第2678号2021年7月26日)の内容

<1面>
東京五輪の開催強行弾劾!
菅ネオファシズム政権打倒!

7・15
「辺野古新基地建設阻止!」
 土砂運搬阻止闘争に決起
6・30 名護
「土地利用規制法の制定弾劾!」
 闘う労働者人民が怒りの拳
<3面>
G7サミット
 中国の対米攻勢に直面した没落帝国主義のあがき
<2面>
《国学院大学》 文連総会―対当局要請行動
《愛知大学》 学生大会で改憲反対を決議
<4面>
労働者に「デジタル人材」化を強制するNTT経営陣
<5面>
郵政
「更衣時間を勤務時間に含める見直し」の名による
勤務時間の延長を許すな

Topics 「最低賃金の大幅引き上げ」を宣伝する菅政権の欺瞞
<6面>
<反照の論理>をわがものとするために

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号

































  

東京五輪の開催強行弾劾!

菅ネオファシズム政権打倒!
7・15

「辺野古新基地建設阻止!」

土砂運搬阻止闘争に決起


  七月十五日、沖縄においてヘリ基地反対協議会・海上行動チームの呼びかけに応え、たたかう労働者・人民が名護市安和(あわ)桟橋において辺野古新基地埋め立て用土砂の運搬船の出港を阻止する海上での闘争に決起した。
 同時に、安和桟橋入り口前の国道上でも労働者・住民が採石場から桟橋に土砂を運びこむダンプカーの前に立ちはだかり、入構を阻んだ。県反戦の労働者たちはこれらの闘いの先頭に立って戦闘的に奮闘したのである。

海上で運搬船に肉迫――安和桟橋

 
 「全基地撤去! 安保破棄!」を掲げ海上闘争を牽引!
  名護市安和桟橋からの埋め立て用土砂の搬出を阻止する闘いの先頭で闘う県反戦
(7月15日)
 午前十時二十分に、運搬船に土砂を流しこんでいたベルトコンベアが船からはずされた。今まさに土砂を満載した運搬船が辺野古にむけて出港しようとしている。「いくぞ!」八艇のカヌーが力いっぱいこぎ出した。ポセイドン号ともう一隻のゴムボートも運搬船をめがけて水しぶきをあげて海上を疾走する。
 桟橋に横づけされた運搬船のまわりをカヌーが取り囲んだ。ポセイドン号が運搬船の前方に立ちはだかり、県反戦の労働者が仁王立ちになって「全基地撤去・安保破棄」のプラカードを高く掲げた。「米・日権力者による対中国の戦争体制づくりに反対するぞ! 南西諸島の軍事要塞化を阻止するぞ!」と訴える。カヌーチームがいっせいにメッセージカードを掲げて、米・日両政府にたいしてたたかう意志を突きつけた。
 「辺野古への土砂搬出を阻止するぞ!」カヌーチームが運搬船に肉迫する。これにたいして海上保安庁がゴムボート十隻をくり出して「出港の妨害となっている。速やかに移動せよ」「従わなければ必要な措置をとる」とマイクで威嚇してきた。海保の海猿どもがカヌーチームを捕捉するために今にも海に飛びこもうとしている。「不当弾圧を許さないぞ!」ポセイドン号の労働者が憤激に燃えて一喝するや、海猿どもは身をすくめて動けなくなった。
 さらに県反戦の労働者は日・米両政府にたいして怒りをこめたアジテーションを叩きつけた。「対中国の一大軍事拠点として辺野古新基地を建設することを絶対に許さない! オリエント・シールド演習の強行弾劾! 米軍ヘリによるコンテナ落下事故弾劾!」気迫あふれるアジテーションが海上に轟きわたり、カヌーチームを大いに鼓舞した。たたかう労働者・市民は菅政権・海保による弾圧をはね返して運搬船を包囲しつづけ、一時間にわたって運搬船の出港を阻止したのだ。

「工事車両の入構阻止!」
辺野古ゲート前で座り込み


 県反戦の労働者たちは、安和桟橋での海上闘争にひきつづいて、辺野古ゲート前の闘いに合流した。
 この日、辺野古の工事用ゲート前でも労働者・住民が朝から座り込み闘争をくりひろげていた。既成指導部が「コロナ禍のなかでの感染拡大抑止」を理由にして闘いを放棄しているなかにあっても、彼らは新基地建設工事を強行する日・米両政府にたいする怒りに燃えて有志で闘いにとりくんでいるのだ。「違法工事を許さない」「軍隊も基地もいらない」と書いたノボリを掲げて座り込む労働者・住民たち。この闘いを上から見下ろすように権力の監視やぐら≠ェ設置され、基地内に陣取った県警機動隊が弾圧の機をうかがっている。
 午後三時に土砂を積んだダンプカーが列をなして基地内の工事現場に入ろうとした。県反戦の労働者たちは怒りを湧きたたせ、炎天下のゲート前に住民たちとともに座り込む。「新基地建設を許さないぞ! 日米安保のグローバルな強化反対!」日・米権力者にたいする怒りを叩きつけ、新基地建設阻止闘争を断固としてたたかいぬいたのだ。

新基地建設阻止闘争を<反安保>の旗高く闘おう

 労働者・人民は、軍事事故を頻発させながら演習を強行しつづける米・日両権力者にたいする怒りのマグマを煮えたぎらせている。
 七月十三日に、米海兵隊CH53E大型輸送ヘリが一辺二b以上の鉄製コンテナを宙づり運搬し、渡名喜(となき)島近海にこれを落下させた。六月二日にも米軍ヘリ(UH1Y)が夜間飛行中に「エンジン故障」を引き起こし、うるま市・津堅(つけん)島の畑に不時着した。
 これら相次ぐ軍事事故にたいする労働者・人民の抗議の声を蹴飛ばして、米・日両権力者は米軍演習・日米合同軍事演習を強行している。彼らは、<米中冷戦>の激化のもとで「台湾有事」に即応して中国軍を撃破することのできる日米共同の軍事体制を構築する策動に突進しているのだ。
 ところが日共をはじめとする既成反対運動指導部が、「反安保」を投げすてるとともに、「コロナ緊急事態宣言」発令を口実にしていっさいの闘争を放棄し、衆院選にむけた選挙運動に没入している。わがたたかう労働者・学生は、この既成反対運動を断固としてのりこえ、辺野古新基地建設阻止闘争を<対中国攻守同盟=日米安保同盟のグローバルな強化反対!>の闘いとして高揚させるために全力で奮闘しているのだ。

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G7サミット

中国の対米攻勢に直面した没落帝国主義のあがき

T 独・仏権力者に「結束」を哀訴したバイデン

 イギリス・コーンウォールにおいて開催されたG7サミット(六月十一〜十三日)閉幕後の記者会見においてアメリカ大統領バイデンは、「価値観を共有する国々とともに世界をリードする立場に、アメリカは戻ってきた」「民主主義国が結束して、最も難しい課題と戦う」などという決意≠誇示してみせた。前大統領トランプが独・仏権力者から総スカンを食らいわずか一ページの合意文書を発表することしかできなかった前回(二〇一九年)のG7サミットとは対照的に、今回は独・仏権力者の合意を一応とりつけ二十五ページにわたる首脳宣言の採択にこぎつけた。こうして「G7の結束」を演出しえたことに安堵の表情を浮かべたのがバイデンであった。
 だが、「G7の結束」を「人権・自由・民主主義」のボロ旗をもって粉飾したとしても、落ちぶれきった軍国主義帝国の惨状をおし隠すことはできないのだ。
 いまや、ネオ・スターリニスト国家中国は、GDPでアメリカの七〇%(二〇二〇年時点)にまで迫り、二八年にはアメリカを抜き去らんとしている。政治的・軍事的にも中国は、ロシアとの実質上の同盟を形成していることを基礎として、反米国家連合の形成と南シナ海の軍事拠点化をすすめ、台湾への軍事侵攻に備えて海空軍力の増強に血道をあげている。
 この中国を「二十一世紀を決定づける戦略的競争相手」とみなしているバイデンは、サミットの場において「専制主義」にたいする「民主主義の戦い」と称する対中包囲陣形にフランスのマクロンやドイツのメルケルを引き入れることに躍起になった。サミット直前にバイデンがイギリス首相ジョンソンとともに発表した「新大西洋憲章」なるものをみよ! 第二次世界大戦のさなかに発表された「大西洋憲章」になぞらえたそれは、ナチスの猛威から欧州の民主主義を救ったアメリカのノルマンディー作戦を忘れないでほしい≠ニいうバイデンの哀訴にほかならない。かつてのナチスにたいする戦いと同様に、「専制主義」中国(共産党)にたいして「人権・民主主義」の旗のもとに協力すべきことを、フランスやドイツ権力者に哀願しすがりついたのがバイデンなのだ。
 今回の首脳会談をつうじてバイデンは、とにもかくにもマクロンやメルケルから「民主主義国の結束」という同意をとりつけることに奏功したかにみえる。だが、会談最終日に発表された「共同声明」なるものは、中国の領土拡張や「人権侵害」や「不公正」な経済活動などに「深い懸念」をしめすという類いの惨めな泣き言の羅列でしかなかった。
 中国への対応をめぐって互いに額を寄せあうこのG7サミット権力者の姿を、「最後の晩餐」と揶揄しあざ笑ったのが習近平政権であった。いまこの習近平・中国は、建国一〇〇年(二〇四九年)までに「社会主義現代化強国」の実現を果たし「人類運命共同体」のリーダーに成りあがるという世界制覇戦略の実現に邁進している。同時にこの政権は、アメリカの経済制裁と武漢発の新型コロナ・パンデミックによる世界的な需要の減退に直面し、企業倒産の拡大と企業と政府の債務の膨大化などの経済的な危機を抱えこんでいる。こうした状況下で数多の労働者・農民工が大量解雇と賃下げを、党員でもある企業経営者どもによって強制されているのだ。これらの労働者・人民の怒りの矛先がスターリニスト党専制支配体制にむけられることに恐怖しているがゆえにこそ、習近平政権は「反米」の排外主義的ナショナリズムを狂乱的に鼓吹している。「外国勢力が中国人をいじめ、抑圧し、奴隷扱いするなら、中国人民が血と肉で築いた鋼鉄の長城を前に、血を流すことになろう」(七月一日、中国共産党創立一〇〇年式典)――この習近平演説こそは、近い将来におけるアメリカとの決戦に備え、中国の労働者・人民にたいして「中華民族の偉大な復興」の名のもとに共産党と国家への忠誠と献身を誓わせることを意図したものなのだ。そして、北京官僚政府に反逆する香港やウイグルやチベットや内モンゴルの人民を徹底的に弾圧し、漢民族への同化を強制するという反プロレタリア性をむきだしにしているのが習近平政権なのである。
 今回のG7サミットをめぐって浮き彫りになったのは、「アメリカ・ファースト」を掲げた前大統領トランプのもとで国際的孤立化を深めた軍国主義帝国アメリカの威信回復を賭けて同盟諸国の結束をはかることに血道をあげているバイデンのアメリカと、国内経済の停滞と人民の反逆のマグマの膨張という「内憂」を抱えながらも「世界の覇者」の座をアメリカ帝国主義から奪取せんとする習近平・中国との激突にほかならない。

以下、見出し

U グローバルな対中国包囲網構築の策動

V 「一帯一路」経済圏形成に対抗しての途上国支援

W 米―独・仏間で高まる不協和音

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労働者に「デジタル人材」化を強制するNTT経営陣

「ジョブ型人事制度」の導入を許すな

 このかん減収減益にあえいできた多くの企業とは異なり、コロナ・パンデミックのもとですすめられた「社会のデジタル化」に乗じて様ざまなICTサービス事業を拡大してきたNTTは、二〇二〇年度連結決算で営業収益が過去最高の一一兆九四四〇億円(前年比四四六億円増)、営業利益も大幅増(前年比一〇九二億円増)の一兆六七一四億円となった。これに飽き足らないNTT経営陣は、さらなる収益増のために、賃金切り下げと社内のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進による人員削減・労働強化の攻撃をNTT労働者に容赦なくうちおろしている。東京オリンピック・パラリンピックの「ゴールドパートナー(通信サービス)」でもあるNTTは、全世界にNTTブランドを売りこむ絶好のチャンスとみなして菅政権のオリンピック強行開催を尻押ししてもいるのだ。
 NTT経営陣は今、「コロナ禍」を契機とする「社会のデジタル化」の急速な進展と<米中冷戦>下での「経済安保」を理由とした中国系ICT企業(ファーウェイなど)の米欧市場からの排斥を「中期経営戦略『Your Value Partner 2025』」(二〇一八年)を実現する好機ととらえ、次世代通信ネットワークの開発・構築と顧客企業のDXを支援する新サービスの創造・販売拡大に全社あげてとりくんでいる。そのためにNTT経営陣は、高度な専門性を有する「人材」を社外から獲得するだけでなく、社内労働者に多種多様な「デジタル人材」となることを強要している。しかも今、そのテコとして「ジョブ型人事制度」の導入を労働者につきつけているのが、NTT社長・澤田ら経営陣なのだ。

以下、見出し

グローバルICT企業への飛躍

「高度デジタル人材」獲得のための「ジョブ型」制度

全労働者の「デジタル人材」化をめざす「人材育成制度」

AIを駆使した人事管理システムの導入

低賃金・労働強化を強いる「ジョブ型」制度導入阻止!


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郵政

「更衣時間を勤務時間に含める見直し」の名による

勤務時間の延長を許すな


経営陣に呼応するJP労組本部弾劾!


 郵政経営陣は、制服への着替え時間(更衣時間)などを「労働時間として扱わなければならない」という厚生労働省のガイドラインに則ると称して、勤務時間の改定にふみだしてきた。「準備時間を新たに設けて更衣時間を勤務時間に含める等の見直しをしたい」とJP労組に提案し、労使交渉を重ねて今年四月に妥結した。その内実は、現行勤務時間内に更衣時間を組みこむことなく、すなわち実労働時間をまったく縮減することなく、勤務時間を延長するかたちで更衣時間を設定するというものなのだ。これを、来年四月から強行実施しようとしているのだ。
 JP労組本部は、この改定にたいして、「実質的な業務時間の短縮につなげる契機にしたい」などと唱和し、組合員を欺瞞しているのだ。本部は六月の第十四回定期全国大会で承認をとりつけた。組合員への裏切りだ!
 全国の郵政労働者の皆さん! 経営陣による勤務時間制度の改悪とJP労組本部どもによる容認を怒りを込めて弾劾しようではないか!

以下見出し

1 勤務時間制度の改悪

2 郵政経営陣の悪辣さ

3 「時短につながる」と居直る労組本部

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6・30 名護

「土地利用規制法の制定弾劾!」

 
闘う労働者人民が怒りの拳
 六月三十日に「美謝川(みじゃがわ)の付け替え許すな! 土地利用規制法案強行可決抗議集会」(ヘリ基地反対協と島ぐるみ会議名護の主催)が名護市役所の玄関前において開催された。県反戦の労働者たちは、菅政権にたいする怒りに燃えて「反基地闘争への強権的弾圧を許さない!」「全基地撤去! 安保破棄!」のプラカードを高く掲げ闘いの方向性をさし示してこの集会の最先頭で奮闘したのだ。
雨をついて結集した怒れる沖縄の労働者・人民
(6月30日、名護市役所前)
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