第2667-2668号(2021年5月17日)の内容

<1面>
4・30 首都に反安保・改憲阻止の炎
 全学連が対国会・首相官邸・米大使館闘争
全学連 改憲国民投票法改定を許すな
 衆院憲法審査会での採決阻止に起つ
 5・6 国会前
<8面>
改憲国民投票法改定阻止の声
 5・3 国会前金沢
辺野古で埋立て反対集会 4・24
<2面>
半導体製造をめぐる米中の角逐
<4面>
架空討論 日共指導部のイカサマ「未来社会」論
<5面>
関電 老朽原発再稼働を許すな
「脱炭素」名分に原発・核開発を加速
<6面>
生活保護
 困窮者が申請をためらう制度
 受給者を切り捨てる大阪府当局
Topics 「選択的週休3日制」の犯罪性
<7面>
マイナンバーカードの保険証としての利用拡大に狂奔
■末期資本主義を終わらせる!
<3面>
万華鏡
 ウイグル弾圧に加担/トランプの逆襲/ドローン監視/スマホ依存病
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号


































  


4・30
  
首都に反安保・改憲阻止の炎


全学連が対国会・首相官邸・米大使館闘争

 
 首相官邸に向け六本木通りを進撃する全学連の学生たち
(4月30日、港区)
 四月三十日、全学連のたたかう学生たちは、緊急事態宣言下の厳戒態勢を突き破り、「対中国攻守同盟反対!」「憲法改悪阻止!」「政府・独占資本による労働者・人民への犠牲強制を許すな!」を掲げ、国会・首相官邸・アメリカ大使館にたいする断固たるデモに決起した。
 菅政権は四月二十五日に、東京・大阪・兵庫・京都の四都府県に三度目の緊急事態宣言を発出した。菅政権は困窮人民に一切の補償をおこなわず切り捨てている。この菅政権と、労働者に雇い止めやシフトの大幅削減などの攻撃をふりおろす独占資本家どもは、日本の労働者・人民をより一層の貧窮に突き落としているのだ。
 いま東アジアにおいては、台湾を焦点として米・中の政治的・軍事的角逐が激化し、戦乱勃発の危機が日々高まっている。こうしたなかで菅政権は、4・16日米首脳会談におけるアメリカ・バイデン政権との合意にもとづいて、敵基地先制攻撃体制の構築をはじめとする対中攻守同盟強化の諸攻撃を一挙にふりおろしている。そればかりでなく、憲法改悪に道を開くための国民投票法改定案を連休明けにも衆院憲法審査会において採決せんとしていた。
 まさにこの決定的な局面において、全学連は、「反安保」を完全放棄し、一切の闘いを総選挙に向けた政策宣伝に解消する日共中央の議会主義的闘争歪曲をのりこえ、反戦反安保・改憲阻止の火柱を、さらに「政府・独占資本による労働者・人民への犠牲強制反対!」の闘いの炎を、首都中枢に赤々と燃えあがらせたのである。

「対中国攻守同盟反対!」――白ヘル部隊が戦闘的デモ

 午前十一時、全学連の白ヘル部隊は、六本木・三河台公園からデモンストレーションに出発した。
 デモの先頭には、「対中攻守同盟の強化反対! 菅政権打倒!」と大書された横断幕が掲げられ、学生たちは「米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破れ!」などと書かれたのぼり旗や大学旗をはためかせながら進撃する。
 「安保粉砕!」「改憲阻止!」「ファシズム反対!」「内閣打倒!」六本木に学生たちの力強いかけ声が響きわたる。
 デモ隊が溜池交差点にさしかかると、学生たちの真正面に首相官邸がある。たたかう学生たちは、対中国の戦争遂行体制構築に突き進むとともに、困窮する労働者・人民を切り捨てる菅政権にたいする怒りを爆発させた。
 「敵基地先制攻撃体制の構築を許さないぞ!」「辺野古新基地建設阻止!」「労働者・人民への犠牲強制を許さないぞ!」「東京オリンピックを中止せよ!」
 学生たちは、機動隊車両数台をデモ隊横にぴったりと張りつかせた警察権力による威圧をものともせず、渾身の力をこめて首相官邸にシュプレヒコールを叩きつけた。
 デモ隊が外堀通りに入るとすぐに、右手にアメリカ大使館が見えてきた。「属国」日本を総動員して中国封じこめの軍事包囲網構築に突進するアメリカ帝国主義・バイデン政権にたいして、たたかう学生たちは<反安保>の怒りを叩きつけた。
 「日米軍事同盟粉砕!」「中距離ミサイルの配備阻止!」「安保破棄めざしてたたかうぞ!」
 アメリカ大使館に怒りの拳を叩きこんだデモ隊は、返す刀で、反労働者的策動をくりひろげる中国ネオ・スターリン主義権力者をも弾劾した。
 「中国の対抗的軍事行動反対!」「尖閣『領有』策動を許さないぞ!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」
 デモ隊は西幸門前交差点を左折し霞が関を進撃する。デモ隊の眼前に国会議事堂が見えてきた。司会の学生がマイクを握り訴える。「菅政権は今国会で、憲法改悪のための国民投票法改定案の採決や人民総監視体制構築を狙ったデジタル関連法の制定を策している。一切のネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕け!」
 「国民投票法改定案の衆院採決阻止!」「憲法改悪阻止!」「デジタル庁関連法の制定阻止!」「日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!」「菅政権打倒!」
 こうして全学連のたたかう学生たちは、日比谷公園までのデモを終始戦闘的にたたかいぬいたのだ。

米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破れ!――総決起集会

 デモに先だつ午前十時、たたかう学生たちは、三河台公園において総決起集会を開催した。
 集会冒頭は有木全学連委員長の基調提起だ。
 有木委員長ははじめに、怒りをこめて訴えた。「いま関西・首都圏では新型コロナ感染が爆発的に拡大し、大阪では重症病床が足りず入院すらできずに命を落とす感染者が続出している。独占資本支援と五輪開催にしがみつく菅政権による感染対策の放棄をはっきりと示しているではないか! 医療崩壊を招き労働者・人民に巨大な犠牲を強制する東京オリンピック開催を直ちに中止せよ! 困窮人民を見殺しにする菅政権を徹底的に弾劾せよ!」「ヨシ!」すべての学生が菅政権への怒りを新たにし呼応する。
 つづけて彼は、結集した学生たちに、反戦反安保・改憲阻止の闘いへの決起を力強く呼びかけた。「菅とバイデンは四月十六日の首脳会談で発表した日米共同声明に『台湾海峡の平和と安定』を明記した。この首脳会談こそ、中国軍の台湾侵攻を阻止する日米共同の軍事態勢構築を宣言した反人民的儀式にほかならない。米軍中距離ミサイルの大量配備、敵基地先制攻撃体制の構築を断じて許すな! 『反安保』を完全放棄した日共系反対運動をのりこえ、対中国攻守同盟反対の反戦反安保闘争を断固として巻きおこせ!」「対中攻守同盟に見合った内実への憲法大改悪を絶対に阻止しよう! 改憲国民投票法改定案の衆院採決を阻止せよ! デジタル庁関連法案の採決阻止! すべての闘いを集約し菅日本型ネオ・ファシズム政権を打倒せよ!」たたかう学生たちは、彼の提起に満場の拍手で応えた。
 つづいてマル学同革マル派の同志が連帯あいさつにたった。彼は、アメリカ・バイデン政権が、「専制主義」と烙印する中国との闘いを政治・軍事・経済・技術のすべてを結びつけ総合的に推進するという世界戦略にもとづき「属国」日本を総動員しようとしていることを怒りをこめて弾劾した。そしてこれに全面的に応えて対中攻守同盟の強化に突進する菅政権を弾劾し、「日米軍事同盟の帝国主義的軍事同盟としての反人民的本性がむきだしとなっているいま、安保の鎖を断ち切る階級的力を創造するために、<安保破棄>めざしてたたかおう!」と彼は訴えた。
 同時に彼は、習近平政権が尖閣・台湾・南シナ海での対米対抗的な軍事行動を展開していることや、人民殺戮に狂奔するミャンマー軍政を全面支援していることを怒りをこめて弾劾し、ネオ・スターリン主義中国の一切の反プロレタリア的策動に反対するべきことを訴えた。「米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を燃えあがらせよ! <反帝国主義・反スターリン主義>の旗のもとにともにたたかわん!」マル学同の同志の渾身の呼びかけに、たたかう学生たちは万雷の拍手で応えた。
 次にたたかう早大生が、文化団体連合会のもとに学生の団結を創造し対面での自治・サークル活動をかちとったことにふまえキャンパスから反戦反安保・改憲阻止の闘いの前進をかちとってきたことを報告した。最後にたたかう国学院大生が、感染対策を理由にした大学当局の自治・サークル活動規制をうち破る闘いを報告しつつ、たたかう決意を表明した。
 こうして決起集会をかちとった学生たちは、決意も固くデモ行進にうってでたのである。

菅ネオ・ファシズム政権を労学の実力で打倒せよ!

 
 闘う学生たちが国会へ向け怒りの拳
(4月30日、霞が関)
 本闘争の革命的意義は、日米首脳会談におけるバイデン政権との合意にもとづいて菅政権がふりおろす対中攻守同盟強化の諸攻撃や憲法改悪にたいして、「反安保」を放棄し反戦の大衆的闘いの組織化も投げ捨てる日共中央翼下の反対運動の沈滞をうち破り、断固たる反撃の闘いの炎を燃えあがらせたことにある。
 菅政権は、「台湾有事」に際して日本国軍を米軍指揮下の対中戦争の最前線に立たせることをバイデン政権に誓約した。敵基地先制攻撃体制を構築するために、長射程ミサイルなどの兵器購入を進めるとともに、米軍の中距離ミサイル配備を「事前協議」の対象外とすることを明言した。さらに「台湾・尖閣有事」を想定した日米合同軍事演習の実施や対中戦争計画の策定などの諸攻撃を一気にふりおろしている。まさに菅政権は、中国を軍事的に封じこめるために「属国」日本を総動員するというバイデン政権の策動に全面的に協力しているのである。そして同時に菅政権は、日本を名実ともに「戦争をやれる国」へと飛躍させるために、憲法第九条改悪への突破口を開く国民投票法改定案の採決へと拍車をかけた。
 この重大な攻撃をまえにして日共の不破=志位指導部は、「反戦」や「日米軍事同盟反対」の大衆的闘いの組織化をいっさい放棄した。日共委員長・志位は、日米首脳会談について、「(共同声明には)中国海警法に対して国際法違反との批判が欠落している」などと非難している。日米軍事同盟の対中攻守同盟としての強化に突進している日米両権力者にたいしてもっと中国に強硬策をとれ≠ニ突きあげる犯罪的対応をとったのだ。たとえ「地球的規模での日米の軍事的共同」の推進には反対とつぶやいたとしても、中国の尖閣「領有」策動に日米で共同対処することについては、日米安保条約第五条の「日本防衛」にもとづくものとして積極的に認めているのが日共中央ではないか。わがたたかう学生たちは、こうした日共中央の犯罪的対応をのりこえるかたちで、4・30闘争を<反安保>の旗高くたたかいぬいた。
 かの4・16日米首脳会談こそは、バイデンがアメリカ主導で世界的に構築しようとしている対中国の政治的・軍事的・経済的の包囲網の中軸をなすものとして米日の帝国主義同盟を位置づけたことを全世界に告知したものにほかならない。この首脳会談の日本と世界の労働者階級にとっての重大な意味を満天下に明らかにしつつ、全学連の学生たちは、「対中攻守同盟の強化反対!」の旗幟も鮮明に本闘争をたたかった。もって日米両権力者による日米軍事同盟の新たな強化、そして菅政権による日米攻守同盟に見合った憲法改悪という一大攻撃にたいして、断固たる反撃の巨弾をぶち込んだのである。
 全学連のたたかう学生たちは、台湾を焦点とした米・中の激突のもとで高まる戦乱勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を赤々と燃えあがらせた。
 日米共同声明に「台湾」の文言が明記されたことに猛反発した中国・習近平政権は、ただちに空母「遼寧」を尖閣諸島近海に派遣する(四月二十六日)とともに、南シナ海には空母「山東」を展開し、威嚇的な軍事デモンストレーションにうってでた。これにたいして米日両権力者は、九州・沖縄から台湾海峡・南シナ海にかけて米軍・日本国軍の部隊を展開させ軍事演習を強行した。まさに米日と中国との直接的衝突を発火点とした熱核戦争勃発の危機が急切迫しているのだ。
 全学連は、米日両権力者による対中攻守同盟強化に反対すると同時に、中国ネオ・スターリン主義権力者による反プロレタリア的軍事行動にも断固として反対することを鮮明にしてたたかいぬいた。そして台湾を焦点として高まる米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破るために、プロレタリア・インターナショナリズムに確固として立脚し、<米―中・露の核戦力強化競争反対>の革命的スローガンを掲げてたたかいぬいた。
 この闘いこそは、全世界人民に反戦闘争への決起を促し、米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破る闘いの行く手をさししめした画期的意義を有しているのだ。
 さらに、菅政権・独占ブルジョアジーによる労働者・人民への犠牲強制を打ち砕く闘いの炎を燃えあがらせたこともまた、本闘争の重要な意義である。
 菅政権は、困窮人民への補償を一切やらずに緊急事態宣言や「まん延防止措置」を発した。このもとで一層多くの労働者が日々路頭に放りだされている。菅政権は、困窮に突き落とした人民を見殺しにして、独占資本への支援とおのれの政権延命をかけて東京五輪開催にしがみついている。しかも独占資本家どもは、「コロナ危機」を「デジタル化・脱炭素化」を旗印とした産業構造の大転換のチャンスととらえ、労働者の大量首切りや賃金切り下げに狂奔している。全学連は、政府・支配階級によって労働者・人民が困窮のどん底に突き落とされているこの現実への階級的憤怒に燃え、「連合」労働貴族や「全労連」日共中央盲従指導部による闘争の抑圧・歪曲を許さず二一春闘を不屈にたたかう労働者と固く連帯して、断固たる反撃の炎を噴きあげたのである。

 すべての学生・労働者諸君!
 菅政権・自民党は五月六日、衆院憲法審査会での改憲国民投票法改定案の採決を――国民民主党のみならず立憲民主党をも抱きこみ自民・維新の改憲ファシスト連合を核とする改憲に向けた陣形を強化するかたちで――強行した。これにたいしても全学連は、国会前において「衆院採決阻止」「憲法改悪阻止」の闘いの巨弾を断固としてぶち込んだ。国民投票法の改定を断固として阻止せよ! 憲法九条改悪と「緊急事態条項」創設を柱とする自民党改憲案の提出阻止! 憲法改悪阻止の一大闘争を巻きおこせ!
 敵基地先制攻撃体制の構築阻止! 辺野古新基地建設阻止! 日米合同軍事演習反対! 対中攻守同盟の強化反対! <基地撤去・安保破棄>めざしてたたかおう! 中国の対抗的軍事行動反対! 米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を巻きおこせ!
 われわれは菅政権による労働者・学生への犠牲強制に反対する政治経済闘争の爆発をかちとるのでなければならない。感染対策の放棄を弾劾するとともに、病床削減をおしすすめる医療制度大改悪に反対せよ!
 人民総監視体制構築のための「デジタル庁」関連法の制定阻止!
 いまや菅政権は労働者・人民の怒りに包囲され完全にレームダックと化している。いまこそすべての闘いを総集約し、反人民性をむきだしにする菅日本型ネオ・ファシズム政権を労働者・人民の実力で打倒せよ!
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全学連

改憲国民投票法改定を許すな

衆院憲法審査会での採決阻止に起つ
5・6 国会前


 
 憲法改悪を阻止する決意も固く国会へ向けシュプレヒコール
(5月6日、衆院第2議員会館前)
 五月六日、全学連のたたかう学生たちは、国民投票法改定案の衆院憲法審査会での採決を阻止する闘いに断固として起ちあがった。この日、自民党と立憲民主党の両幹事長が、CM規制にかんする立民の「修正要求」を盛りこんだ国民投票法改定案の可決・成立にむけた「審議の進め方」について「合意文書」をとりかわし、これにもとづいて菅政権・自民党が衆院憲法審査会における採決を強行せんとしていた。この局面において、「野党共闘」を優先するという観点から立民への批判を何ひとつ口にすることなく憲法審査会に自党議員をノコノコと出席させて粛々と採決の場に加わったのが、日共の志位指導部にほかならない。全学連は、この日共中央の犯罪的対応を満腔の怒りを込めて弾劾し、改憲のための国民投票法改定案の採決を阻止する闘いを断固としてくりひろげたのだ。
 午前十一時、憲法審査会が開催されようとしていたまさにそのときに、全学連の学生たちが衆院第二議員会館前で抗議集会を開始した。真紅の全学連旗を掲げ、学生たちは国会に向けて怒りの拳を叩きつけた。「国民投票法の改定阻止!」「採決を阻止するぞ!」「菅政権を打倒するぞ!」
 たたかう学生が怒りに満ちて発言した。「菅政権は人民の怒りと怨嗟の声に包囲されガタガタとなりながら、この危機ののりきりをもかけて憲法改悪にむけて猛突進している。この日本型ネオ・ファシズム政権の攻撃を断固として粉砕せよ! 敵基地攻撃体制の構築阻止! 対中国の日米攻守同盟粉砕!『反安保』・『反ファシズム』の旗幟を鮮明にたたかおう!」
 全学連の学生のアジテーションが響きわたるなか、国会前には昼休みの「議員会館前行動」に参加する「全労連」傘下組合の労組員や市民たちが続々と集まってきた。
 十二時十分、労働者・学生の反対の声を傲然とふみにじって、菅自民党は公明・維新および立民とともに採決を強行した。「採決弾劾!」「菅政権の改憲策動を粉砕するぞ!」怒りに燃えた全学連の学生たちがシュプレヒコールを国会に波状的に叩きつけた。さらに彼らは結集した労働者たちに、立民への一片の批判もなく粛々と採決に応じた日共指導部の犯罪を暴露し、この既成指導部をのりこえたたかうことを熱烈に訴えた。多くの労組員が学生の発言をニコニコしながら聞きいり、そこかしこで「がんばろう」と声をかけてくる。
 こうして全学連は、「野党共闘」を自己目的化する日共翼下の反対運動をのりこえるかたちで国民投票法改定・憲法改悪阻止の闘いを戦闘的に創造したのだ。
 すべての労働者・学生諸君! 今国会で改憲国民投票法の改定を一気呵成になしとげようとしている菅自民党政権の策動を打ち砕く闘いに起ちあがろうではないか! 憲法第九条の実質的破棄と緊急事態条項の新設を核心とする憲法大改悪を阻止する闘争の一大奔流を創造せよ!
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架空討論

日共・不破=志位指導部のイカサマ「未来社会」論をめぐって

 C はぁ〜。
 A どうした、元気ねぇな。
 C 労使交渉で組合執行部が当局の回答を呑んで、一発妥結しちまっただろ? あんな低い「賃上げ」額、組合員にとっちゃ実質賃下げだよ。俺はもっとたたかうべきだと言ったのに……。
 B おぅ、ウチの分会でも非難ゴウゴウだぞ。
 C 委員長たちは共産党員だけど、県委員会に選挙で保守層の票が逃げる≠ニ言われてハイハイと従ったんだよ。まったく、どっちに顔を向けてるんだか……。
 B そうだよ。こっちは給料はドンドン減らされてるし、人員不足で仕事はきつくなる一方なのによ。
 C いま苦しんでる労働者の生活も守れずに、なにが「社会主義の展望をおおいに語ろう」だよ!
 A ああ。だけど、おまえさんも党員じゃないの?
 C そうだよ。でも、もう党費も納めない、支部会議にも出ないと決めたんだ。労働運動は議題にもされないし、『赤旗』増やせ、党員増やせばっかりだ。「党綱領の魅力」なんて言われてロクに読まずに入党したけど、「社会主義」なんて夢だったのかなぁ……。
 B 待てよ。そりゃアンタの党の指導部が言う「社会主義の展望」とやらがインチキだからじゃないか?
 C どういうこと?
 A 今度ゆっくり話そう。

「資本主義の高度な発展」をそっくりひきつぐ「未来社会」!?

〔……次の日曜日……〕
 A これを見てくれよ。
 C ああ、新しい党綱領と、そっちが志位さん(日本共産党委員長)の「改定綱領学習講座」(『改定綱領が開いた「新たな視野」』)だね。
 B へぇ、ずいぶん難しいものを読んでるんだな。
 C ンなわけないよ。地区委員長が支部会議で「改定綱領講座」のDVDを流すだろ、俺たちが居眠りしてるうちに時間がくるだろ、それで「ハイ、全員読了」ってシステムさ。
 A ハハ。じゃあちょっと中身を見ていこう。
 去年の党大会で、共産党の指導部は「中国は社会主義ではなかった」と中国の評価を一変させた。そして、ソ連や中国の「社会主義」建設が失敗したのは「資本主義の発達が遅れた国からの出発」だったからだ、「発達した資本主義国における社会変革」こそ「社会主義・共産主義への大道」だ、と言いだしたよな。
 B ホ〜、これが「新綱領」か。ナニナニ、「発達した資本主義国での社会主義的変革」は、「生産手段の社会化を土台に」して、@「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力」、A「経済を社会的に規制・管理するしくみ」、B「国民の生活と権利を守るルール」、C「自由と民主主義の諸制度と国民の闘いの歴史的経験」、D「人間の豊かな個性」という「五つの要素」を「継承し発展させることによって」実現される、なんて書いてあるね。
 A 日本という先進資本主義国はこんなに「社会主義」に近いのデス≠チてわけだ。彼らは、この資本制社会をどうやってひっくり返すかと問題をたてない。「市場経済を通じて社会主義に進む」ことが「日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向」だ、とまず断言する。そしてこの「発展方向」に見合うような、「未来社会に進むさまざまな客観的条件、および主体的条件」を、あったがままの日本資本主義社会のなかに探し求める。そうして探しだしたものを、「資本主義が達成した成果」と美化し、それらを「継承・発展させる」ことが「社会主義的変革」だと称する。
 B 「資本主義の成果」の舟に乗って流れに棹させば、「社会主義」に流れ着くってか。ずいぶんラクチンな「社会変革」だな。
 A すると、彼らのオツム、「社会主義」の理念も、国家独占資本主義の改良≠ニ言うべきものに、そっくり入れ替わっちまうよな。
 C ……よくわかんねぇな。順番に話してくれよ。

資本の生産力の美化

 B 賛成。まずはAさん、志位さんが「資本主義は、未曽有の社会的生産諸力を発展させ、未来社会の土台となりうる物質的諸条件を発展させる」と言ってるけど、ここはどうなの?
 A 資本の生産力を手放しで賛美しているよな。職場に導入されてるAIを考えてみたらどうかな?
 C そういえば、俺が組合の会議で、AI導入に反対しようと言ったら、委員長のヤツ、「単純作業がAI化されれば、そのぶん住民サービスに専念できる。AI化に反対するな!」と言って俺の意見をつぶしたな。いざAIが導入されたら、そのぶん定員が減らされて、残った俺たちの仕事はきつくなるばかりだ。
 A そうだ。黒田寛一さんの『賃金論入門』という本のここを読んでみなよ。
 「スターリン主義者は『社会の生産力』と表現することにより同時に生産力を超歴史的にとらえているのであるが、これは誤りである。
 資本の直接的生産過程において成立する種々の生産力は、つねに必ず『資本の生産力』としてあらわれる。」(一一五頁)
 「技術化された生産諸手段とこれに対応して技術化され省力化された統合労働体とのむすびつきは、資本の技術的構成の高度化とよばれる。……この高度化によって資本の生産力はより一層向上することになる。
 このような資本構成の高度化の反面は、資本の生産過程からの諸労働者の放逐であり、相対的過剰人口の創出である。」(一一九頁)
 C 難しいけど、実感としてわかる気がするよ。それにしても、ウチの党はまるで「スターリン主義者」と同じことを言ってんだな。
 A そりゃ、スターリン主義者の党だからな。
 C えぇっ! そうなの!?
 B なんだ、知らなかったのか。ハハハ。
 A マルクスは『共産党宣言』でこう言っているよな。
 「巨大な生産手段や交通手段を魔法で呼び出した近代ブルジョア社会は、自分が呼び出した地下の悪魔をもう使いこなせなくなった魔法使いに似ている」「ブルジョア階級はみずからに死をもたらす武器を鍛えたばかりではない。彼らはまた、この武器を使う人々をも作り出した――近代的労働者、プロレタリアを」と。
 B マルクスはすげえな! まるでいまの俺たちのことを言ってるみたいだ。
 A うん。志位は、ここに貫かれたマルクスの実践的立場と無関係に、あたかもマルクスが、資本の生産力が発展することの延長線上に「未来社会」がひらかれると主張していたかのように言う。デッチあげもいいところだ。
 資本主義国・日本のなかに「発達した資本主義の成果」を探し求めるスケベ野郎が狂ったアタマで、『資本論』の「より高度な社会形態の唯一の現実的土台となりうる物質的生産諸条件」(第一部第七篇第二十二章)という叙述を読みこむから、そうなるんだ。

以下、見出し

銀行制度は「社会主義的変革」の「テコ」!?

資本主義の下での労働者の「全面的発達」!?

労働者にとって「自由と民主主義」とは

マルクス「依存関係」論のデタラメな解釈

プロレタリアートの階級的団結の創造へ!


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美浜3、高浜1、2号機

菅政権・関電の老朽原発再稼働を許すな!

 四月二十八日、福井県知事・杉本は、まきおこる労働者人民の「老朽原発の再稼働反対!」の声を踏みにじって、運転開始から「四十年超」となる関西電力の美浜原発3号機、高浜原発1、2号機の再稼働に「同意」した。昨年十月に「二〇五〇年までに温室効果ガスの排出ゼロ」をぶちあげた菅政権は、これを機にCO2を排出しない原発≠フ推進を呼号し、福井県当局にたいしては関電が求める美浜・高浜原発三基の再稼働を承認することをゴリ押ししてきた。県知事・杉本はこれに応えたのだ。
 福井県当局から「同意」をひきだした菅政権・関電経営陣は、早期の再稼働に向けて核燃料の装填を強行しようとしている。危険きわまりない老朽原発の再稼働を絶対に許すな!

以下見出し

五〇億円交付金をエサに福井県自民党・知事を抱きこんだ政府

核惨事を招きよせる四十年超の運転延長

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「脱炭素」を名分に原発・核開発を加速する菅政権

原発の積極的活用≠謳う新「エネルギー基本計画」の策定
 プルサーマル発電計画の護持

破綻した核燃料サイクル政策の糊塗
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マイナンバーカード

健康保険証としての利用の拡大に狂奔する菅政権

 三月二十五日、菅政権・厚生労働省はマイナンバーカードの健康保険証としての本格的利用開始時期を当初の「三月末」から「十月以降」に延期することを発表した。「三月本格実施」のプランが頓挫したのだ。だが菅政権は、カードの普及の進捗を宣伝しつつ、なんとしてもマイナンバーカードを「保険証として活用」することを拡大しようと必死となっている。

トラブル続出を居直り十月本格運用開始をごり押し

政府による個人医療情報の一元的集積・管理

デジタル庁関連法の制定を阻止せよ!


 いま米・欧・中国の世界各国で監視カメラの映像と顔写真データベースを照合する監視システムが急速に拡大している。とりわけ、中国では監視カメラが一億七〇〇〇万台以上設置され、顔認証システムを活用して個人の行動を特定している。たとえば赤信号を無視して横断歩道を渡ると個人が特定され罰金を科すというように。菅政権は、このような中国の強権的な人民監視技術に垂涎しつつ、日本型の監視システムの構築を急いでいるのである。
 菅政権は今国会において、「デジタル庁創設」を柱とした「デジタル改革関連法案」を可決・成立させ、九月にもそれを発足させようとしている(四月六日に衆議院での採決を強行した)。マイナンバーカードの発行・普及ならびにその利活用にかんしても、「デジタル庁」を司令塔として、一挙に二二年度中にも全国民に普及させ、それを「健康保険証」として、さらには「運転免許証」との一体化や、銀行口座との紐つけ、医師や看護師などの国家資格をも搭載することを企んでいる。しかも彼らは、そのマイナンバーカードの機能をスマホに搭載することを策している。まさに、NSCのもとで強権的な国民監視体制を一挙に構築するそのためのテコとして、マイナンバーにあらゆる個人情報を紐つけし、それをデータベースとして蓄積しようとしているのだ。
 そのためにこそ、従来の地方自治体ごとに定められている「個人情報保護」にかんする規制(人種や思想、犯罪歴、病歴などの「要配慮個人情報」の収集を原則禁止する、ということなど)をいっさい取り払うことが、「個人情報保護法の改正」の名のもとに目論まれているのだ。
 マイナンバーカードの保険証としての活用を絶対に許すな!「デジタル改革関連法」の制定を阻止せよ!「デジタル改革」容認を前提として弱々しく「プライバシー保護」を対置するにすぎない既成指導部を弾劾し、<日本型ネオ・ファシズム支配体制の飛躍的強化反対>の闘いに決起しよう。
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改憲国民投票法改定阻止の声
 5・3 国会前
 憲法記念日の五月三日、国会正門前において「5・3憲法大行動」が開催された。菅政権・自民党は国民投票法改定案の衆院憲法審査会での採決を六日にも強行しようと身構えていた。この緊迫した局面で開催されたこの集会には、改憲に突き進む菅政権への怒りと危機感に燃えた労働者・学生・市民が結集し、国会正門前の歩道を埋めつくした。
 この場において、早稲田大学や国学院大学などの「首都圏学生ネット」のたたかう学生たちは、「対中攻守同盟の強化反対!」「日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!」の旗を高々と掲げてたたかった。バイデン政権に安保の鎖≠ナ締めあげられながら対中国の戦争遂行体制構築に突き進む菅政権。この菅政権による第九条破棄と「緊急事態条項」創設を柱とする憲法改悪を阻止するために、わがたたかう学生たちは、「反安保」を完全に放棄した日共系反対運動をのりこえるかたちで、<反安保・反ファシズム>の旗高くたたかいぬいたのだ。
<反安保・反ファシズム>の声高く闘う「首都圏学生ネット」の学生たち
(5月3日、国会正門前)
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改憲国民投票法改定阻止の声
 5・3 金沢
 五月三日に金沢市において、労働者・学生・市民が結集し、憲法改悪に反対する集会とデモ行進が連続的におこなわれた。
 菅政権・自民党は連休明けの五月六日にも、衆院憲法審査会において「国民投票法改定案」の採決を強行しようとしていた。四月十六日の日米首脳会談―共同声明において、アメリカ大統領バイデンと対中攻守同盟のよりいっそうの強化をうたい、アメリカの対日要求を全面的にのむことを誓わされた首相・菅は、日米安保同盟の飛躍的な強化にふさわしいものへと現行憲法を改悪することに全体重をかけて突進しているのだ。この菅政権への怒りに燃え、たたかう金沢大生たちは、闘いの戦闘的高揚をかちとるべく全力で奮闘した。
労働者・市民と共に金沢市・片町をデモ
(5月3日)
   護憲集会に<反安保>の檄
(5月3日、金沢市)
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辺野古で埋立て反対集会
4・24
 辺野古新基地の本体工事が開始されて四年をむかえた四月二十四日、「辺野古、大浦湾、埋立て許さない!! 4・24抗議集会」が辺野古浜で開催された。台風にともなう荒天をものともせず、海上行動をたたかう労働者・市民を中心に七十余名が結集した。日米首脳会談で「台湾海峡の平和と安定の重要性」を高らかに宣言し、辺野古新基地建設を核として南西諸島の基地強化に突き進む日米両権力者への怒りに燃えてたちあがったのだ。県反戦の労働者たちは、<対中攻守同盟の強化反対!>を掲げてたたかいぬいたのである。 
<全基地撤去・安保破棄>を掲げて沖縄県反戦の労働者が奮闘
(4月24日、沖縄県名護市)
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