第2685号(2021年9月13日)の内容

<1面>
今こそ全人民の力で自民党政権を打ち倒せ!
<3面>
対中・露の全領域♂縁K
 LSGE21の実態
<4面>
脱・中国依存≠フジレンマに逢着する独・仏権力者
◎米同盟国の動揺≠ノつけいる北京官僚
◎麻生の台湾発言に習指導部が恫喝
<2面>
泡消火剤を使った有事即応訓練―米軍の汚染水放出を許すな
 ◇8・27、30 緊急抗議闘争 普天間
■SNSを武器とする「第7の戦場」
<5面>
オリンピック開催強行―
 酷使されたバス運転労働者
Topics 教員免許更新制廃止で研修強化
<6面>
第59回国際反戦集会 海外からのメッセージ D
 労働者革命党(ギリシャ)
 ギリシャ国際主義共産主義者組織
 ファリダバッド労働者新聞(インド)
 「解放」最新号



























  

今こそ全人民の力で自民党政権を打ち倒せ!

人民の怒りに包まれ政権投げだしに追いこまれた首相・菅

 
 9・5 「英空母の横須賀寄港反対!」全学連がイギリス大使館に抗議闘争
 九月三日の自民党臨時役員会において、自民党総裁・菅義偉は、総裁選(十七日告示、二十九日投開票)への不出馬を表明した。労働者・人民の怒りに包まれた菅は、ついに政権を投げだしたのだ。
 まさに菅が政権の投げだしに追いこまれたのは、この政権が、新型コロナウイルスの感染爆発と医療崩壊を招き寄せてきたこと、そしてまた数多の労働者・人民を困窮地獄に突き落としてきたことにたいする怒りの爆発に包囲されたからにほかならない。かの横浜市長選挙に端的にしめされたように労働者・人民の菅政権にたいする怒りは全国で噴出したのだ。
 こうしたただなかで、わが同盟は、菅政権によるコロナ対策・経済対策の反人民性とネオ・ファシズム性を徹底的に暴露し、労働者階級・人民にたいして「菅政権を打倒せよ」という呼びかけを断固として発してきた。全学連のたたかう学生は、つねに最先頭において<反戦反安保・反ファシズム>の旗幟を鮮明にしてたたかってきた。革命的・戦闘的労働者もまた、職場生産点において断固たる闘いを創造してきた。
 まさに日本中に充満する労働者・人民のこの弾劾に包囲された菅はついにその命脈を断ち切られたのだ。
 今こそ全人民の力で自民党政権を断固として打ち倒せ!

感染爆発下での独占資本救済と人民への貧窮強制

 「コロナ対策と経済の両立」を実現する「国民のために働く内閣」を標榜してきた菅政権とは、われわれが暴露してきたとおりに、独占資本のみを救済する政権にほかならない。この政権が何よりも優先しておしすすめてきたのは、「ポストコロナにむけた経済構造改革」などと称する独占ブルジョアの救済策である。賃下げ・解雇を強行し、労働者の生き血を吸って肥え太っているこの独占資本家どもを支援するために、労働者・人民から搾り取った血税を「経済のデジタル化」などの諸施策へ湯水のごとく注ぎこんできたのが菅政権なのだ。
 「経済優先」を掲げたこの政権は、感染対策を完全にネグレクトしたまま「ワクチン頼み」一辺倒の対策しかとらなかった。しかも、海外製薬メーカーとの口約束しか得られていないにもかかわらず「ワクチンを確保した」などと人民を欺瞞した菅らは、数多の青年層の人民をワクチン接種の予約さえとれないという状況に叩きこんだのだ。
 こうしたことによって連日のように全国で夥(おびただ)しい数の陽性者・重症者がうみだされている。菅政権下ですでに一四七万人が感染し一万四〇〇〇人を超える人民が死に追いやられた。医療崩壊のもとで、数多の人民が入院することもできずに「自宅療養」を強いられて、救急搬送もされずに命を落としている。夏休みが明けた小・中学校では子どもの感染が拡大し、また、子から親へ、親から子への家庭内感染が急増している(東京都では感染者のうち四人に一人が家庭内感染)。こうした状況下で、体調悪化に襲われた親が子どもを預ける場所を探しだすこともできないという悲痛な叫びをあげているのだ。
 いまや生活補償なき緊急事態宣言の全国的な拡大によって、夥しい労働者が失業に追いこまれ住居も奪われ、生活困窮のどん底に突き落とされている。
 にもかかわらず、菅政権は、困窮する労働者・人民にたいして「自助」をふりかざし、なんの支援もおこなうことなく徹底的に切り捨ててきた。「GoToキャンペーン」だの「デジタル化促進」だのという独占ブルジョア救済策のために莫大な血税を注ぎこみ、しかも、東京五輪の開催のためには総額一兆六〇〇〇億円もの巨費を投じながらである。まさに、独占資本の救済にのみ血道をあげた菅政権こそ、日本の人民を感染爆発と貧窮の奈落に突き落とした大犯罪人といわずしてなんというべきか!
 しかも、菅政権は、東京五輪・パラリンピックの開催をあくまでも強行するために、「オリンピックを中止せよ」「第五波に備えよ」と警告した専門家や医療従事者の再三再四の提言をことごとく足蹴にしてきた。
 医療専門家・学者にたいして、決めるのは政府だ≠ニ政府決定をゴリ押しするこのやり口は、日本学術会議から安保法制などの戦争諸法に反対した学者を排除したのと同様に、学術・研究機関を政府の御用機関として統制・支配せんとする菅ネオ・ファシズム政権の本性のあらわれにほかならない。すべての政策はNSC(国家安全保障会議)の頂点に立つ首相が専決し・それを強権をふるって実行するという、この日本型ネオ・ファシズムの反人民性のゆえに、夥しい数の人民が重症化し死に追いやられているのだ。
 同時に菅政権は、「行政のデジタル化」の名のもとにデジタル庁を新設し人民総監視=総管理体制の構築に突進してきた。新型コロナ感染拡大防止のための「情報管理」を口実として、強権的支配体制の強化のための策動に猛突進してきたのが菅日本型ネオ・ファシズム政権なのだ。この政権は、「ピンチをチャンスにする」などとほざきながら憲法に緊急事態条項を創設する憲法大改悪への道をひらこうとしてきた。これを突破口として、憲法第九条の破棄をもなしとげようと狂奔したのであった。
 しかも、台湾を焦点として米中が激突するという<米中冷戦>の先鋭化のもとで、菅政権は、老いぼれのバイデン政権とともに、日米軍事同盟をグローバル同盟として強化する策動に血道をあげてきた。困窮する人民への生活支援は打ち切ったままにしながら、軍事演習や日本の軍事強国化のための武器購入費用には、莫大な血税を注ぎこんできたのが、この政権なのだ。

自民党政権の延命策動を許すな!

 まさにこうして労働者・人民を戦争と貧困と圧政のもとに組み敷いてきたがゆえに、菅政権は、労働者・人民の怒りに包まれて、ついにみずから奈落に沈んだのだ。
 だが見よ! 政府の無策と無対応とによって「災害級」と称されるほどの感染爆発がもたらされ、重症者・死者が急増しているにもかかわらず、そのまっただなかで、自民党の政治エリートどもは、菅の後釜の座をめぐって醜悪な政争に明け暮れているのだ。
 今春から今夏にかけておこなわれた各地の選挙において与党・自民党候補が相次いで敗北したのみならず、横浜市長選で菅の側近中の側近≠ニいわれる小此木が野党系候補に一八万票以上の大差をつけられて大惨敗した。このように「菅は退陣せよ」の大合唱が人民の中から湧き起こっているにもかかわらず、みずからの延命のために、内閣改造をおこなったうえで衆議院の解散を強行することを目論んだのが、当初の菅であった。これにたいして、「自民党幹事長の任期を一年三期までに限定せよ」という要求を掲げて菅・二階との対決を鮮明にし、そうすることによって菅・二階に怨念を抱く安倍・麻生に媚びを売ったのが、早ばやと立候補を表明した岸田であった。そして安倍・麻生は、まさにこの岸田の対応を利用して、菅にたいして「(岸田ではなく)自分(=菅)を支持してほしければ、二階を切れ」と迫ったにちがいないのだ。それは、一年前に、岸田に首相の座を禅譲しみずからキングメーカー≠ノ成りあがるという目論見を二階・菅によって阻まれ追いこまれた安倍の報復戦≠ノほかならない。
 こうして、再びキングメーカー≠フ座を狙う安倍および麻生によって完全に羽交い締めにされた菅は、一度は十月総選挙の一ヵ月前に党役員人事の「刷新」を断行するという前例のない挙に出ようとした。けれども菅は、ついにみずからの「不出馬」を表明せざるをえなくなった。それは、コロナ感染爆発をもたらし総裁選挙での惨敗によって首相の座から引きずり降ろされた「史上最低の首相」として汚名を残すよりは、みずから「退陣」し「コロナ対策に最後まで尽力した首相」として歴史に名を残したいなどという虫のいい魂胆・淡い願望にもとづくのだ。
 いま安倍は、みずからの思想信条にもっとも近い極右にして元細田派の高市(毎年欠かさず靖国神社に参拝する「大東亜聖戦」論者にして政府に反抗するマスコミへの「停波」さえ主張するネオ・ファシスト)を担ぎだそうとしている。――「史上初の女性首相誕生」によって十月総選挙での自民党の大敗北を少しでもやわらげようという魂胆にもとづいて。そして、この安倍=細田派による高市支持の明確化をまえに、自民党の政治エリートどもは「高市総裁阻止」を軸に一段と激しい駆け引きをくりひろげつつある。周章狼狽する岸田。派閥領袖・麻生から「今は時期尚早だ。今首相をやっても泥をかぶるだけで短命に終わる」と説得されている河野。地方党員票を数えながら、二階派の支持をとりつけようと躍起となっている石破。そして高市の対抗馬(実は当て馬)として立候補を模索する野田……。

 
 黒田寛一著作集
 全四〇巻

  
第四巻 スターリン主義
      哲学との対決


発刊記念フェア開催中!

書泉グランデ4階(千代田区神田神保町)
9月12日(日)〜10月17日(日) 
           
 KK書房
 すべての労働者・学生・人民諸君! 新型コロナ感染爆発と医療崩壊が一挙に進行し数多の労働者・人民が貧窮地獄に突き落とされているただなかにおいて、労働者・人民の怒りに包囲されたブルジョア階級の政治委員会たる自民党政府は、その内部において危機のりきりをかけた激烈な権力抗争をくりひろげている。われわれは、労働者・人民が塗炭の苦しみを味わわされているときに、権謀術数を弄して権力抗争に血道をあげ、その反人民性を赤裸々にしている自民党政府の延命策を断じて許してはならない。
 われわれは、労働者階級・学生・人民の敵である自民党政権を断固として打ち倒すのでなければならない。「市民と野党が本気の共闘の力を発揮し、総選挙で政権交代を果たす」などと「菅退陣」に浮かれきっている日共中央の議会主義的闘争歪曲をのりこえ労働者・学生・人民の闘いの前進をかちとれ!
 第九条の改悪と緊急事態条項の創設という憲法大改悪の攻撃を打ち砕く<反改憲>の闘いとともに、「台湾有事」に備えての敵基地先制攻撃体制の構築や対中臨戦態勢の構築・強化に反対する闘いに起ちあがろう! 辺野古新基地建設を阻止せよ! 日米軍事同盟の対中グローバル同盟としての強化に反対する反戦反安保闘争をおしすすめよう! NSC専制のもとでの日本型ネオ・ファシズム支配体制の強権的強化の攻撃を粉砕せよ!
 今こそ、すべての労働者・学生・人民の力で自民党政権を打ち倒そうではないか!
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全地球規模の紛争≠想定した対中・露の実動演習

<米ソ冷戦>以後最大規模の「LSGE21」(大規模全地球演習)の実態

 この八月に、アメリカのインド太平洋軍が主導して、中国・ロシアとの全地球規模における軍事衝突を想定したというべき、きわめて大規模な多国間の海軍・海兵隊演習「LSGE(Large Scale Global Exercise=大規模全地球演習)21」が実施された。
 アフガニスタンから大慌てで米軍を撤退させ、イスラム原理主義勢力タリバンの全土一挙制圧をみずから招き寄せたバイデンのアメリカ。この激動のさなか、およそ一ヵ月にもわたる長期間を費やして実施されたこの大演習こそは、ロシアと結託したネオ・スターリン主義中国との<二十一世紀の覇権>をめぐる激烈な攻防に何としても勝ち残ろうとしてもがく、没落軍国主義帝国アメリカの必死の軍事的悪あがきを象徴する以外のなにものでもない。

以下、見出し

アメリカ軍主導―「全領域作戦」の多国間演習

太平洋・大西洋・地中海・黒海にまたがる統合演習

米宇宙軍・サイバー軍が参加した「多重領域」作戦

新作戦構想EABO・DMO・LOCEの実験場
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オリンピック開催強行――

酷使されたバス運転労働者

無理な運行体制により心身ともに疲弊

 いまバス職場では、東京オリンピック開催を強行した菅政権への怒りが渦巻いている。多くのバス運転労働者が、この五輪開催のためにかりだされ、いまもパラリンピックをささえるために徹底的にこき使われているからだ。
 オリンピックが開かれているさなかに、オリンピック関係車両による事故がすでに八十件も発生していると報じられた。この多発する事故の原因を、「地方のバス運転士が都心に慣れていないから」とか「競技スケジュールに合わせるために無理な運転をしたから」とかと宣伝し、もっぱらバス運転労働者に責任をなすりつけているのが菅政権と大会組織委員会である。こんなことが許せるか! すべては、コロナ感染爆発のなかでオリンピックを強行実施するために無茶苦茶なバス運行を強制し、バス労働者を酷使した菅政権のせいではないか。

以下、見出し

感染の危険きわまりない宿泊施設

大手旅行会社・バス資本救済に狂奔した菅政権
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8・27、30 

緊急抗議闘争 普天間
 八月二十六日、在沖米海兵隊は、普天間基地から発がん性物質であるPFAS(ピーファス=フッ素化合物)を含む汚染水を「独自に廃水処理した」と称して、あろうことか沖縄県民の公共下水道へ放出しはじめた! この汚染水は戦時を想定した消火訓練において米軍が大量に使用した泡消火剤の廃液だ。ふざけるな! この米軍の横暴きわまる蛮行に怒髪天をつく怒りに燃えたち、労働者・学生・市民が決起した。
「米英日の軍事訓練反対!」「安保粉砕!」を掲げ、闘う学生が奮闘
(8月30日、野嵩ゲート前)
  普天間基地野嵩ゲートを封鎖して闘う労働者・市民
(8月27日早朝)
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