第2650号(2021年1月1日)の内容

<1面〜5面>
革命の新時代を切り拓け
パンデミック下の貧窮強制を打ち破れ! 反戦反ファシズムの炎を!
<6〜7面>
漫 画 米中冷戦怪化皮競
<8〜9面>
革共同第三次分裂の最終決着を宣言する
<10〜11面>
年頭の決意
沖縄/九州/北陸
自治体/郵政/交運/化学/電機
<12面>
写真特集 2020闘いの軌跡

《お知らせ》 
本号は2020年12月28日付にあたりますが、21年1月1日付新年特別号とします。20年12月21日付、21年1月4日付、同11日付は休刊にします。
 「解放」最新号






















  


革命の新時代を切り拓け


パンデミック下の貧窮強制を打ち破れ! 反戦反ファシズムの炎を!



 
 「菅新政権の反動攻撃を打ち砕け!」 全学連の闘う学生が首相官邸に怒りの拳
(2020年9月19日)
 すべての労働者・学生諸君!
 現代世界はいま、世界史的な激動のまっただなかにある。この二〇二一年の劈頭にあたって、わが革共同革マル派は、労働者・学生・人民に心から呼びかける。
 中国武漢の研究所から漏出したと思われる新型コロナウイルスは、<ヒト・モノ・カネ・サービス>のグローバルな移動の波にのって一気に広がりパンデミックとなった。そしてこのパンデミックによって、現代資本主義の末期性が如実に露わとなった。巷では、「ポスト・コロナ社会」や「アフター・コロナ社会」はいかにあるべきかということが、囁かれはじめた。たしかにわれわれはいま、一つの時代が終わり一つの時代が幕を開ける世界史的激動のまさにまっただなかに於いてあるといえる。
 だが、マルクスの唯物史観を背骨とするわれわれにとって、いわゆる「ポスト・コロナ」が何であるかは自明である。末期性を露わにしている腐朽せる現代資本主義をその根底から覆し、それをつうじて開かれる「つぎの今」とは、真実の社会主義・共産主義の創造以外にありえないのだ。
 <パンデミック恐慌>のなかでむきだしになったのは十九世紀的=古典的な階級分裂と貧困であり、それはまさに末期資本主義の死の痙攣が始まったことを意味する。まさにマルクスが言ったように「資本主義はみずからの墓掘人を生産している」のだ。
 この課題を実現しうる歴史創造の主体は、まさに「鉄鎖のほかに失うべきものをもたない」労働者階級以外にありえない。労働者階級の階級的自己組織化にもとづく自己解放の実現によってのみ「人間社会の前史」に終止符を打つことができるのである。そしてそれを導きうるのは、わが反スターリン主義革命的左翼にほかならない。
 まさにこうした歴史的使命を自覚し、歴史の創造的先端を切り拓く決意に燃えて、この二〇二一年の闘いへ勇躍決起しようではないか!
 新型コロナウイルスによる感染は今なお全世界に拡大し膨大な感染者と死者を生みだしつつある。世界経済は突然奈落に落とされ、生産は縮小し、世界中に張りめぐらされたサプライチェーンはズタズタに寸断されている。この未曽有の経済的破局をのりきるために各国ブルジョアどもは、一九二九年大恐慌以上の大規模な大量解雇と賃金削減を強行し、夥しい数の労働者が巷に放り出されている。
 しかも、世界最大の感染大国となり貧富の格差と人種差別をむきだしにしている軍国主義帝国アメリカと、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を実現するという世界制覇戦略の実現に向かって突進しはじめたネオ・スターリニスト国家中国との激突のなかで、台湾海峡・南シナ海・尖閣諸島海域そして中東において、いつなんどき戦火が上がりかねない一触即発の危機が生みだされている。
 日本においてもコロナ感染の第三波が全国を襲っている。企業の倒産や廃業は加速され、夥しい労働者が困窮のどん底に突き落とされている。住む所も食べる物もない困窮に苦しむ労働者は激増している。だが、日本型ネオ・ファシスト菅政権は国に頼るな∞自己責任で努力しろ≠ネどと「自助」を叫んでいるのだ。この冷血漢にしてネオ・ファシストの菅政権をわれわれは早急に打倒しなければならない。
 日本型ネオ・ファシズム統治形態を一挙に強化せんとしている菅政権の打倒をめざして、われわれは、市民主義的・議会主義的に堕落を深める既成反対運動をのりこえ、反戦反安保・反ファシズムの闘いを、そして独占ブルジョアどもによる貧困の強制を打ち砕く政治経済闘争を断固として創造しなければならない。
 すべての労働者・学生・人民諸君! 戦争と圧政と貧困に覆われたこの暗黒の二十一世紀を、何としても覆すという決意に燃えて、二〇二一年を、まさにわが反スターリン主義運動を飛躍的に前進させる年にしようではないか!

以下、見出し

T パンデミック下で切り拓いたわが闘いの地平

 (1)困窮人民見殺しの安倍政権を許さず闘いを展開

 (2)新型コロナパンデミックの特質について


U 世界の地殻変動と菅日本型ネオ・ファシズム政権の登場

 A 世界情勢の現在的特質

   パンデミック下の階級分裂・階層分化の現前化

   アメリカ大統領選挙の意味するもの

   対米激突に備えたネオ・スターリン主義中国の現在

   <米中冷戦>下で高まる戦争的危機


 B 日本型ネオ・ファシズム支配体制の一挙的強化

V 反スターリン主義運動の巨大な前進を切り拓け

 A 既成反対運動指導部の市民主義的・議会主義的腐敗をのりこえ闘おう

   野党連合政権パラノイアに陥った日共中央を許すな!

   「救国」産報運動に突き進む「連合」指導部を弾劾せよ


 B 反スターリン主義運動の飛躍をかちとろう

   みずからの思考法を鍛えよう

   組織建設の原点を噛みしめよう


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革共同第三次分裂の最終決着を宣言する

12・6革共同政治集会特別報告   

常盤哲治



 結集されたすべての労働者・学生諸君!
 私はいまここで、革共同の第三次分裂に最終決着をつけたということを、高らかに宣言する。国家権力の謀略襲撃とこれをはねかえすための闘いの過程で斃れた七十有余名の同志たちに、そして今は亡き同志黒田寛一に、このことを報告する。

一、ヤジと怒号に包まれたブクロ派政治集会

  「女性差別問題」のおぞましき連鎖

  スパイ集団の恥ずべき最期


二、ブクロ派解体の完遂=第三次分裂の最終決着

  第三次分裂を出発点とするわれわれの闘い

  「人間変革」を放擲した政治動物の末路


三、同志吉川は永遠に生き続ける!

 すべての皆さん。ここで私は一つのことを報告しなければなりません。去る十一月十六日に、同志吉川文夫が永眠されました。享年八十三歳でありました。
 彼は、一九七四年一月五日、九州の地でブクロ派によって襲撃され、後頭部を中心に攻撃されて瀕死の重傷を負わされた。運びこまれた大学病院で彼を診た医者は「九九・九パーセント助からない」と言いました。しかし、脳外科の医療チームのなかに、吉川さんの小・中学校時代の親友であったドクターがいた。このドクターのおかげで医療チーム全体がものすごく一生懸命治療してくれて、彼は最初の危機をのりこえた。
 吉川さんはそれ以降、或る仲間の実家で養鶏の仕事をしながら「高次脳機能障害」という後遺症とたたかい、破壊された脳を蘇らせるために不屈の苦闘をしてきた。この彼に、同志黒田は、病状をくわしく聞きながらさまざまなアドバイスと示唆をしてこられた。同志吉川は三十五年間そうした闘いをつづけてきた。そこでロシア語を勉強した。二〇一三年のわが同盟の政治集会は、革マル派結成五十周年記念集会でしたが、そこに彼はメッセージを寄せております。そのなかで、最後にロシア語で、「百年生き百年学べ」と書いている。実際に彼はそのとおりに猛烈に勉強した。
 「そろそろ書いてみないか」という同志黒田の示唆があった。それにもとづいて彼は自分史を書いた。それが『今のぼくは二十七歳』という本であります。奥さんが吉川さんの故郷を描いて表紙の絵にしました。
 そこで彼は、脳の損傷をのりこえ、革マル派としてのものの考え方・思考を百パーセント蘇らせたのである。同志黒田は言った。「吉川の『今のぼくは二十七歳』こそは探究派の頭なのだよ」、と。
 このようなことは、一体どのようにして可能となったのか?
 彼を家族のように支えてきた或る仲間は言っている。「吉川さんはいつでも人への感謝を・ありがとうを言い、つねに自己否定を忘れない人だった」と。そのような彼の生き方・精神こそが、革マル主義の思考をつくったのではないか。
 同志黒田と出会って、反戦学同・左翼スターリニストであった自分を壊しながら、同志黒田の思想を一つ一つ吸い取った、そういう同志であった。
 私は、吉川さんの後半生について、どうしてももう一言語りたい。吉川さん本人の「革マル主義者として生きぬくぞ」という革命的気概に満ちた日常的な努力、医療労働者たちの支え、そして何よりも吉川さんが身を置いた場所で頑張る労働者たちが、毎日二十四時間、生活上の一切について同志愛を発揮しつつ献身的に支えた。また同志たる奥さんは、みずからも車椅子生活を強いられながらも吉川さんの生活を支え、吉川さんとともに『実践と場所』全三巻を五年間以上かけて読み通した。このような同志的・組織的な支えがあってこそ、吉川さんは、医者も驚く生命力を発揮して頑張った。最後に仲間が吉川さんの耳元でインターナショナルを歌い彼の手を握った。これに吉川さんはしっかりと手を握り返した。
 脳髄の大部分を傷つけられながらも、その後四十七年間も生きぬいたこと、これじたいが国家権力と走狗どもにたいする断固たる反撃であった、と思います。「革マル主義などバール一本で壊せる」などとほざいたブクロ官僚の憎むべき凶行を、彼は革マル主義者として蘇り生涯をまっとうすることによって粉砕した。――これぞ、勝利と言わずしてなんと言うべきか!
 今日この日まで彼が生きてくれて、第三次分裂最終決着の私の報告を聞かせられなかったことは残念ではあります。だがしかし、彼はわれわれのなかにしっかりと生きている。
 わたくし常盤も、いささか馬齢を重ねました。同志吉川と第三次分裂をともにたたかいぬいた世代であります。同志朝倉文夫も、同志土門肇も、同志西條武夫も、同志山岡鉄治も、そして同志毛利晴信も、同志筧麻子も、ともにたたかったすべての労働者・学生同志たちも、私たちはみな、同志吉川が今なお自分のなかに生きていると思っている。私の命あるかぎり、彼とともに、そしてここに結集されたすべての仲間とともにたたかう決意であります。

 満場の諸君!
 同志黒田は次のように語りかけている。「現代における外なる革命を、社会革命を永続的に実現するということは、同時にわれわれの内なる永久革命なしには不可能なのである。外なる革命は内なる革命を前提とし、後者を基礎とすることによって、前者の勝利的実現も可能になるのであって、この二つの革命を統一することのなかに現代プロレタリア革命の本質がある」(「革マル派結成一〇周年に際して」『組織論の探求』三三三頁)、と。
 この同志黒田の<人間変革の哲学=革命理論>を、われわれは全実存をかけてうけとめわがものとしようではありませんか。同志黒田寛一の場所の哲学を、そして革マル派建設のなかで築きあげてきた世界に冠たる組織現実論を、個別的にも組織的にも全力をあげて再主体化する努力を積み重ねようではないか。
 あらゆる組織破壊攻撃をはねかえし、わが反スターリン主義運動をさらにさらに大きく飛躍させるべくともに奮闘しよう! ガンバロー!

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