第2696号(2021年11月29日)の内容

<1面>
12・5革共同政治集会に結集せよ
 ソ連邦崩壊三〇年――反スタ運動のさらなる前進を!
<4面>
JP労組本部の22春闘方針(案)批判
<5面>
沖縄
 高級ホテル進出で苛酷な労働・困窮に苦しむ労働者
生活必需品の相次ぐ値上げ
Topics 厚労省「自殺対策白書」の欺瞞
<2面>
11・6 辺野古現地闘争に決起
11・12 那覇
 宮古島ミサイル配備抗議闘争
<3面>
日米共同の統合指揮所演習「ヤマサクラ81」を許すな
米軍の台湾駐留
「債務のワナ」に引きずりこまれた資源国ザンビア
<6面>
COP26の嵐
 国家エゴイズムの相互衝突
フランスに排外主義の暗雲
 「解放」最新号



























  

12・5革共同政治集会に結集せよ

ソ連邦崩壊三〇年――反スタ運動のさらなる前進を!

 
「憲法大改悪阻止!」首都圏の学生が決起(11月19日、国会前) 
 新型コロナ・パンデミック下でのネオ・ファシズム的強権支配と貧窮の強制をはねかえすために日夜奮闘しているすべての労働者・学生諸君! わが同盟は、来る十二月五日に首都・東京において、革共同政治集会を開催する。すべてのたたかう仲間が、新たな戦争と貧困の強制をうち砕く断固たる闘いを創造するためにこの集会に総結集することを、われわれは熱烈に呼びかける。
 新型コロナ・パンデミックがはじまって約二年が経ったいま、世界はコロナ感染爆発にくりかえし見舞われ、資本主義経済の危機はいや増しに深刻化している。各国権力者どもは、感染者・接触者の摘発・隔離などの人民へのデジタル監視を強化しつつ経済再開≠強行し、そのことによって再び感染拡大を惹きおこす、というジレンマに陥っている。各国権力者が強行したロックダウンや営業規制のもとで、資本家どもは大量の労働者の首を切るとともに、残した労働者には極限的な労働強化と賃金切り下げを強制している。各国権力者と資本家どもは、パンデミックを口実にして、あらゆるあくどい手口を使って労働者・人民に過酷な犠牲を転嫁してきたのだ。
 だが痛苦なことには、ソ連邦崩壊以後の脱イデオロギー化、ネオ・スターリニストの腐敗と社会民主主義者の消滅、そして各国における前衛党の不在のゆえに、呻吟する労働者・人民の怒りと怨嗟の声はなお階級的反撃へと高められてはいない。
 スターリン主義ソ連邦の崩壊後、世界各地で戦争放火をくりかえして数多の人民を虐殺し、また資本のグローバル化をつうじて全世界の労働者・人民の生き血を吸って延命してきた軍国主義帝国アメリカ。――このアメリカの衰退を前にして、ネオ・スターリン主義中国は、「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国にのしあがる」という世界戦略を実現するために、政治的・軍事的・経済的のすべての面でアメリカと激突し、台湾の「完全統一」にむけて攻勢を強めている。まさにそれゆえに米・中が台湾海峡・南シナ海において相互対抗的に威嚇的軍事行動をくりひろげ、この海域において米日英豪―中国の戦乱勃発の危機が切迫しているのだ。
 コロナ・パンデミックをつうじていよいよ深まり激成した現代世界のこの危機を突破し、戦争と貧困と強権支配に覆われる暗黒の二十一世紀を根底から覆すために、わが革命的左翼は、<反帝国主義・反スターリン主義>戦略にもとづいてプロレタリア階級闘争を断固としておしすすめるのでなければならない。
 米・中激突のただなかで、安保の鎖で締めあげられた「アメリカの属国」日本の岸田政権は、日米軍事同盟のグローバル同盟としての強化に邁進している。「軍事費のGDP比二%超=一〇兆円への増額」や「敵基地攻撃能力の保有」を掲げての大軍拡に、そして憲法第九条破棄と緊急事態条項新設を柱とする憲法改悪に、安倍・高市らの極右タカ派に羽交い締めにされたこの政権は猛然と突き進みはじめた。この日本をアメリカとともに戦争を遂行する国家たらしめるためにこそ、内に向かっては日本型ネオ・ファシズム支配体制の飛躍的強化に狂奔しているのが、岸田政権なのだ。
 この政権は、AI開発をはじめとする「デジタル化」や「脱炭素革命」などをめぐっての国際競争にたち遅れ凋落の一途をたどる日本帝国主義の生き残りを賭けて、半導体をはじめとする先端技術や軍民両用技術の開発に莫大な国家資金を投じようとしている。そして政府の支援をうけた独占ブルジョアどもは、「デジタルとグリーン」をシンボルとする産業構造・事業構造の一大転換を、大量の労働者を路頭に放りだすかたちで競いあって強行している。
 まさにいまこのときに、「連合」内民間大労組の労働貴族どもは、「労使運命共同体」思想に骨の髄まで冒され、「一〇〇年に一度の危機」を叫ぶ資本家どもと一体となって「日本経済の失地回復」のための強力な政府≠求めて、――共産党との政策協定に踏みこんだ立民への嫌悪を露わにしながら――自民党支持≠ヨと舵を切った。「連合」会長・芳野は、発足した首相直轄の「新しい資本主義実現会議」に招かれ参加した。もって「連合」は、今日版産業報国会としての本性を如実に露わにしたのだ。日本型ネオ・ファシズム政権を支える労働運動≠ヨと公然と転進した「連合」指導部を弾劾せよ!
 わが革命的左翼は、パンデミック下で自民党政府と独占ブルジョアどもがふりおろしてきた苛烈な反動諸攻撃にたいして、既成反対運動指導部の闘争放棄と腐敗を徹底的に弾劾しつつ労学両戦線においてまさに仁王立ちになってたたかってきた。それをつうじてわが戦列を飛躍的に強化し拡大してきたのだ。この闘いの画期的地平をしっかりと踏みしめ、すべてのたたかう労働者・学生は、現下の戦争的危機とネオ・ファシズム反動攻撃をうち砕くためのさらなる大闘争を、不退転の決意で創造するのでなければならない。
 そのための態勢と拠点を構築するために、すべてのたたかう労働者・学生は、12・5革共同政治集会に総結集せよ!

以下見出し

<米中冷戦>下で高まる戦争勃発の危機

 「社会主義現代化強国」にむけて突進する中国

 「同盟の再構築」に狂奔する没落帝国主義アメリカ

岸田政権による改憲・軍拡の一大攻撃を打ち砕け!

「暗黒の二十一世紀」を<革命の世紀>に転化せよ!
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 JP労組本部の二二春闘方針(案)批判



賃金・処遇切下げを自ら提案する本部を許さず闘おう!

 JP労組本部は、十月十五日、討議資料「二〇二二春季生活闘争方針(案)の策定に向けた検討Vol・2」を提出し、組合員にたいして十二月十日までに第二回目の「意見集約」をするよう呼びかけた。本部がうちだしたこの二二春闘方針(案)は、徹頭徹尾反労働者的なものにほかならない。
 本部は、経営陣から突きつけられている一時金会社別交渉=一時金切り下げの受け入れを事実上表明しているだけではない。許しがたいことに、病気休暇の無給化や夏期冬期休暇の全廃もしくは半減、人事給与制度の大改悪など、労働者にとっては賃下げと休暇剥奪をしか意味しない提案をみずからおこなっているのだ。
 そればかりではない。彼らは、労働者に人員削減や労働強化をもたらすものでしかない「JP労組が考える事業ビジョン(案)」の「検討・豊富化」に組合員を駆りたてようとしているのだ。
 すべてのたたかう郵政労働者諸君!
 いまJP労組本部は、「すべては組合員の生活を守るため」などという欺瞞的言辞をシャックリのようにくりかえしながら、労働諸条件の改悪をみずから提案するまでに変質を深めている。労使運命共同体思想に骨の髄まで侵され、労働者に犠牲受け入れを強要する本部を許すな! 本部による一時金の会社別交渉受け入れ反対! 夏期冬期休暇の「返上」提案阻止! 郵政労働者三万五〇〇〇人の人員削減粉砕! 一律大幅賃上げをかちとろう! 本部による二二春闘の歪曲に抗して、職場生産点からただちに闘いをまきおこせ!

以下、見出し

一 賃下げ・休暇制度の大改悪を提案する本部

(1)会社別一時金交渉=一時金切り下げの受け入れ

(2)休暇制度の大改悪を提案

(3)一般職と地域基幹職二級以下との基本給統合のごり押し

(4)新たな変質を深めるJP労組本部

二 本部の事業危機煽りをうち砕き春闘を戦闘的に闘おう
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COP26の嵐

国家エゴイズムの相互衝突の舞台と化したグラスゴー

 十一月十三日にCOP26(国連気候変動枠組み条約第二十六回締約国会議)が閉幕した。今回のCOPは地球温暖化がもたらす大災害が空前の規模で頻発するもとで開催された。干ばつと猛暑と山火事、大水害、氷河や凍土の溶融、海面上昇などが全世界を襲い、新型コロナ・パンデミックでいためつけられてきた各国の労働者・人民にさらなる生活苦を強いている。こうした大災害・気象異変の原因である地球温暖化について「人間活動が原因である」といまごろになって断定したのが国連機関IPCCであった。日本でも「数十年に一度」とかといわれる大型台風や集中豪雨が毎月のように襲来し、政府のおざなりな防災対策のゆえに多くの労働者・人民の命が奪われている。
 こうしたなかで開催されたCOP26の最大の争点になったのが、CO2の大排出源である石炭火力発電についてであった。

インドがちゃぶ台返し

 もともとの会期を一日延長したCOP26の最終日に全会一致で「グラスゴー合意」が採択された。そこでは「温室効果ガス排出抑制策を講じていない石炭火力発電所の段階的な削減にむけて努力する」と謳われた。各国政府は石炭火力発電所のうち「CO2抑制策」を施していないものを徐々に減らすように「努力」をすればよいという、CO2排出削減策としては実にザル抜けの「合意」である。
 最終日に議長(イギリス政府代表シャーマ)がいったんは示した「合意」案には「CO2排出削減策を講じていない石炭火力発電の段階的廃止」と書かれていた。この提案じたいが石炭火力発電の全廃を叫ぶ英・EU諸国・島嶼諸国と石炭火力発電を主力電源にしている諸国(日本、中国、インドなど)と石炭産業を抱える諸国(オーストラリア、アメリカなど)の利害対立とその妥協の産物であった。もともと議長国イギリスの最初に示した提案はすべての石炭火力発電を対象として「段階的廃止を加速する」であったが、それに「排出削減策を講じていない」という条件が――米・日などの要求によって――付けられ、さらに「段階的な廃止の努力」に書きかえられたのだった。
 こうしてつくられた「議長提案」が採決にかけられようとしたときに、インド政府代表が待ったをかけた。この政府は途上国ナショナリズムを前面におしだしてタンカを切った。いわく「化石燃料を使用することで世界の一部の国は高水準の富と幸福を実現できた。発展途上国は貧困撲滅などにとりくまなければならないのに、なぜ石炭火力発電を段階的に廃止する約束ができるのか」と。そして「廃止」という文言を「削減」に改めることを求めた。これはまさしくちゃぶ台返し≠ナあった。
 これに賛同したのが温室効果ガス排出量が世界第一位である中国の習近平政権であった。この政権はアメリカ・バイデン政権とともに気候変動対策での協力を謳う「共同声明」を発表し、また独・仏などのEU諸国政府とも協力を確認した。そうした際に中国は「世界第二位の経済主体=大国としての責任を果たす」とか「環境強国をめざす」とかと言い、石炭火力発電の削減を約束していた。実際、COP26で国際的非難の的となることを回避するために、電力不足も覚悟のうえで一定数の石炭火力発電所を操業停止にしたほどだ。ところがCOPの土壇場で「わが国は世界最大の途上国である」との立場をご都合主義的に持ちだしてインドの提案に賛同したのである。
 この両国の動きをみて、多くの新興国・途上国や石炭・石油産出国の政府が「廃止」を廃止せよという声をあげた。かくして議長提案は修正されて冒頭に記したような「合意」が採択された。
 このプロセスにおいてCOP総会の会場ではアメリカ政府の気候問題担当大統領特使ケリー(元国務長官)と中国政府代表・解振華とが露骨にボス交。そのうえでケリーが議長シャーマに採決はできない≠ニ「バッテンマーク」を送ったのだ。壇上で泣きべそをかいたのがシャーマであった。

以下、見出し

英ジョンソン政権の「野心的提案」でG7が分解
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フランスに排外主義の暗雲

大統領選を目前に新たな極右分子が伸長

 来年四月のフランス大統領選に向け『ル・モンド』紙が実施した世論調査結果(十月二十二日付発表)において、極右政治評論家のテレビ・コメンテーターが、伝統的な極右政党「国民連合」の党首マリーヌ・ルペンを抜いて支持率第二位となり、現職大統領マクロンとの決選投票にのぞむ事態がうまれかねない可能性が浮上してきた。
 この世論調査によれば、大統領選第一回目の投票先は、マクロンが二五%で第一位、第二位は極右評論家のエリック・ゼムールで一七%、このかんマクロンを追い上げてきた「国民連合」のマリーヌ・ルペンが第三位に転落し一六%だった。
 二位に躍り出たゼムールは、保守系紙『フィガロ』の政治記者を経て、テレビのコメンテーターや作家として近年とみに名を馳せる、札付きの極右論客=Bテレビ番組のなかで、アメリカでの白人警官による黒人殺害事件にふれて「麻薬密売人のほとんどはアラブ人と黒人だ」と排外主義まる出しの発言をしたり、「フランスは三十年間イスラム教徒による侵略をうけてきた」と反ムスリム感情を煽りたてたりしたことのゆえに、宗教・人種への憎悪を扇動した罪で罰金刑に処せられた経歴をもつ、極悪の反ムスリム・反移民の排外主義者だ。みずからはパリ郊外の移民街に生まれ、フランスの旧植民地アルジェリア出身のユダヤ系移民二世でありながら、ムスリムを露骨に敵視し、「四十年間移民を拒んできた日本に学べ」と称して、「移民受け入れの停止」「フランス第一」を絶叫する。
 こんな極めつきの極右排外主義者が、来年の大統領選に向けて移民排斥主義の色を薄めることに腐心してきた「国民連合」のルペンをあっさりと抜きさり、支持率第二位にのしあがったのだ。ゼムールは既成政党に所属せず、いまだ大統領選への立候補を表明してはいないものの、すでに大統領選を射程に入れて各地で演説会を連続的に開催してまわっている。

以下、見出し

反ムスリムの排外主義を助長したマクロン政権

フランス版ラストベルト≠ノ広がる貧窮と絶望

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11・6 辺野古現地闘争に決起
 十一月六日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、辺野古新基地建設を阻止するために辺野古現地闘争に決起した。
 日米軍事同盟の強化に突き進む岸田政権を許すな! この重大な局面において、琉大・沖国大のたたかう学生たちは、革命的・戦闘的労働者と固く連帯し、<反安保>の旗高く辺野古現地で奮闘したのだ。
「辺野古新基地建設を打ち砕くぞ!」暴風雨をものともせず労・学・市民160名が決起
(11月6日、辺野古)
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11・12 那覇
宮古島ミサイル配備抗議闘争
 十一月十二日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、「宮古島へのミサイル搬入反対緊急抗議集会」に起ちあがった。許しがたいことに岸田政権・防衛省は、十四日にも民間の平良港を使って海自輸送艦から地対艦ミサイルを陸揚げし、保良弾薬庫に搬入せんとしていた。これに反対する闘いに断固として起ちあがったのだ。
「宮古島へのミサイル配備反対!」労学が怒りの拳
(11月12日、那覇市・県民広場)
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