りへの挺身

JCメタル「二〇闘争」方針の反労働者性

(1) 危機打開を策す独占資本家どもの諸施策への協賛
(2) 「日本型雇用システム」の最後的破壊策動への呼応


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2・20辺野古


埋め立て資材搬入を阻止

労・学・市民がゲート前で座り込み


 
 「工事資材搬入を阻止するぞ!」決意も固く座り込む労・学・市民
(2月20日、キャンプシュワブ・ゲート前)
 
 ゲートをデモ行進で封鎖し、工事車両を阻む労・学・市民
(2月20日、キャンプシュワブ・ゲート前)
 二月二十日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、「辺野古新基地建設阻止! 座り込み集中行動」(「オール沖縄県民会議」主催)に起ちあがった。
 アメリカのトランプ政権に尻をたたかれている安倍政権・防衛省は、三月にも大浦湾側の「軟弱地盤」改良工事など複数の設計変更を一括して沖縄県当局に申請しようとしている。申請不承認の姿勢を示す玉城県当局の抵抗をねじふせるために、代執行手続きなど強権的手法をちらつかせているのだ。
 ネオ・ファシスト安倍政権への怒りに燃えて、琉球大・沖縄国際大のたたかう学生たちは、工事資材搬入を実力で阻止するために、約七時間にわたるキャンプ・シュワブ現地闘争を労働者・市民とともに先頭でたたかいぬいた。

以下、見出し

弾圧を許さず三〇〇名が七時間の激闘

琉大生の戦闘的発言に熱烈な拍手


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組織的・思想的崩落を露わにした日共第二十八回党大会


 日共の第二十八回党大会(一月十四日〜十八日)は、「歴史的成功」という不破=志位指導部の宣伝とは裏腹に、代々木共産党組織の総瓦解を加速度的に進行させる跳躍台となった。われわれ革命的左翼は、<反安倍政権>の闘いを推進するただなかで、日共改定綱領の反プロレタリア性・イデオロギー的頽廃を暴きだす批判の弾丸を今こそ転向スターリニスト党官僚にぶちこみ、もってわが革命的共産主義運動の飛躍をかちとるのでなければならない。

「党勢拡大大運動」の大破産

 昨年九月いらい四ヵ月間にわたる「党大会成功をめざす党勢拡大大運動」をつうじて、前回大会水準の回復(党員二万人増、『しんぶん赤旗』読者一三万人増)という目標が達成できないどころか、党員数が減少してしまったという厳然たる結果に代々木官僚は直面している。彼らは、昨年十一月に発表した大会決議案では「二八万人」と記していた党員数を、党大会で採択された決議では「二七万人余」にこっそりと下方修正せざるをえなくなった。『しんぶん赤旗』読者数も、「大運動」期間通算の増紙分(日刊紙・日曜版あわせて約一万)の六割を党大会後の二週間たらずで失う大幅減紙に転落した。代々木官僚は大会決議において「『しんぶん赤旗』の発行ができなくなる危機」を吐露したのであったが、この危機が党大会をつうじてさらに深刻化しているのだ。
 顔面蒼白になった不破=志位指導部が「読者を減らしてもやむを得ないという、四十年間の惰性を今こそ吹っ切れ」(二月十七日、全国都道府県機関紙部長会議での志位発言)などと金切り声をあげ、下部党員を休日返上≠ナの読者拡大に無理矢理に駆りたてている。疲弊しきった党員たちは、「増やせ、増やせ」と号令するだけの中央官僚にたいする怨嗟をますます昂じさせているのだ。
 「党創立一〇〇周年までに野党連合政権の道を開く」という「大目標」を掲げたシンボル操作によって下部党員たちを「党勢拡大」に駆りたてようとした不破=志位指導部の目論見は、完全に破産したのである。

保守系野党への抱きつき

 立憲民主党国対委員長・安住、国民民主党幹事長・平野、「特別ゲスト」衆院議員・中村喜四郎(元自民党)らの来賓あいさつを「野党共闘の発展」の証として演出することに代々木官僚は腐心した。彼らは、党大会で決議した安保条約・自衛隊などの「政策上の不一致点」にかんする「対応」の指針にのっとって、「各党の不安と懸念を解消するために、『こう処理できますよ』と安心していただく」(志位)などと立民や国民民主にもみ手ですり寄っている。これら保守系野党から「野党連合政権構想」での合意をひきだすために、「閣内に入ったら、安保条約は維持、自衛隊は合憲の立場をとる」などという誓いをたてることに血眼になっているのだ。安倍政権がトランプ政権につき従って日米新軍事同盟=対中・対露攻守同盟の飛躍的強化と憲法改悪の一大攻撃に突進しているまさにこのときに、反戦反安保・反改憲の闘いにたいする敵対者としてたちあらわれているのである。

綱領改定への批判封殺に躍起

 日共党綱領改定案にたいしてわが同盟が放った批判、とりわけ「中国=社会主義をめざす国」規定削除の欺瞞性の暴露に触発された多くの日共党員たちが、党内で批判を噴きあげた――かの規定を〇四年に綱領に書きこんだこと自体が誤りだったことを認め・自己批判せよ≠ニ。この批判を封殺することに躍起になったのが不破=志位指導部だ。党大会において志位は、「中国をどういう経済体制と見ているのか?」という質問にたいして「政党として特定の判断を表明すれば内政問題への干渉になりうる」から「内部的には研究を行っているが、現時点で、経済体制についての判断・評価を公にする態度はとらない」などとはぐらかし逃げまわることしかできなかった。
 〇四年綱領の策定者である不破じしんが発言にたったが、「中国自身の多年の対外活動からの当然の結論だ」としか語ることができず、中国が掲げる「社会主義市場経済」をなにひとつ批判できない、いや「市場経済」を全面肯定していることを露呈した。しかも、「二〇〇八年四月」に中国船団が「尖閣諸島の領海を侵すという事態」が生起したことで中共指導部が「大国主義、干渉主義」であることを「痛感した」という不破の言い訳は、官僚的自己保身に駆られたウソ八百でしかない。〇九年の三度目の訪中=日中両党理論会談でも中国の「社会主義をめざす国の優位性」なるものを礼賛し、尖閣問題での批判などおくびにも出さなかったのが不破なのだからだ(〇九年九月刊の不破『激動の世界はどこに向かうか――日中理論会談の報告』を見よ)。日共党内で不可侵≠ニされてきた不破の理論的権威≠フメッキは、もはや完全に剥がれ落ちたのである。

労働運動を足蹴にした決議

 代々木官僚が労働運動を「市民と野党の共闘」の「敷き布団」におとしめていることへのわが同盟の断固たる批判に感化された労組活動家の日共党員を中心にして、「決議案に労働運動の方針がまったく書かれていないのは、労働運動の放棄ではないか!」という弾劾の声がまきおこされた。この批判を丸めこむために不破=志位指導部は、「労働運動の役割についての記述を求める意見」に応えると称して決議には若干の追加をほどこした。その中身たるや、「野党連合政権をすすめるために…これまでの行きがかりを乗りこえ…労働組合運動が積極的な役割を果たすことを期待する」というものであった。「連合」労働貴族を一言も批判することなくひたすら「共同の発展」を求めて秋波を送り、労組を「野党連合政権」づくりの尻押し部隊として利用する――こうした代々木中央が決議に追加した方針≠ヘ、経営支部の存亡の危機にたたされ苦闘している労働者党員たちの絶望と怒りを倍加するにちがいない。

「ジェンダー平等」の理念化

 代々木官僚は、「ジェンダー平等の党への自己改革」なるものを党大会で高らかに謳いあげ、またその後のあらゆる場面で大宣伝している。「より幅広い方々」からの支持(=票)を集めるために、「ジェンダー平等」を改定綱領に明記したことをアピールしたり、LGBT党員をことさらにもちあげたり、「初の女性政策委員長」に田村智子を据えたことを党幹部人事の目玉商品としておしだしたり……というように。
 日共の第二十八回党大会は、あたかも「男性も、女性も、多様な性をもつ人々も、差別なく尊厳をもって自分らしく生きられる社会」という没階級的な内実の「ジェンダー平等」なるものが党の基本理念≠スらしめられたかのような様相を呈した。不破=志位指導部の号令による「ジェンダー平等の実践」へののめりこみは、代々木共産党から<階級>という観点を完全に一掃し、小ブルジョア個人主義の集団への転落=解党≠フ劇的進行をもたらすにちがいない。

転向スターリニスト党を革命的に解体せよ

 党大会では、委員長・志位、書記局長・小池が留任、齢八十九の不破が常任幹部会に居座る、というかたちで中央指導体制の現状維持が確認された。彼ら代々木中央官僚は、「発達した資本主義の成果」を「継承し発展させることによって」実現される「社会変革」こそが「社会主義・共産主義の大道である」などという「命題」――「世界史的な『割り切り』」と称してうちだしたそれ――を日共綱領に書きこんだことにふまえて、「資本主義の枠内での改良」を自己目的化する路線のさらなる右翼的緻密化に狂奔するにちがいない。
 国家独占資本主義に跪拝する転向スターリニスト官僚の真正修正資本主義路線の反プロレタリア性を徹底的に暴きだせ!「政権合意」を自己目的化し他の野党に「安心していただく」と称して「安保廃棄」も「憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)」も投げ捨てた不破=志位指導部を弾劾せよ! 日本型ネオ・ファシズム支配体制の安全弁に転落しきったこの転向スターリン主義党を革命的に解体するイデオロギー的=組織的闘いを断固としておしすすめよう! 良心的な日共下部党員に不破=志位指導部からの決裂をうながし、わが<反帝・反スターリン主義>の戦列に結集させようではないか。

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国際短信

プローニン氏の寄稿

 最近のウクライナ情勢についてウラジーミル・プローニン氏から寄稿があった。この原稿を受けとった一週間後の一月二十三日に、プローニン氏が一月二十日に急死した旨の訃報が届いた。八十二歳であった。彼の最後のものとなったこの文章の抄訳を掲載する。


ウクライナ支配階級の深まる腐敗

ウラジーミル・プローニン

 
 プローニン氏
 ゼレンスキーの大統領就任から半年以上がすぎ、彼の政党である「人民の奉仕」党の議会選挙での勝利からもほぼ半年がすぎた。この選挙結果は、元はといえば、前大統領ポロシェンコとその取りまき連中の傲慢な行為にたいする人民の反感がもたらしたものだ。ポロシェンコ一派は国有財産を略奪し私物化するとともに、東部ドンバスの内戦を大祖国戦争よりも長期化させ、すでに少なくとも一万五〇〇〇人もの命を奪ってしまった。それだけではない。国内経済の全面的破綻状況はいっそう深刻化し、大量の労働者が国外に流出している。かつてソ連時代には五二〇〇万人だったウクライナの人口は、今や公式発表でも四二〇〇万人以下であり、信頼できる専門家の算定では三五〇〇万人だという。
 それゆえ当然にも、コメディアンから大統領に立候補したゼレンスキーに民衆は大きな期待を抱いた。ゼレンスキーとその政治勢力の支持率は異常に高かった。だが、その支持率は急激に低下した。政府や議会に希望をもっている者はいなくなった。
 ゼレンスキーは、大統領選挙の前には次のように言っていた。「私の最初の任務はドンバスでの内戦を終結させることであり……クリミアとドンバスを取りもどすことだ」と。大衆は「いまさらクリミアがウクライナ領に返ることはないだろう」と思い、ゼレンスキーの言辞はたんなる大言壮語だとみなしていた。また、「取りもどす≠ニいっても、ロシアはドンバスを直接併合しようとしているわけではない。問題は早く内戦を終結させることだ」と多くの人は思っている。しかし、新大統領が実際にやったことは、ロシア・ドイツ・フランスの首脳との会合を演出し、紛争の終結にむけて動いているかのように見せかけただけだ。「争っている両者を分離する」と合意はしたが、それを実現する保障はない。しかも実施には少なくとも六〜八年かかるとゼレンスキーは言う。内戦の早期終結を望む民衆の願いとはほど遠い代物だ。
 それ以上にウクライナ人民を憤激させたものがある。肥沃な黒土地帯の農地を、これまでの規制をいっさい撤廃して国内の資本家や外国の富豪に売却できるようにすることだ。この法制化のために、ゼレンスキーとその取りまきたちは躍起になっている。議員に賄賂を使ったり、反抗する議員を露骨に恫喝したり、種々の汚い手口を弄している。ウクライナの大多数が農地の売却に強固な反対の意思を示して以後、彼らは「事前の国民投票が必要だ」という選挙前の発言などなかったかのように、「国民の意見を聞くのは、外国人に農地を売却できるか否か、という点にかんしてだけだ」と言いはじめた。だが、今ではこの点についても触れなくなり、「国民投票は不要だ」と言いはじめている。こうした現政権の強引さから、その背後に、農地売却で巨万の富を得ようとたくらんでいるオリガルヒの姿も浮かびあがってくる。
 現在ウクライナの左翼的な人々は箒で押さえつけられた鼠のように身動きできず、政権の政策に何らの影響も与えることはできない。だが、思いがけず、農地売却にたいして反対派が現れた。かつての首相チモシェンコなどの連中だ。「思いがけず」と言ったのは、権力の座にいたとき彼らはこの法案を強引に成立させようとしていたからだ。だが、当時は左翼をはじめとする強力な抵抗に遭遇し、何度も断念していた。こうした彼らが「反対」にまわったのは、うまい汁を吸える者が自分たちではないからだ。いずれにせよ、ウクライナの新富農階層による大農場経営のためには、土地市場の開設が絶対に必要である、ということだ。
 驚くべき主張をする者も現れた――「ウクライナは外国人に土地を売らなければならない。ウクライナ人に代わって、彼らは十分な仕事をウクライナ人に与え、よい給料を保障し、国家に秩序をもたらすからだ」と。
 〔中略〕
 ……ドイツ軍を撃破し祖国防衛のためにたたかった赤軍兵士(*)は、こうした輩がのちの祖国ウクライナにいることを想像できただろうか?

(*)プローニン氏の父親は、彼が三歳のときに出征し、六歳のときにポーランドで戦死した。

■プローニン氏は二〇〇三年いらい十七年間、毎年、国際反戦集会にメッセージを送ってきた。また、ウクライナ情勢などについての文章もたびたび寄せてきた。東京電力福島第一原発事故のさいには、チェルノブイリ事故を想起しつつ連帯の挨拶を送ってきた。
 彼は、ソ連崩壊後、ウクライナ共産党に属しながら「反ファシズム委員会」の幹部として独自の活動を展開し、「党は議会主義だ」と批判しつづけていた。政治的・経済的混乱が深まってゆくウクライナのなかで、とりわけ二〇一三年末のクーデタで親米のポロシェンコが政権を握り共産党を非合法化して以降は、プローニン氏じしんも活動の場を奪われ苦難ななかで文筆活動を続けていた。
 親族からの訃報には「彼はあなた方との交流や『解放』への寄稿を大切にしていました。『解放』や反戦集会のメッセージ集などを受けとったときは、大変喜んでいました」と書きそえられていた。

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