第2673号(2021年6月21日)の内容

<1面>
6・9
 
国民投票法改定・土地規制法制定阻止!

 全学連が国会前闘争に決起
6・13
首都中枢に改憲阻止・菅政権打倒の火柱

6・6大阪
美浜原発再稼働阻止の拳

 闘う学生が一三〇〇人の先頭で奮闘
<2面>
高速炉開発を阻止せよ
<3面>
日共指導部による中国=「社会主義をめざす国」°K定削除の欺瞞
<4面>
郵政
 「土曜休配」による首切り・配転を許すな
<5面>
Topics 金属労協の「カーボンニュートラル政策」
◆支援金――「まずは自助」=預貯金を取り崩せと迫る菅
◆技能実習生を食い物にする菅政権・監理団体
歌もどき 怒り・弾劾・連帯
<6面>
労働者を疎外のどん底につきおとすテレワーク
 「解放」最新号






























  


6・9
   
国民投票法改定・土地規制法制定阻止!


全学連が国会前闘争に決起


 
参議院議員会館前に陣どり怒りの拳をあげる全学連。
結集した労働者・市民の共感をかちとる(6月9日)
 六月九日、全学連のたたかう学生たちは、「国民投票法改定案の参院採決阻止!」「土地利用規制法の制定阻止!」を掲げ、国会前闘争に起ちあがった。菅政権・自民党はこの日の参院憲法審査会において立憲民主党を巻きこみつつ、改憲のための国民投票法改定案の採決を強行しようとしていた。さらにこの政権は、前日に参院で審議入りさせた土地利用規制法を残りわずかとなった今国会会期中になにがなんでも制定しようと狂奔している。これら極反動法の制定に突き進む菅政権にたいして、全学連は断固たる闘争にうってでたのだ。

参院憲法審査会に向け怒りのシュプレヒコール

 正午ごろ、全学連の学生たちが参議院議員会館前において、「国民投票法改定案の採決阻止! 土地利用規制法の制定阻止!」と大書された横断幕と真紅の全学連旗を掲げ、抗議集会を開始した。眼前の参議院のなかでは、午後一時から憲法審査会が開会されようとしている。たたかう学生たちは怒りに燃えてシュプレヒコールをあげた。
 「国民投票法の改定阻止!」「参院採決を阻止するぞ!」「憲法改悪阻止!」「菅政権を打倒するぞ!」
 たたかう学生の怒りの声が響きわたるなかを、「総がかり行動実行委員会」がよびかける集会に参加する労働者・市民が続々と結集してきた。議員会館前は二〇〇名ほどの労働者・学生・市民でうめつくされた。
 最初に発言に立った学生は、たたかう決意を全身にみなぎらせて堂々たるアジテーションをくりひろげた。
 「菅政権はコロナ感染拡大下で一切の犠牲を労働者・学生・人民に強制しながら、改定国民投票法の制定に、そして九条の改悪と緊急事態条項の創設を柱とした改憲案の国会提示に突進している。断じて許すな! 今こそ憲法改悪阻止の巨大な闘いを巻きおこそう! 労働者・学生の団結した闘いで菅政権を打倒しよう! わが全学連はその最先頭に立って奮闘しよう!」
 さらにたたかう学生が訴えた。
 「『重要施設の機能を阻害する行為』を処罰することをうたった土地利用規制法は、反基地闘争や原発反対闘争の破壊を狙った治安弾圧立法にほかならない。在日米軍基地・自衛隊基地の対中国出撃拠点としての強化と一体でしかけられているこの攻撃を断固として打ち砕こう! <対中国の日米攻守同盟反対・ファシズム反対>の旗高くたたかおう!」
 たたかう学生たちは、結集した労働者・市民とともに、国会に向けてシュプレヒコールを波状的にたたきつけた。
 「土地利用規制法の制定阻止!」「対中攻守同盟粉砕!」「貧窮する人民の切り捨てを許さないぞ!」「東京オリンピックを中止せよ!」「菅政権を打倒するぞ!」

日共中央の犯罪的対応を弾劾

 日共の議員どもは議員会館前での集会に、あろうことか国民投票法改定案に賛成した立憲民主党の議員と肩を並べてノコノコとあらわれ、立民をいっさい批判することなく「いま必要なのは改憲ではありません」などと弱々しくつぶやくにすぎなかった。立民との「野党共闘」を維持するために、「九条改憲阻止」も「日米軍事同盟反対」も後景におしやったのが日共の志位指導部なのだ。
 この日共中央の犯罪的対応をも暴露しながら、全学連の学生たちはたたかった。結集した労働者・市民に<反安保><反ファシズム>の旗幟を鮮明にしてたたかうべきことを熱烈によびかけつつ、この日の闘争を戦闘的にたたかいぬいたのだ。






                  国民投票法の改定弾劾! 
    
      
土地規制法制定を許すな






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6・13
   
首都中枢に改憲阻止・菅政権打倒の火柱



 
 六月十三日、全学連と反戦青年委員会は、首都中枢に「改憲阻止! 対中攻守同盟反対! 菅政権打倒!」の火柱を赤々と燃えあがらせた。改憲のための国民投票法の改定を強行し土地利用規制法の制定に突進する菅政権にたいして、怒りの巨弾を叩きつけたのだ。全国で奮闘する労働者・学生と固く連帯して。
 わが革命的戦闘的労学は、一切の闘いを選挙向けの「野党共闘」尻押しに歪める日共指導部を弾劾し、<反安保・反ファシズム>の旗幟鮮明にこの日の闘いを断固としてたたかいぬいたのである。〔写真は霞が関1丁目〕――詳報次号






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高速炉開発を阻止せよ!

潜在的核兵器保有能力の維持をたくらむ菅政権

 地球温暖化対策を名分として停止中原発の再稼働に拍車をかけている菅政権は、「準国産エネルギーとしての原子力発電」の特性を活かし「核燃料を有効利用するために不可欠」と称して核燃料サイクル開発をもおしすすめている。
 六ヶ所村の再処理工場において再処理した使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜてMOX燃料に加工し、これを再び軽水炉で燃やす(プルサーマル)軽水炉サイクル開発をおしすすめている。それだけではない。原型炉「もんじゅ」の廃炉(二〇一六年十二月)を余儀なくされて高速増殖炉開発の破産をつきつけられたにもかかわらず、安倍そして菅とつづく自民党政権は、「資源の有効利用とわが国のエネルギー自立に大きく寄与する」ものであるとおしだしながら、「増殖」の文言だけをはずして「高速炉サイクル」開発をあくまでも推進しようとしているのだ。
 日本政府・支配階級が高速炉開発にしがみついているのは、たんに日本帝国主義の「エネルギー安全保障」のためだけではない。この高速炉関連技術こそが、日本の潜在的な核兵器製造能力の維持・強化に不可欠な直接の技術的基盤をなすものにほかならないからである。
 本稿ではこうした視点から高速炉開発の現状とその意味を明らかにしていきたい。

以下、見出し

破綻した高速炉開発に固執する菅自民党政権

軍事用プルトニウム生産炉として意義をもつ「常陽」

高速炉開発にかけた日本政府・支配階級の野望


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日共・不破=志位指導部による
     
中国=「社会主義をめざす国」°K定削除の欺瞞


中国「社会主義市場経済」への賛美を隠蔽

日本国家独占資本主義の制度的優位性≠ヨの賛歌

中共との「関係正常化」のために天安門人民大虐殺を不問にしたことを隠蔽

腐敗を極める転向スターリニスト党を革命的に解体せよ!


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「土曜休配」「送達日数見直し」による首切り・配転を許すな

JP労組本部の全面協力を許さず職場から反合理化闘争を創造しよう!

 郵政経営陣は今、「改正郵便法」の成立(昨年十一月)をうけて「送達頻度の見直し」(以下「土曜休配」と略す)・「送達日数の見直し」の本年十月実施にむけ突き進んでいる。彼らは、人員削減ありきの集配班の「曜日別要員配置計画」と配達区の「区割りパターン」の作成を急ピッチでおしすすめている。また、非正規雇用労働者を実質上の雇い止めや強制配転に追いこむための「意向確認」を、六月(外務)あるいは七月(内務)から開始するとしている。
 郵政経営陣は五月十四日、今後五年間の郵政グループの新「中期経営計画」をうちだした。ここにおいて彼らは、郵政労働者三万五〇〇〇人もの人員削減計画を明らかにした。とりわけ郵便物流部門においては、「土曜休配」「送達日数の見直し」ならびに郵便物流部門のデジタル化をつうじて、二万人もの労働者を削減するというのだ。
 郵政労働者に大量の人員削減と極限的な労働強化を強制する画歴史的な一大合理化攻撃にたいして、にもかかわらず、「事業を持続・発展させていくため」などとほざきながら全面的に協力しているのがJP労組本部労働貴族どもにほかならない。
 すべての革命的・戦闘的労働者諸君!「土曜休配」「送達日数の見直し」にともなう労働者への一切の犠牲強要を阻止せよ! 両施策に全面協力するだけでなく、「事業改革が必須」などと称して「JP労組が考える事業ビジョン(案)」作成に埋没するJP労組本部を許すな! 今こそ首切り・強制配転・労働強化に反撃する闘いを、職場生産点から全力をあげて創造していこうではないか。ともにたたかわん!

1 郵政労働者の大量首切りに狂奔する経営陣

 今回会社当局が強行実施する「土曜休配」は、通常郵便の配達について土曜日の配達を廃止し、週六日配達から五日配達に改変するものであり、「送達日数の見直し」は、これまで送達日数が三日以内であったものを四日以内に延長するものである。この両施策の実施によってこれまでより一日〜三日程度配達が遅くなる。普通郵便は今週の木曜日・金曜日に差し出されたものは翌週の月曜日、今週の土曜日・日曜日に差し出されたものは翌週の火曜日に配達となる。月・火・水曜日に差し出されたものはそれぞれ二日後の水・木・金曜日に配達される。このように明らかにサービスダウン施策なのだ。

(1) 「土曜休配」にともなう人員削減と労働強化

 経営陣は、「土曜休配」によってこれまで土曜日に配置していた五万五〇〇〇人のうち四万七〇〇〇人を「他の曜日や荷物分野に振り向けることができる」とか、「働き方改革の一環だ」とかとうそぶいてきた。だがこれ自体、大量の人員削減を隠蔽し「土曜休配」をスムーズに貫徹するための詭弁にすぎない。今各局で作成されつつある「曜日別要員配置計画」においてそのことは端的に示されている。
 土曜日の配達をなくし、かつ引き受けから配達までの送達日数に余裕をうみだしたことによって、月曜日と火曜日はそれぞれ二日分の郵便物を、水・木・金曜日は、それぞれ二日前に引き受けた一日分の郵便物を集配労働者は配達することになる。にもかかわらず「曜日別要員配置計画」では、月曜日と火曜日は配置人員を班内でのわずか一名の増員、あるいは増配置なしの体制となっている。さらに、水・木・金曜日は郵便物数がこれまでどおりであるにもかかわらず、従来より配置人員が減らされている場合さえある。
 この「曜日別要員配置計画」の作成にあたって局当局者は、「支社から示された必要人員数を超えてはならない」だの、「各班で約一名の減員が実施されることになる」だのと、班長にたいして露骨な恫喝をしている。要するに経営陣は、従来土曜日に配置していた人員を振り向けるどころか、むしろ人員を削減さえしているのだ。
 現状でも各集配班一〜二名の欠員が恒常化しており、全国一万人以上の絶対的な人員不足がうみだされている。集配労働者はその穴埋めのために疲労困憊している。それゆえ郵政職場では心身の不調に陥ったり、交通事故にまきこまれたり退職に追いこまれたりする労働者が後を絶たないのだ。にもかかわらず経営陣は、それを無視して、一区当たり一人は減らせ≠ニがなりたてさらなる削減を強要しているのだ。ここにこそ今回の「土曜休配」の何たるかが明確に示されているではないか!
 しかも、週六日配達が五日配達になることから、月・火曜日は郵便物数が多くなり、曜日によって配達物量に差がでる。経営陣は、「曜日別要員配置計画」において人員を削減したうえで、少ない人員配置で完全配達するために、「曜日別区割りパターン」を作成しろと喚いている。この「曜日別区割りパターン」とは、月曜日(ないし火曜日)は郵便物が増えるので配達区域を狭くして、それ以外の曜日は配達区域を現状か広くせよ、ということなのである。
 だが、たとえ配達区が狭くなったとしても月・火曜日には大量の郵便の配達が、少ない日には広域配達が課せられ、労働者は長時間の配達労働を強いられることになるのだ。郵便物数の増減に合わせて、労働者を隙間なく徹底的にこき使う労働強化いがいのなにものでもない。しかも、現在職場において執拗になされている超勤削減の強要や、今後導入が拡大されるであろう「変形勤務」(月と火は十時間勤務で、水、木は六時間勤務など)によって、集配労働者は時間外手当の削減による賃金切り下げ、労働時間の内包的ならびに外延的拡大を強制されるのは明らかではないか。
 ところで、「送達日数の見直し」によって2パス処理された郵便物が早朝ではなく昼間帯以降に翌日の配達分として集配交付される。この改変にともない会社当局は、これまで午前中におこなってきた道順組み立て作業を配達区分終了後に変更していくことを画策している。前日の配達作業終了後に翌日の配達分の「前日組み立て」をおこない、当日の「道順組み立て」の作業をできるかぎり短くする。こうして集配労働者の配達出発時間を早め配達時間を延長し、超勤を減らすとともにこれまで午前中雇用していた「組み立てゆうメイト」を削減しようというのだ。
 「土曜休配」「送達日数の見直し」にともなう、外務部門の労働者にたいする首切り・雇い止め、労働強度の非合理的増進、シフト削減や超勤手当削減にともなう大幅な賃金カットを断固として打ち砕け!

以下見出し
(2) 深夜帯から昼間帯への業務再編にともなう大量の雇い止め

2 職場深部から首切り・強制配転・労働強化・賃下げ反対の闘いを創造しよう!
(1) 「事業構造改革への挑戦」を叫び全面協力する本部
(2) 政策提言・生産性向上運動をのりこえ闘おう

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労働者を疎外のどん底につきおとすテレワーク

 二〇二〇年度の実質GDP成長率が前年度比マイナス四・六%というリーマン・ショック時のマイナス幅(三・六%)を超える戦後最悪の落ちこみとなるなか、通信・電機などの一部独占体は、過去最高の営業利益・純利益を生みだしている。
 「新たな日常(ニューノーマル)」の実現を謳い文句にして、「十年かかる変革を一気に進める」(二〇二〇年版「骨太の方針」)と煽る菅政権に連動し、これを絶好のビジネス・チャンス≠ニみなしてデジタル関連事業の一挙的拡大を目論んでいるのが、電機独占体の資本家どもにほかならない。この電機資本家どもは、「生産性向上」のために社内においてもAIシステムの導入によって人員削減をすすめるとともに、「コロナ禍」を機にテレワークを一気に拡大している。このテレワークの拡大によって、労働者は新たな苦痛を強いられ、労働の疎外はますます深まっているのである。

一 テレワークの疎外性

 ここでは、「コロナ禍」において電機独占体の職場に一気に拡大されたテレワークの実態について明らかにしたい。
 昨二〇年四月以降、新型コロナウイルス対策の切札として、政府がとりわけ声を大にして叫んだのが人流七割削減のためにテレワークを!≠ニいう号令であった。この政府の出勤率引き下げ要請に積極的に応えるかたちで、電機独占体各社は出勤率を一五%(日立)にするとか、二五〜三〇%にするとかの目標値を掲げた。これによって、従来テレワークがほとんど適用されていなかった開発部門・サプライチェーン部門・営業部門などのほとんどすべての労働者が勤務する事業所に出勤することなく、自宅やサテライトオフィスなどで通信設備・通信機器を用いて働くテレワーク従事者となった。

A 過酷な実態

(1)出勤日は年二回

 サプライチェーン部門の事務労働者であるAさんの場合、事業所へ出勤したのは一年間で二回だけである。彼は、社内の種々の部門から送信されてくる購入依頼にもとづいて、部品材料やソフトウェアなどを他社へ発注する業務をおこなっている。打ち合わせ会議はリモートでおこなうが、自分の所属するグループの七〜八名とのみであり、グループ以外の様子はまったくわからない。基本的には「残業ゼロ」という指示が出ている。だが毎月の購入依頼の〆切日直前になると駆け込みの依頼が殺到し、購入依頼する側の記載内容の不備も多くなる。これらを確認する作業も増大し、Aさんのイライラした感情はピークに達する。それをなんとか我慢しながらしゃかりきになって発注処理をくりかえしている。

(2)「人間としゃべりたい!」

 Bさんは技術開発部門で種々の測定機器を使用して取得したデータをまとめる業務をおこなっている。「コロナ禍」で急きょ在宅勤務を命じられた。まず最初に困ったのは、「緊急時」を理由に私用パソコンを使うように指示されたが、在宅勤務で使用する私用パソコンの処理速度があまりにも遅く役に立たないことだった。Bさんは仕方なく自腹でパソコンを買い換えた。セキュリティ・サポート契約も含めた新規パソコンの購入額は十数万円にものぼり、とても手痛い出費となった。(後日になって、パソコンは会社支給に替えさせられ、出費はムダ≠ノ!)
 さらにBさんが困ったのは、たとえば業務に必要なアプリをインストールする際にちょっとした手順のミスなどでうまくいかないとき、周りに尋ねることのできる相手がいないことだった。うまくいかないとき、すべてチャットで尋ねる仕組みになっており、Bさんが質問事項を打ちこむと、それにAIが選択した回答が返信される。しかし微妙にズレがあるので、何度やりとりしても問題が解決しない。そこでBさんはIT関係のサポートを集中的におこなっている部署へメールで問いあわせる。この場合も問いあわせ先の電話番号は明示されていないので、メールの問いあわせにたいして、担当者がメールで返信してくる。自分が困っている状態を具体的にしゃべって伝えて解決策を教えてもらいたいにもかかわらず、一切それができない。「AIじゃなくて、人間としゃべりたい!」というのが、Bさんの切実な叫びだ。

(3)パソコンから離れられない

 Cさんは社内の労働者からの仕事の依頼や相談を受けて処理する業務を対面でおこなっていた。いきなり在宅勤務を命じられて一番困ったのは、パソコンの前から離れられなくなったことだ。一〇分位なら離れてもいい≠ニは言われていても、普段オフィスでやっているように、ちょっと席を立つ、ということができない。他の労働者からは見えない自宅で仕事をしていると、より強く自己規制が働いてしまう。また、作業が遅々として進まないような状態になると、こんなことでいいのか!≠ニ自分自身を責めるような気持ちが湧いて気分が落ちこむ。もともとスポーツや体を動かすことが好きなCさんにとって、狭い自室のパソコンの前にすわりつづけることは苦痛である。単身生活ではちょっとしたおしゃべりもできず、気分転換がうまくできない。毎日うつうつとした気分でパソコンと向きあっている。

B 追いつめられる労働者

 以上のように、電機独占資本家どもが「コロナ禍」において急きょ拡大させたテレワークによって、多くの労働者はあらたな困難を強いられている。
 何よりもまず、労働強度は極限的に高まっている。残業は基本的に禁止され、やむをえない場合にのみ上司の承認を得てからおこなうように経営者から言い渡されている場合、ほとんどの労働者はなんとか定時までに仕事を完了させようと必死になる。また、自分の知識不足で時間がかかってしまったと感覚する労働者は、わざわざ残業申請をすることをためらい自己規制してしまう。
 テレワークによって同じ労働組織の担い手である労働者が空間的に隔てられ通信回線とパソコンによって結びつけられているにすぎないとき、労働者はお互いの存在や労働のありさまを感性的にとらえることが難しくなる。たとえ資本家によって一定の場所に集められているにしても、労働者が同一の作業場所で労働する場合には、相手の様子を見ながらわからないことを尋ねたり教えあったり、手を借りたり貸したりすることが一応可能である。しかし、こうしてあたりまえにおこなわれていた意志疎通や協力しあうことがテレワークでは困難となる。個々バラバラに切り離されている労働者は、孤立感や不安感が日々高まるのだ。
 また、テレワークは身体的にも大きな影響をおよぼす。パソコンの前に釘付け状態になることから、目を極端に酷使することになる。机、椅子、照明などの設備も必ずしも適切なものを準備できるわけではなく、眼精疲労や頭痛に悩まされる。長時間すわりつづけることによって、全身の血流やリンパの流れが悪化し、首・肩の凝りや腰痛、足の浮腫が発生する。
 しかも、「常時リストラ」といわれているように、資本家どもは企業のM&A(合併・買収)、不採算部門の切り捨て、新規事業分野の開拓、労働組織の再編を絶え間なくおこない、労働者には必要な新しい知識の吸収やスキルの習得をスピーディにおこなうことを強制する。テレワークで孤立し不安定な状況におかれた労働者は、資本家によって労働強度の増進を強制されている≠ニいうことも自覚できなくなる。自分に与えられた「仕事」や「役割」を果たそうと懸命になればなるほど、自分自身をムチうつことにもなるのだ。
 このような資本家からの諸攻撃にたいして、労働組合を牛耳る労働貴族どもは、会社経営者の問題意識をわがものとして、どのような方向で「自社」のビジネスを推進するのか、そのために自分はどのような知識・スキルを身につける必要があるのか、自分自身のキャリア形成をどうするのか、などについて労働者みずからが考えるように仕向けているのである。労働貴族どもの指導によって、労働者が労働者としての階級的な自覚を獲得していく芽は、あらかじめ摘みとられてしまうのだ。
 電機独占体はテレワークの拡大によって残業代を大幅に削減し、労働強度を最大限に増大させ「生産性の向上」を実現している。電機独占体の過去最高益とは、電機労働者の日々の苦難と犠牲のうえに生みだされた強搾取の証にほかならない。

以下、見出し

二 テレワークと一体の諸攻撃

A 「ジョブ型」雇用への切り換え

B 「福利厚生費」などの大幅削減

三 電機連合「対策指針」の反労働者性

さいごに
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6・6大阪
美浜原発再稼働阻止の拳

闘う学生が一三〇〇人の先頭で奮闘
 六月六日に、大阪市において「老朽原発うごかすな! 大集会inおおさか」が開催された(主催は同実行委員会)。神戸大学、奈良女子大学のたたかう学生は、その最先頭で「原発・核開発反対!」「日米核軍事同盟の強化反対!」「菅政権打倒!」を訴え、集会・デモを戦闘的に牽引した。
「原発・核開発阻止!」を掲げ奮闘する学生たち
(6・6、大阪市)
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