第2680号(2021年8月9日)の内容

<1面>
国際反戦集会の大高揚かちとる
 8・1
 革命的反戦闘争の爆発を!
 労学が熱烈な決意を固める

<4面>
JP労組第14回全国大会

 「事業ビジョン案」採択弾劾
<5面>
Topics 「有期雇用の無期転換ルール」の破壊を策す資本家ども
宿泊療養施設でクラスター 札幌市
うた ガザと共に
<2面>
台湾との断交を迫る習近平政権のワクチン外交
モルドバ――雷帝に楯つく「鉄の女」の親米欧政権
<3面>
労働者をAIの奴隷≠ノするトヨタの「ウーブン・シティ」
北極圏の温暖化が急加速
<6面>
第59回国際反戦集会
 海外からのメッセージ @
 タビニ・フィラアティラ・ノ・テ・アオ・マオイ/英・レボリューショナリー・マルクシスツ/民衆運動全国連盟(インド)/仏・ユニオン・パシフィスト


◆お知らせ
 本紙8月16日付は休刊とします。第2681―82合併号(8月23日付)から通常どおり発行します。
 「解放」最新号



































  

国際反戦集会の大高揚かちとる

8・1

革命的反戦闘争の爆発を!

労学が熱烈な決意を固める


 
  「菅政権を打倒するぞ!」奮闘誓う労・学(8月1日、東京・銀座ブロッサム)
 八月一日、わが同盟と全学連・反戦青年委員会は、全国七ヵ所において第五十九回国際反戦集会を開催し大成功をかちとった。
 新型コロナ・パンデミックの発生から一年半――感染爆発によって炎上した軍国主義帝国アメリカの没落と、これを眼前にして「世界の覇者」の座を手にするための策動に一挙にうってでたネオ・スターリン主義中国との全面的激突がむきだしになっている。<米中冷戦>が熱戦に転化しかねない一触即発の危機が、台湾海峡や南シナ海、中東などで醸成されているのだ。この危機を突き破る革命的反戦闘争の大爆発をかちとる決意を参加者はうち固めた。そして、みずから招いた感染爆発のただなかで東京オリンピック開催を強行して、労働者・人民にさらなる犠牲を強制している菅政権を打倒する決意を固めた。まさに、全世界でたたかう人民と連帯し、今夏・今秋のたたかう拠点を確固として構築したのだ。

今春期の激闘の意義を鮮明に

 中央集会がもたれる東京中央区の銀座ブロッサムに、オリンピック警備を口実とした国家権力の厳戒体制を打ち破って、首都圏各地から労働者・学生・市民が続々と結集してくる。新型コロナ感染者が急拡大するなか、実行委員会は一丸となり感染防止を工夫して、参加者たちを案内する。
 「久しぶり。元気そうだね。」「たくましくなったな。」ロビーや場内では、たたかう者同士の熱い交流が実現されている。マスクをした顔に笑みがこぼれる。初めて参加した仲間たちは、その熱気に胸を高鳴らせている。反スターリン主義運動の書籍が並べられたコーナーには、同志黒田とわが運動の理論や歴史を学ぼうとする仲間たちで、たちまち人だかりができる。全学連の闘いに起ちあがった新入生らが目を輝かせて先輩たちの説明を聞いている。集会開始にむけ全体の意気が高まっていく。
 午後一時ちょうど、「労働者・人民に塗炭の苦しみを強制する菅政権を労働者・学生の底力で打倒する闘いを、本日この場から決意を新たにつくりだそう! 熱核戦争勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争を巻きおこそう!」司会の女性同志が、わが闘いへの確信に満ちて凜とした声で呼びかけ、開会を宣言した。
 最初に今春の全学連の激闘を紹介するビデオが上映された。7・19対首相官邸・国会闘争、全国でたたかった6・13―20労学統一行動、4・30の対国会・首相官邸・米大使館闘争、そして全国各地で日米合同軍事演習に反対してたたかった現地闘争や辺野古新基地建設阻止の実力闘争など、全学連の学生が労働者と連帯しつつ日夜を分かたずくりひろげた闘いの息吹が眼前に再現される。さらに、国学院大や愛知大など各学園での大学当局の自治破壊にたいして多くの学生を結集してかちとった対当局抗議行動や学生大会での活発な討論が生き生きと映しだされる。熱気あふれる闘争の映像に、新たに結集した仲間をはじめ満場の労・学が身をのりだして見入る。労働者の仲間は学生戦線の闘いに胸を躍らせ、学生たちも闘争の場の緊張感や高揚感をよみがえらせる。反戦闘争や政治経済闘争を全国で文字どおり唯一たたかいぬいている全学連の輝かしい姿、その躍動に、参加者はみな盛大な拍手を送り、今春の闘いの画期的地平に確信を深めたのだ。

米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破れ! 菅政権を打倒せよ! ――基調報告

 実行委員会の同志・戸塚洋士が基調報告にたつ。
 冒頭、彼は溌剌と呼びかける。「菅日本型ネオ・ファシズム政権を労学の実力で打倒せよ! <米中冷戦>下で高まる戦争勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の嵐を巻きおこせ! そのための総決起の場として本集会をかちとろう!」そして、訴えた。――パンデミックに見舞われた権力者と資本家どもは「ヒト・モノ・カネの自由な移動」を遮断し、生産を停止した。資本家どもはみずからの生き残りのために労働者階級を容赦なく路頭に放りだしている。むきだしとなっているのは、すさまじい階級間のいわゆる所得格差であり、その基底にある階級対立にほかならない。そしてパンデミックのもとで現代世界の構造の激変が引き起こされているのだ。「二十一世紀の覇者」の座をかけたネオ・スターリン主義中国と没落軍国主義帝国アメリカとの激突のもとで、台湾海峡や南シナ海で、中東で、世界的戦乱勃発の危機が高まっている。世界の人民に、政府の戦争政策に反対する闘いへ、貧窮と圧政を強制する権力者どもをたたきのめす闘いへ、腕(かいな)を組んで総決起しようと呼びかけよう、と。若き同志の迫力に満ちた提起に参加者はぐいぐいひきこまれていく。
 アメリカのバイデン政権は、日本との軍事同盟とイギリス・オーストラリアとのアングロサクソン同盟をリンクさせて、対中国の軍事的包囲網を構築しようとしている。米英日の合同軍事演習の実施こそ「対中国侵略戦争同盟の儀式といわずして何であろうか!」と彼は鋭くえぐりだす。このバイデン政権にたいして中国の習近平政権は、ロシアのプーチン政権と共に反米同盟の強化を誇示している。習近平政権は、台湾の「完全な統一のために武力も辞さない」と呼号している。まさに台湾の周辺で中国軍と米・日両軍とが一触即発の状況になっている、と同志・戸塚はつきだした。
 習近平政権は、「社会主義現代化強国」を建設することを国家目標とし、「世界の中華」として君臨することを世界戦略として、その実現に突進している。だがいま、コロナ・パンデミックに直面して国内経済の危機に見舞われ、「一帯一路」経済圏づくりも暗礁にのりあげている。この危機をのりきるために、賃下げ・首切りなど労働者・人民に犠牲を強制する諸政策の貫徹に狂奔している。このネオ・スターリニスト官僚政府にたいする人民の憤激を抑えつけるために、外にむかっては「戦狼外交」をとると同時に、内にむけては、香港・ウイグル・チベットなどにおいて凶暴な治安弾圧に血道をあげているのだ。それは、来たるべき対米決戦に備えて「内憂」をとりのぞくことを狙った策動にほかならない。
 バイデン政権は、この中国との「二十一世紀を決定づける戦略的競争」にうち勝つために「同盟の再興」をうたいながらグローバルな中国包囲網づくりに狂奔している。なかんずく「属国」日本をアメリカ中心のアングロサクソン同盟諸国との事実上の軍事同盟にからめとっている。しかも、日米安保条約を改定することなく、権力者同士の一片の合意をもって軍事同盟にグローバルな役割を果たさせるというやりくちをとった。それは、「反安保」を放棄した日共の犯罪のゆえだ、と彼は弾劾し、「日米軍事同盟の飛躍的強化を打ち砕くことができるか否かは日本革命的左翼の双肩にかかっているのだ!」と参加者に檄を飛ばした。
 つづいて同志・戸塚は、アフガニスタン、イラクから完全撤退に踏みきらざるをえなくなったアメリカの中東アラブ世界からの敗走は、軍国主義帝国アメリカの歴史的没落を象徴する事態である、と喝破した。いまや中東においては、アメリカに支えられたイスラエルと中国・ロシアにバックアップされたイランとの軍事衝突の危機が刻一刻と高まっていることを暴きだした。われわれは、同志黒田を先頭として、中洋ムスリム人民と連帯し「イスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづき、反米・反シオニズムの闘いを推進せよ!」と呼びかけつつたたかってきた。この<ブッシュの戦争>に反対する闘いの意義をあらためてかみしめるのでなければならない。
 以上の提起にふまえて同志・戸塚は暴きだした。――いま、アメリカ・中国・ロシアの権力者どもは宇宙軍拡競争をくりひろげるとともに、相互対抗的にサイバー攻撃をしかけあっている。いわゆる「ハイブリッド戦争」を恒常化させているのだ。それだけではない。現実の戦場においては自爆ドローンなどAI(人工知能)を搭載した兵器が投入され、人民を惨殺している。「アメリカと中国・ロシアとはすでにプレ戦争状態に突入している!」と。
 さらに、こんにち権力者どもは、「経済安全保障戦略」をうちだし、軍事技術に直結する高度技術(AI・5G・量子技術・自動運転・宇宙)の開発にしのぎをけずっている。ビッグデータの囲いこみ、半導体輸出の禁止、レアアースの輸出規制など、米・中は激烈に角逐をくりひろげている。「このことがまた米中冷戦の熱戦への転化に道を開くものとなりつつある」と、彼は警鐘をうち鳴らした。
 次に同志・戸塚は、「自助」というネオ・ファシズムイデオロギーをふりかざして労働者・人民に塗炭の苦しみを強制する菅政権を怒りを込めて弾劾した。昨年の失業者は二一〇万人におよび、二八〇万人ともいわれる労働者が「実質的失業者」の境遇に突き落とされている。「独占資本支援に血道をあげる菅政権と、労働者に首切り・賃下げ攻撃をふりおろす独占ブルジョアどもに怒りの鉄槌をくだせ!」この渾身の提起に参加者は熱烈な拍手をもって応えた。
 コロナ感染爆発のなか五輪開催を強行する菅政権は、労働者・人民の憤激の高まりのまえにヨレヨレとなっている。だが、この政権はこの秋に陸上自衛隊全軍を動員した空前の軍事演習を強行せんと構えている。バイデン政権と共に対中国戦争計画を練りあげようとしている。「菅政権による改憲の攻撃こそ、対中国攻守同盟の構築に見合う内実でのネオ・ファシズム憲法の制定という重大な意味をもっているのだ」。ここで同志・戸塚は力説した。日米軍事同盟の鎖で縛られた「アメリカの属国」日本の権力者どもは「主(あるじ)」と心中する以外に生きる道がないのだ、と。
 そして呼びかけた。今夏、反戦反安保・改憲阻止闘争の闘いの爆発をかちとろう!「反安保」どころか「地位協定の改定」の旗すら引きおろした日共指導部を弾劾してたたかおう! 政府・独占資本による労働者・人民への犠牲強制に反対しよう! 日本型ネオ・ファシズム支配体制の強権的強化を許すな!
 最後に彼は訴える。スターリン主義ソ連邦の崩壊から三十年の二十一世紀現代世界は暗黒の世紀としてのむごたらしい姿をむきだしにしている。いつ噴きあがるかもしれない戦争的危機、マルクスの時代のような階級対立とむきだしの貧困、人間の非人間化=ロボット化の進行、地球環境のすさまじい破壊……。「革命ロシアの埋葬という『世紀の逆転』をわれわれの手で再逆転し二十一世紀を『プロレタリア革命の世紀』たらしめるためにたたかいぬくことこそが日本反スターリン主義革命的左翼の責務である!」このように宣言した同志・戸塚は、「同志黒田が呼びかけた『マルクス・ルネッサンス』の場所的実現をなしとげるのでなければならない」と熱烈に訴えた。「反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、国境を越えて階級的に団結した労働者階級・人民の闘いを創造するために奮闘しよう! わが革命的反戦闘争を全世界に波及させよ! 今こそ全世界の労働者・人民と連帯して反戦闘争のうねりを巻きおこせ! 団結固く、ともにたたかわん!」若さみなぎり、パトスと気迫に満ちたこの基調報告に、すべての参加者が鼓舞された。この場・このときから起ちあがる決意に燃えて万雷の拍手を送ったのだ。

以下見出し

闘う労働者と全学連委員長が熱き決意表明
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JP労組第14回全国大会 

「事業ビジョン案」採択弾劾

郵政労働者を生産性向上に駆り立てる本部を許すな!
大合理化攻撃を打ち砕き労組の戦闘的強化をかちとろう


 JP労組第十四回全国大会が、六月十六日から十七日にかけて、岩手県の産業文化センターにおいて開催された。
 郵政経営陣が今年五月にうちだした三万五〇〇〇人もの人員削減をはじめとする新「中期経営計画」。これに全面的に呼応した内容の「JP労組が考える事業ビジョン(案)」(以下、「事業ビジョン案」)策定を今大会の実質上の中心議題に位置づけ、コロナ感染拡大のなかであえて対面方式にこだわったのがJP労組本部労働貴族どもだ。彼らは、本大会を「事業構造改革」に組合員を駆りたてていくための決起集会たらしめようとしたのだ。
 今大会にむけてわが郵政戦線の革命的・戦闘的労働者たちは、「事業ビジョン案」の反労働者性を満天下に暴きだし、「事業ビジョン案」を主軸とする大会議案を否決したたかう方針を確立すべきことを訴える紙の弾丸を全国の郵政職場にくまなくブチコンできた。そしてこれをも活用し、職場生産点から闘いをつくりだしてきた。職場では、郵政経営陣とこれに追従するJP労組本部にたいする組合員の怒り・批判が渦巻いているのだ。
 このようなわが仲間たちの闘いに支えられ、大会討論においては、各地本代表の代議員から大会議案にたいする疑問・反発や意見が次々と表明された。そして、運動方針にたいする一票投票では、参加者のメールアドレスをあらかじめ登録させるという本部の姑息な官僚統制の強化にもかかわらず、三月の十三回大会を上回る六十八票の反対票が投じられたのだ。
 新委員長に就任した石川は、「新たな運動創造に向けたセカンドステージへと踏み出す」と居直り、「事業構造改革」のために経営陣との労使協議に突進していく姿勢を露わにした。
 すべての郵政労働者のみなさん! 経営陣の大合理化攻撃を受け入れ、組合員を生産性向上に駆りたてる「事業ビジョン案」の策定を怒りをもって弾劾しよう! 全国の職場から、「事業構造改革」のための労使協議に突進する本部にたいする反撃の闘いを創りだせ! JP労組の戦闘的再生をかちとるために決意も新たにたたかおうではないか!

以下見出し

大量人員削減を容認する本部に疑問・反発が噴出

「土曜休配・送達日数の見直し」計画策定に怒り

労使一体による「新しいかんぽ営業体制の構築」の強行を許すな!

会社別一時金と人事・給与制度改悪を容認する本部方針に批判が続出

職場から菅ネオ・ファシスト政権打倒の闘いを!
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