第2691号2021年10月25日)の内容

<1面>
ネオファシズム政権に抱きつく「連合」労働貴族を弾劾せよ
 すべての労働者は団結し今こそ「連合」を脱構築せよ!
<2面>
政府・自民党に抱きついたトヨタ労働貴族
Topics NTT経営陣が自民党議員を高額接待
<5面>
ゆうちょ銀行経営陣による大量人員削減攻撃を許すな
<3面>
陸自大演習に各地で抗議闘争
 10・4‐5帯広 10・8鹿児島/金沢
<4面>
新たな対中国の戦争計画にもとづく米陸・空軍の大演習(下)
◎経済危機のキューバ
<6面>
書評 『デジタル馬鹿』
 「ICT教育」への強烈な警鐘
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号























  

ネオファシズム政権に抱きつく「連合」労働貴族を弾劾せよ

すべての労働者は団結し今こそ「連合」を脱構築せよ!

 
 「岸田政権の反動攻撃粉砕!」首都中枢を進撃する労学
(10月17日、東京・霞が関)
 すべてのたたかう労働者諸君! 日本労働者階級はいま、決定的な岐路に立たされている。
 アメリカを凌駕する「社会主義現代化強国」にのしあがるために突進する習近平の中国と・この中国に「世界の覇者」の座を奪われかねないという危機感を募らせて対抗しているバイデンのアメリカ――この両国はいま現在、台湾を焦点として相互に軍事的威嚇行動をくりひろげている。まさにそれゆえに東アジア・西太平洋において戦争勃発の危機がいや増しに高まっているのだ。この米・中激突の狭間において、日本の岸田政権は、「台湾有事」に備えて、バイデン政権とともに、日米軍事同盟を対中国のグローバル同盟として飛躍的に強化することに突進している。
 コロナ・パンデミックと米政府のいわゆるデカップリング(分断)政策によって重要物資のサプライチェーンがズタズタにされて日本の独占ブルジョアどもは悲鳴をあげている。この彼らの要求に応えて岸田政権は、半導体や5Gなどの高度先端技術製品の研究開発と中国を排除したサプライチェーンの構築に官民一体でとりくみ、「経済・行政のデジタル化」や「脱炭素化」を一気に加速するための国家プロジェクトに、巨額の国家資金を投じようとしている。
 この政権は、コロナ感染者数の減少に乗じて、経営不振に直面している旅行・交通などの大企業にたいする支援策(「GoToキャンペーン」の再開など)を最優先ですすめようとしている。自民党政権の貧窮人民切り捨ての「コロナ対策」と社会経済政策によって生活困窮者が日に日に増えつづけているそのただなかにおいて。彼らは、感染第六波に備えての医療体制強化や困窮する労働者への経済的支援をことごとく放棄している。首相・岸田は、労働者を欺すために「格差是正」の目玉商品としておしだしてきた「金融所得課税の強化」も早々に撤回し、「まずは成長だ」と傲然と叫んでいるのだ。
 岸田自民党政権によって多くの労働者が塗炭の苦しみを強いられている今日この時に、このネオ・ファシスト政権への恭順と協力への道を突き進みはじめたのが、「連合」の芳野新指導部だ。岸田が呼びかけた「新しい資本主義実現会議」という名の首相直轄の戦略会議=B――これへの参加を彼らが喜び勇んで受諾したことが、その結節点をなす。「連合」指導部は、「日本の抱える構造的課題」をめぐる政労使の対話のチャンスをつかんだと欣喜雀躍して、岸田自民党政権の呼びかけにとびついたのだ。いまやJC労働貴族を先頭とする「連合」の右派労働貴族は、政府・自民党との「協力」関係の構築にわれ先にのりだしている。彼らは、ネオ産業報国会の司令部≠ニしての本性をむきだしにして、「国難突破」のために岸田日本型ネオ・ファシズム政権を公然と支える道を選びとったのである。
 すべてのたたかう労働者諸君! いまやなりふりかまわず政府・自民党に抱きついて「救国」産報運動をすすめようとしている「連合」労働貴族を断じて許すな! ネオ産業報国会としての本性を赤裸々にした「連合」を脱構築するために、いまこそあらゆる戦線で奮闘しようではないか。
 日米グローバル同盟反対! 憲法改悪粉砕! 岸田政権による独占資本支援のための国家資金投入と人民への犠牲強制を阻止せよ! 岸田日本型ネオ・ファシズム政権の打倒をめざしてたたかおう!

「新しい資本主義」という名の日本資本主義生き残り策への協力

 岸田の唱える「新しい資本主義」なるもの。――それは、コロナ・パンデミック下での米・中の台湾を焦点とする軍事的・政治的角逐の激烈化とグローバル・サプライチェーンの分断、地球温暖化と気候変動によって促迫された「脱炭素化」をめぐる国際競争の激化、このただなかにおいて日本帝国主義が生き残っていくために、これまでにない巨額の国家資金――労働者・人民から搾りとった血税だ!――を、大企業の「デジタル化投資」「脱炭素化投資」などへの支援に惜しみなく注ぎこんでいくことを、その心棒に据えたものにほかならない。こうした大企業支援策を首相・NSCのトップダウンで貫徹せんとしている岸田は、それに国民各層の合意≠ニいう仮象を付与するために、「新しい資本主義実現会議」という名の首相直轄の政府会議を創設した。そしてこの「実現会議」(主要閣僚と十五人の「有識者」メンバーから成るそれ)に、経団連・経済同友会・日本商工会議所という経営者三団体の代表を揃って招聘(しょうへい)するとともに、「労働団体代表」として「連合」の新会長になった芳野を招き入れた。安倍政権でも菅政権でも、こうしたトップレベルの政府会議から徹底的に排除されてきた「連合」労働貴族は、この招請に嬉々としてとびつき、岸田式の「新しい資本主義」なるものの実現に、政府・自民党と協力して邁進することを宣言したのだ。これこそは、「連合」傘下の七〇〇万余の労働組合員を、岸田自民党政権による反人民的な社会経済・労働政策実現の尻押し部隊として売り渡す大犯罪にほかならない。
 岸田政権・自民党はいま、「デジタル化・脱炭素化」をめぐる国際競争を勝ちぬくための「成長戦略」の柱として、「科学技術立国の実現」や「経済安全保障」をおしだし、「デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙」などの先端科学技術の研究開発に巨額の投資をすすめると宣言している。自民党の選挙公約では、「脱炭素化」を口実として原発の再稼働・小型モジュール炉の地下立地・核融合研究などをすすめることもうちだした。こうした「デジタル化・脱炭素化」に対応した産業構造・事業構造への再編をおしすすめるために、コロナ不況下で立ちゆかなくなった中小零細企業の淘汰をすすめ、国際競争力を失った産業・事業に従事する労働者の解雇・転職を促すことをもくろんでいるのが、岸田政権・自民党なのだ。
 コロナ・パンデミックのもとで安倍・菅の両自民党政権が補償もせずに「緊急事態宣言」の発令をくりかえしてきたことによって、多くの中小零細企業が倒産・休廃業・解散に追いこまれた。そしてコロナ不況下の収益減を口実として資本家どもは、労働者にたいして首切り・雇い止め・シフト削減や賃金カットを、そして労働強化を強制してきた。「緊急事態宣言」等が解除されたいま、政府・自治体の支援金が途切れることによって、これまで緊急の借り入れによってなんとか凌(しの)いできた中小零細企業が債務負担に耐えきれずに倒産し、さらに多くの労働者が路頭に放りだされようとしているのだ。石油価格の高騰をはじめとする急激な物価上昇によっても、労働者・人民の生活苦はいよいよ深まっているのだ。
 まさにこのようなときに、困窮する労働者・人民を切り捨てて「ポスト・コロナ」にむけた大企業支援策に狂奔する岸田政権・自民党に抱きつこうとしているのが、「連合」芳野指導部なのだ。

以下見出し
日本型ネオファシズム政権を支える労働運動≠ヨの突進

「救国」産報運動を突き破れ!

反労働者性をむきだしにした「連合」指導部を弾劾せよ

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政府・自民党に抱きついたトヨタ労働貴族

「カーボンニュートラル」下のトヨタ生き残り≠ヨの挺身

 トヨタ自動車系の労働組合が加盟する全トヨタ労働組合連合会(三五万七〇〇〇人、三一四労組加盟、以下「全ト」と略す)は、九月一日に大村愛知県知事のもとに自民・公明および立憲民主・国民民主の各県連とともに「愛知カーボンニュートラル懇話会(仮称)」を設けると発表した。この懇話会は、自動車産業の発展に向けた政策を実現することを目的にすると銘うっている。その内実は、世界的な「EV」化の流れに遅れをとるトヨタ自動車資本の利害を代弁し、トヨタの主力製品であるHV(ハイブリッド車)を政府の「カーボンニュートラル」政策に適合した標準車として認めてもらうために、政府・自民党にたいして愛知の政労≠ェ一丸となって要請するためのものなのだ。
 政府が掲げている「カーボンニュートラル」とは、地球温暖化対策として菅前政権がうちだした「脱炭素」化のスローガンである。これまで全世界の権力者たちから「石炭火力発電への依存」を猛烈に非難されてきた日本政府は、菅が首相に就任した直後の昨二〇二〇年十月に、「二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」とうちあげた。つまり自動車などが排出する二酸化炭素などの量を、自然吸収量(および除去量)と差し引きゼロ≠フ水準にまで削減する(すなわち「ニュートラルにする」)という「目標」だ。
 これを進めるならば次世代自動車の開発をめぐって、ハイブリッド車=HV(エンジンとモーターの両方の動力で動く車)を世界に先がけて開発し、世界市場を席巻してきたトヨタ自動車にとっては、みずからのこの優位性を一気に奪われることになりかねない。HVは二酸化炭素の排出を大幅に削減するとはいえ、化石燃料でエンジンを動かす以上、それはゼロではない。それゆえにトヨタ経営陣は、次世代の「脱炭素化」対策として、HVやPHV(プラグイン・ハイブリッド=外部電源から充電可能なHV)をあくまでも維持しつつ、EV(バッテリーの電力でモーターを動かす車)やFCV(水素で発電してモーターを動かす燃料電池車)、さらには従来のガソリン・エンジンを転用して利用できる水素エンジン車などを同時並行的に開発している。
 これにたいして、ヨーロッパ、とりわけドイツの自動車メーカー(ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン)はトヨタのHVを一気に時代遅れ≠ノしてしまうために、EVに全面的にシフトすると宣言している。(これを支援するためにEUは、二〇三五年からHVを含む排ガス車の新車販売を全面禁止すると発表した。)この流れは世界中の大手自動車メーカーばかりではない。日本のホンダは二〇四〇年にはすべての新車をEVにするという方針をうちだし、日産も二〇三〇年以降の新車販売をEV主流(残りは日産独自のHV)にするといわれている。そうするならばトヨタがこれまでHVやFCVなどで築きあげてきた技術的優位性にもとづく市場での優位は完全に失われ、「次世代車」商戦で敗者に転落しかねないのだ。
 危機感にかられたトヨタ社長・豊田章男は、この自社の危機をあたかも日本の自動車産業全体の危機であるかのようにおしだし、自動車工業会会長として五五〇万人の雇用の危機だ、日本経済が衰退してしまう≠ニさわぎたてている。彼は、「カーボンニュートラルにおいて私たちの敵は炭素であり、内燃機関〔エンジン〕ではない。一部の政治家からはすべてをEVにすればよいなどという声を聞くことがあるが、それは違う」と記者会見で述べてもいる。
 こうした社長をはじめとするトヨタ経営陣の意を体して会長・鶴岡が率いる全ト執行部は「自動車や部品メーカーは産業構造の変革を余儀なくされる。雇用や競争力の維持に向けた具体策を議論する」と称して、自民党をはじめとする超党派の各種議員に働きかけているのだ。一八春闘において社長・豊田章男から「私の危機感を共有できていない」と大恫喝を食らい、企業防衛意識をむきだしにしているトヨタ労組執行部と全ト労連幹部ども。彼らは今日では、トヨタ自動車経営陣の生き残り戦略≠組合の側からも積極的に支え、その実現に全面的に協力しようとしているのだ。「次世代自動車」の開発競争においてはHVやFCV、水素エンジン車などの従来の技術を幅広く生かすかたちで対応していくことを、労組の側から「雇用と生活を守るため」と言いかえて要求しているのだ。そのために、「電動車」の国際標準として、欧米の権力者たちがEVやFCVをもっぱら認証しているのにたいして、日本はHVやPHVをも次世代車の国際標準とするためにたたかえ、と政府・自民党に要求しているのだ。

「連合」を右へ牽引≠キる全ト労連指導部

 これにたいして自民党は、トヨタ労働貴族の要請に応えて懇話会設立に、愛知県選出の全国会議員、県会議員、はては名古屋市、豊田市の市会議員を参加させている。数名しかいない立憲民主党の議員を尻目に、彼らは全ト幹部と「これからもよろしく」と挨拶を交わしているのだ。これこそは、全ト役員どもが完全にトヨタの企業利益拡大に貢献する活動を「組合運動」の中心軸にすえたことを意味する。労・使一体で政府・自民党にトヨタ企業の利益をおしこんでいこうとしているのだ。労組としては、各種の選挙において「協力」することをおしだし、自民党はそれを利用して票をかせごうという魂胆なのだ。
 これまで全ト労連は、曲がりなりにも「連合」傘下の組織として立憲民主党や国民民主党と様ざまな政策協議を重ねてきた。自民党・公明党には陳情することはあっても、今回のような正式機関をつくり協議するのははじめてのことである。
 全ト労連は、このかん「連合」中央との関係でも独自の道≠歩んできた。昨年九月に旧立憲民主党と旧国民民主党の国会議員の合流が焦点になったときに全ト指導部は、みずからの組織内議員である古本らを、立民の「原発ゼロ」に反発して「無所属」にした。さらに今年六月には、旧民主党議員とこれまでつくってきた各種連絡会から立憲民主党の議員を排除し、組織内議員と一部国民民主党の議員に限るとしたのだ。「連合」にたいしても、神津の次期会長候補として一部から推されたトヨタ労組出身の事務局長・相原を「共産党との選挙協力をも容認する野党共闘を推進しようとしていることは認めることはできない」として、自動車総連を通して会長選挙への産別推薦を拒否したのだ。他方でトヨタ経営陣および労働貴族どもの言いなりにふるまうトヨタ労組出身の金子晃浩を自動車総連会長、さらに金属労協議長に就任させている(九月上旬)。
 トヨタ資本の生き残りという個別資本の利害を貫徹するために、トヨタ労働貴族どもは、なお自治労・日教組など「立憲支持」や「原発ゼロ」を掲げる諸労組との妥協を強いられることを嫌って、金属労協の大手・右派労働組合の労働貴族どもと共に――形式上は「連合」内にとどまりながらも――独自の道≠歩もうとしているのだ。すなわち、自動車産業の「大転換期」に国際的にも、国内的にも「EV化」の流れからとり残されて危機感をつのらせているトヨタ経営陣の意を体し、その生き残り戦略≠実現するために、彼らトヨタ労働貴族は、政府・自民党にみずから抱きついたのだ。労働組合員の「一票」を自民党に提供することを手みやげにして。
 トヨタ労働貴族どもによるトヨタ資本の「生き残り」のための自民党へのすり寄り・抱きつきを許すな! 労使運命共同体の思想に貫かれた企業防衛主義丸出しの「労働運動」を打ちくだくために奮闘しよう!

 〔付〕十月十四日に、トヨタ労組の組織内議員である古本伸一郎(無所属)は、今次総選挙への不出馬を表明した。記者会見に同席したトヨタ労組幹部は、古本が立候補を予定していた愛知十一区に候補者を立てないと明言した。これを聞いた当地の自民党は「勝利確定」と小踊りしている。この「不出馬」はいうまでもなく、このかんの全ト=トヨタ労組の自民党へのすり寄り、両者の談合と取引の産物にほかならない。

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ゆうちょ銀行経営陣による大量人員削減攻撃を許すな

 日本郵政グループ経営陣は、五月十四日に発表した「JPビジョン二〇二五」と題する新中期経営計画(以下、新中計)において、郵便物数の減少、低金利が継続するなかでも、グループの持続性を確保するために、地域社会を支える「共創プラットフォーム」へとグループの事業構造を転換することをうちだした。と同時に、グループ全体で三万五〇〇〇人にもおよぶ人員削減を強行することをぶちあげた。
 これにたいしてJP労組本部は、さきにおこなわれた全国大会で、「JP労組が掲げる事業ビジョン(案)」を採択し、経営陣がうちだした新中計に全面協力する運動方針を確立した。
 われわれは、事業構造改革に全面協力する本部を弾劾し、経営陣による大量人員削減を粉砕する闘いを職場深部から断固として創造しよう!

以下見出し
1 ゆうちょ銀行の事業構造改革

2 「デジタルサービス戦略」の名による人員削減と労働強化

ゆうちょ窓口へのデジタル技術の導入

貯金事務センターへのデジタル技術の導入

3 事業構造改革に全面協力するJP労組本部を許すな!

 だがしかし、本部労働貴族どもは、「金融二社の経営悪化は窓口事業の収益に直結する」「このままでは、事業が縮小する」などと経営陣にかわって経営危機をあおっている。しかも本部は、「事業の構造改革を急ぐ必要がある」「組合員は理解を深めよ」などと、経営陣のおしすすめる事業構造改革を全面的に受け入れて、組合員に意識改革をせまっているのだ。
 ふざけるな! 経営陣は、デジタル技術の導入や地域ファイナンスへの投資に、湯水のごとく資金を投入しているではないか。どこが「経営危機」だ!
 そもそも、ゆうちょ銀行経営陣のこうした攻撃が貫徹されるならば、ゆうちょ銀行で働く労働者の労働はどうなるのか。窓口では、すでに徹底した人員削減がおこなわれている。この結果として、来店した顧客のニーズにあわせてサービスを提案し、申込書類の記入などの案内をおこなっている社員=「コンシェルジュ」にたいしては、手すき時間をまったく与えず、後方事務や窓口端末操作などを強制しているのだ。
 この窓口業務にタブレットが導入されるならば、窓口労働者はタブレットを手に接客をおこない、入力個所を指示しながら、申し込みなどの各種請求を受け付けることとなる。顧客一人にたいして必要となる時間が大幅に増え、顧客の待ち時間はより長くなる。どこが「非対面、非接触」だ! コンシェルジュの業務もそれに時間を割くこととなり、大幅な労働強化となるではないか。
 さらに、経営陣はスマホアプリ利用者数の増加による来店者数の減少にあわせて、窓口人員を徹底的に削減しようとしている。この他面で、新たに「シニアライフアドバイザー」なる業務を窓口労働者に担わせ、高齢者などの投資弱者に投資一任サービスや投資信託解約委任サービスなどを押し売りし、手数料をかっさらおうとしているのだ。これにたいして本部は、「厳しい経営環境」に直面しているなかで「コンサルティング戦略」は「収益の拡大・強化に不可欠」と全面的に賛美しているのだ。
 貯金事務センターではどうか。BPMS・RPAなどのデジタル技術諸形態の導入によって、労働者の作業はコンピュータで自動化され、労働者の労働はコンピュータから電子音で合図されたら次なる指示のボタンを押すだけの単純なものとなってしまう。けれども、コンピュータが自動処理できずエラーとなったものにたいしては、従来どおりの手作業でエラーのフォローをやらされるのだ。
 同時に、デジタル技術諸形態の導入にともなって貯金事務センターの労働組織の再編がくりかえされ、極限的に削減された人員にたいして現在より多くの業務知識を取得することが強制されるのだ。あるいは、労働者は次々と配置換えされることによって、コンピュータで自動化されている処理そのものの手順や、判断基準といった業務知識を失ってゆく。労働者の多くが高齢化している貯金事務センターで、コンピュータから電子音で呼び出されても、対応することができなくなる労働者が生みだされてゆくのだ。
 ゆうちょ銀行経営陣が推進する「デジタルサービス戦略」は、労働者をコンピュータ・AIの付属物に貶め、さらなる疎外をもたらす以外のなにものでもない。断じて許すな!
 たたかう郵政労働者の皆さん! ゆうちょ銀行の職場で苦闘する仲間たち! JP労組本部は「会社の成長・発展による働く者の処遇向上」を掲げ、あろうことか組合員にたいして、「事業ビジョンを豊富化するために現場目線で提案せよ」と号令を発しているのだ。しかも許しがたいことに本部は、「人員削減は、あくまでも自然減=A生首をとばすわけじゃない」と組合員を欺瞞し、人員削減の露払い役を演じているではないか。断じて許すな!
 われわれは、事業構造改革に全面協力するJP労組本部を弾劾し、ゆうちょ経営陣による、デジタル技術を駆使した人員削減・労働強化に抗する闘いを職場深部から断固としてつくりだすのでなければならない。ともに奮闘しよう!

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陸上自衛隊大演習に各地で抗議闘争
 北海道 帯広市

  十月四日、五日、北海道大学のたたかう学生とたたかう労働者は、陸上自衛隊第五旅団・帯広駐屯地正門前において、結集した労働者・市民とともに、陸上総隊・第一空挺団によるヘリボン訓練に反対する現地抗議行動に断固として決起した。政府・防衛省が一〇万人もの陸自大部隊を動員して強行している大演習の一環として実施されようとしていたこの大規模ヘリボン(ヘリコプターを使用しての機動・展開戦術)訓練にたいする現地抗議闘争をたたかったのだ。
「陸自大演習反対!」の横断幕を掲げ労働者と連帯し闘う北大生
(10月5日、帯広・陸自駐屯地前)
   帯広駐屯地に向け「ヘリボン訓練阻止!」の拳(10月4日)
 
 鹿児島県 霧島市  

  十月八日、鹿児島大学共通教育学生自治会のたたかう学生たちは、全国の労学と連帯して「陸上自衛隊演習」に反対する陸自国分駐屯地前(鹿児島県霧島市)での抗議闘争に起ちあがった。「反安保」を投げ捨て一切の闘いを総選挙に向けた「野党共闘」の宣伝と票田開拓に解消する日共の不破=志位指導部をのりこえ、現地闘争を最後までたたかいぬいたのだ。
陸自国分駐屯地に怒りの拳を叩きつける鹿大生(10月8日、霧島市)   
 
  石川県 金沢市

  米英日をはじめとする六ヵ国は、十月二〜三日、沖縄南西海域において空母三隻を投入した軍事演習を強行した。これにたいして習近平政権は、台湾の防空識別圏に五十六機もの中国軍機を突入させる軍事的威嚇にうってでた。たたかう金大生は、台湾を焦点にして米中戦争の危機がさし迫るなかで反改憲・反戦反安保の大衆的闘いの組織化を放棄し、闘いを議会主義的に歪曲する日共中央をのりこえたたかいぬいたのだ。
 
   自民党石川県連前で奮闘する金沢大の学生(10月8日、金沢市)
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