第2704号(2022年2月7日)の内容

<1面・6面>
改憲阻止・反戦反安保の炎
 1・22 全学連が首都中枢をデモ
『新世紀』最新号(第317号)紹介
<2面>
自衛隊統合実動演習
 日米共同の対中国戦争遂行の〝予行演習〟
わが同盟の春闘スローガン
<3面>
ベラルーシ・ポーランド国境
 欧州への「移民」送り込みを仕組んだプーチン政権
<4面>
カザフへのCSTO軍投入――
 旧ソ連邦の版図復活策すロシア
◇反米トライアングル
<5面>
Topics わずか1%! 鉄鋼労働貴族の超低額要求
対中「経済安保」体制づくり
 ――「セキュリティ・クリアランス制度」
幌延新施設建設を許すな!
週間日誌は2面に掲載
 「解放」最新号


























  



改憲阻止・反戦反安保の炎 1・22

全学連が対国会・首相官邸・米大使館闘争に勇躍決起


 
 
「対中国攻守同盟の強化反対!」白ヘル部隊がアメリカ大使館(左奥)に怒りを叩きつける
(1月22日、特許庁前)
一月二十二日、全学連のたたかう学生たちは、「憲法改悪阻止! 日米グローバル同盟反対!」「米―中・露<新東西冷戦>下の戦争的危機を突き破れ!」の旗のもと、国会・首相官邸、アメリカ大使館にたいするデモに起ちあがった。
 ウクライナにおいて今まさに軍事侵攻にうってでようとしているロシアと、これに対抗する米欧諸国との戦争勃発の危機が急切迫している。このまっただなかで、全学連の学生たちは、「ロシアのウクライナ軍事侵攻阻止! アメリカ主導のNATOによる軍事介入反対!」の反戦の闘いを断固として巻きおこしたのである。
 台湾を焦点とした米・日―中の軍事的角逐、そしてウクライナ侵攻の引き金を今にも引こうとしているプーチン・ロシアと米・NATO諸国との激突――このゆえに今、世界を灼きつくす熱核戦争の火がユーラシア大陸の東西から噴きあがりかねない危機が高まっている。このただなかで日本の首相・岸田は一月二十一日、米大統領バイデンとのオンライン首脳会談を開催し、日米軍事同盟の強化のための日本国軍の「抜本的な強化」をバイデンに固く誓約した。そして岸田自民党政権は、アメリカと共同で対中国戦争を遂行する<軍国日本>にふさわしい憲法を手にすべく、今通常国会での憲法審査会をまさに開始しようとしていた。だがこのときに、日本共産党の不破=志位指導部は、憲法改悪反対の闘いを「九条を生かした平和外交」を政府にお願いするものへとねじ曲げ、いっさいの反戦闘争の創造を放棄していたのだ。
 この決定的局面において、わが全学連の学生たちは、「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ、改憲阻止・反戦反安保の闘いを巻きおこした。米―中・露<新東西冷戦>下での戦争的危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を赤々と燃えあがらせたのだ。
 
首相官邸へ進撃する全学連の部隊
(1月22日、港区・溜池交差点手前)
 
「改憲阻止!」全学連が国会に向けて進撃
(1月22日、東京・霞が関)
 
 六本木通りを一路進撃する全学連の白ヘル部隊
(1月22日)

<日米グローバル同盟反対>の旗高く戦闘的デモ

<新東西冷戦>下の戦争的危機を突き破れ! 決起集会

さし迫る戦争の暗雲を突破する闘いの行く手を示す

 ロシアのウクライナ軍事侵攻阻止! 米欧帝国主義の介入反対!

 すべての労働者・学生諸君! いまウクライナにたいして、ロシアのプーチン政権は、南部ロシア・クリミア・ベラルーシの三方から十数万人規模の陸軍部隊を侵攻させる作戦計画にのっとって、「軍事演習」の名目でベラルーシ領内に続々とロシア軍を集結させている。それとともに、海軍全軍をバルト海、黒海、地中海や、大西洋、太平洋など、欧州諸国およびアメリカを包囲するかたちで全世界各地に配置しつつある。これにたいしてアメリカのバイデン政権は、米軍部隊八五〇〇人を東欧に急派する態勢をとり、ひとたびロシアがウクライナに侵攻すれば米・NATO諸国軍あわせて四万人規模の部隊で反撃する態勢をとっている。まさに今、欧州全域を戦火に叩きこむ戦争勃発の危機が切迫しているのだ。すべての労働者・学生・人民は、今ただちに<ロシアのウクライナ軍事侵攻阻止・アメリカ主導のNATOによる軍事介入反対>の反戦闘争に決起せよ! 全学連の学生は、ロシア、ウクライナの、全世界の労働者・人民と連帯して、革命的反戦闘争の嵐を日本全土で巻きおこせ!
 ウクライナ軍事侵攻を身構えるロシアとこれを阻もうとする米・欧帝国主義との軍事的角逐は、プーチンと結託する習近平の中国と米・日との台湾をめぐる軍事的緊張を一気に高めるにちがいない。われわれは今こそ、「台湾の中国化」をめぐる米日英豪―中のいっさいの対抗的軍事行動に反対する反戦の闘いを巻きおこそうではないか! 米日英豪による対中国の威嚇的軍事行動反対! ネオ・スターリン主義中国による反プロレタリア的な軍事行動に断固として反対せよ!
 米―中・露の<新東西冷戦>下で高まる戦乱勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の爆発を今こそかちとろうではないか!
 <米中冷戦>の熾烈化のもとで、バイデン政権から日米安保の鎖で締めあげられた岸田政権が、憲法改悪と日米軍事同盟強化に突き進むことを、われわれは断じて許してはならない!
 対中国の戦争遂行体制構築と一体で進められている憲法改悪の策動を断固として打ち砕け! コロナ感染対策を口実として、〝戦争をやれる軍事強国〟にふさわしい国家総動員体制の構築をねらった「緊急事態条項」の創設に突き進むことを絶対に許すな! 今こそわれわれは、<反安保・反ファシズム>の旗高くたたかおうではないか! 全国津々浦々から憲法改悪阻止の巨大なうねりを巻きおこせ!
 日米軍事同盟の対中国グローバル同盟としての強化に断固反対せよ! 敵基地先制攻撃体制の構築反対! 米日両権力者による対中国戦争計画の策定を許すな! EABO構想にもとづく軍事演習の強行と、南西諸島をはじめとする日本全土への軍事拠点の構築反対! 日本列島各地への中距離ミサイルの配備反対!
 辺野古新基地建設を断固として打ち砕け! 施政権返還から五十年、沖縄の労働者・人民の闘いを踏みにじり対中国の最新鋭基地を建造することを絶対に許してはならない! 日米軍事同盟が対中国の文字どおりの攻守同盟として新たなかたちで強化されようとしている今、これを打ち砕く労働者・人民の巨大な闘争を巻きおこそうではないか! <全米軍基地撤去・安保破棄>めざしてたたかおう!
 岸田日本型ネオ・ファシズム政権の打倒をめざし、すべての労働者・学生・人民は今こそ決起せよ!

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 最新号紹介

新世紀

The Communist
第317号
2022年3月 



暗黒の21世紀を革命の世紀へ

改憲・安保強化阻止! 22春闘の戦闘的高揚をかちとれ!

 オミクロン株の出現による新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大の加速、そのもとで一段と熾烈化する米―中・露の激突。独占資本家どもによる首切り・賃下げ攻撃と全世界的なインフレーションの嵐。この歴史上かつてない危機にたつ現代世界を根底から覆すべく奮闘しているすべての労働者・学生諸君に、『新世紀』第三一七号を送る。
 ◆巻頭論文「暗黒の21世紀を革命の世紀へ」(無署名)は、戦争と圧政と貧困と環境破壊に苦しむ全世界の虐げられた人民へのわが同盟の檄だ。二十一世紀世界の覇者の座を獲得することを企む習近平の中国が「台湾の完全統一」にむけて政治的・軍事的攻勢を強め、これに対抗してバイデンのアメリカが台湾有事にそなえての対中軍事包囲網の構築に血道をあげている。他方、ソ連邦の版図復活を企むプーチンのロシアが、ウクライナへの軍事侵攻のかまえをとり、米・欧帝国主義諸国との戦争勃発の危機が高まっている。この核戦争の危機をはらむ現代世界は、一九九一年のソ連邦の自己崩壊を結節点とする現代史の現局面にほかならない。ソ連邦の解体を「歴史の逆転」ととらえ、その「再逆転」のために奮闘してきたわが革命的左翼のみが、現代世界の危機を突破する力を有しているのだと本論文は高らかに宣言する。そして呼びかける。マルクスのマルクス主義を復活(ルネッサンス)させよ、「スターリン主義との対決」が今こそ問われている、と。
 ◆「改憲・安保強化を打ち砕け」(中央学生組織委員会)は、憲法改悪に突進する岸田政府・自民党にたいする戦闘宣言だ。岸田政権は日米2プラス2で中国の台湾侵攻にたいする両国の「共同対処」を謳いあげた。そして日米共同作戦を担うにふさわしい軍事強国に日本を飛躍させるための改憲攻撃にうって出ている。だが日共中央は、にわかに改憲反対の「一〇〇〇万人署名」にとりくみ始めたものの、その方針から「反安保」を完全に抜きさっている。しかも各国権力者の相互瞞着の場でしかない「東アジアサミット」を美化し日本政府に「九条を生かした外交努力」を迫るという無力かつ犯罪的な対応をとっている。日共翼下の反対運動をのりこえ、憲法改悪阻止の闘いを反戦反安保の闘いとして推進せよと訴える。

自称「社会主義」中国の社会経済的諸矛盾を暴露

 貧富の格差が帝国主義諸国を上回るほどに拡大している中国、この自称「社会主義国」の政治経済体制の分析を深めているのが「習近平・中国の穷途末路(きゅうとまつろ)」(手稲昌彦)である。不動産バブルの〝管理された破裂〟の現局面の分析をつうじて「社会主義市場経済」の基本構造を明らかにする。中央政府の号令のもとに「三十一の地方政府が『自力更生』的に経済建設を競い合う」かたちで、国家の統制のもとで資本制商品経済の「活用」が進められている。これは、「資本主義との対比で表現するならば、<擬似資本主義>と規定すべきものにほかならない」と論ずる。
 ◆二二春闘は岸田ネオ・ファシズム政権に抱きついた「連合」芳野指導部によって窒息させられようとしている。この抑圧をうち破る指針を提起しているのが「〝国難突破の政労使協議〟への賃金闘争の解消」(越塚大)である。賃上げ要求を、政府・独占資本家に呼応して「企業発展のための人への投資」と基礎づける「連合」春闘方針の反プロレタリア性をつきだしている。「賃金・処遇切り下げを提案するJP労組本部」(杉山田攻)は、労組指導部がみずから、賃下げや労働強化をしか意味しない「春闘方針」を提起するという驚くべき腐敗を徹底的に弾劾する。また、岸田政権がいま地方自治体に強制している「行政のデジタル化」なるものが、日本型ネオ・ファシズム支配体制の一挙的強化を狙ったものであることを暴きだし、この攻撃に屈服している自治労本部をのりこえてたたかう方向性を提起している三論文などを掲載した。
 ◆「『経済安全保障』としての半導体戦略」(深水新平)は、TSMCの日本誘致が半導体産業分野での国際競争における日本の敗北を挽回するための日本政府の経済安保戦略の貫徹であり、労働者・人民から収奪した巨額の税金を軍民両用技術などの戦略的技術・産業分野に投じるのが岸田の「新しい資本主義」だと喝破する。「政府・東電の『四十年廃炉』方針の破綻」(栗本誠也)は、「四十年廃炉」の虚構の看板をなお掲げながら進められている廃炉作業が労働者たちに高線量被曝を強制し・周辺に多量の放射性物質をまき散らすものであることを、怒りを込めて弾劾する。「一九二八年 中野・蔵原の『芸術大衆化論争』について」(島村健康)は、戦前の芸術運動をめぐる論争にふみこんだ論文である。
 盛り沢山の本号を大いに活用されんことを。
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自衛隊統合実動演習

日米共同の対中国戦争遂行の〝予行演習〟

 岸田政権は、昨年の十一月十九日から三十日にかけて、「自衛隊統合実動演習」を、陸・海・空自衛隊三万人を動員し、かつ米軍五八〇〇人の参加のもとに事実上の日米共同演習として強行した。「台湾有事」に際して南西諸島全域が〝戦域〟になるという想定のもとに、全国から南西諸島に自衛隊部隊を緊急展開させ、米軍との連携のもとに、島嶼強襲上陸訓練、地対艦攻撃訓練などを、宇宙・サイバー・電子戦を組みこんだ「領域横断作戦」の演習として実施したのだ。
 この統合演習を目前にした十一月九日に、自衛隊統合幕僚長・山崎と米軍のインド太平洋軍司令官アキリーノが連れだって、台湾の目と鼻の先にある与那国島の陸自駐屯地に降り立ち、記者団を前に「共同訓練などのとりくみを重ね、あらゆる事態に即応する」と呼号した。日米両軍の最高レベルの司令官が、米・中両軍がにらみあう一触即発の台湾海峡の「有事」に即応する決意を中国権力者にたいして突きつけたのだ。まさに中国・習近平指導部にたいする軍事的威嚇として、米・日の両権力者は、この日米共同の統合演習を実施したのだ。

以下見出し

島嶼奪取と対中ミサイル攻撃の領域横断演習

中国軍の台湾侵攻に備えた日米共同の臨戦態勢の構築
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わが同盟の二〇二二春闘スローガン

すべての労働者は団結し二二春闘をたたかおう! 大幅一律賃上げ獲得! 憲法改悪粉砕!

Ⅰ 賃金切り下げ攻撃をうち砕け!
  大量首切り反対! 大幅かつ一律の賃上げを獲得しよう!
▽解雇・転籍・出向・配転攻撃をうち砕け! 非正規雇用労働者の雇い止めを許すな!
▽「デジタル化と脱炭素」にむけた一大リストラ攻撃をうち砕け! 人事・賃金制度の大改悪を許すな! 非正規雇用化・個人請負化を許すな!
▽独占資本による生活必需品価格の引き上げ反対!

Ⅱ 岸田政権の「新しい資本主義」の名による人民切り捨て策弾劾!
▽コロナ・パンデミック下で困窮を強いられた労働者・人民への生活補償うち切りを許すな! 一切の公共料金値上げ反対!
▽社会保障の切り捨て反対! 年金支給額削減反対! 社会保険料引き上げを許すな! 医療費自己負担・介護サービス利用料を無償化せよ! 消費税撤廃!

Ⅲ 憲法改悪を絶対に阻止せよ!
  日米グローバル同盟反対!
▽軍事費の「GDP比二%=一〇兆円」への大増額反対!
▽辺野古新基地建設阻止! 敵基地先制攻撃体制構築を許すな!
▽「行政のデジタル化」の名による国民総監視=総管理体制の飛躍的強化を許すな! 日本型ネオ・ファシズム支配体制の強権的強化反対!

Ⅳ 岸田反動政権に抱きつく「連合」指導部弾劾!
▽〝企業の発展のための労使協議〟への春闘の解消を弾劾せよ! ネオ産業報国会=「連合」を脱構築せよ!
▽「全労連」指導部による春闘の市民主義的・議会主義的歪曲を許すな!

Ⅴ 〝資本の鉄鎖〟をうち砕く労働者階級の国境を超えた団結を創造しよう!
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ベラルーシ・ポーランド国境

欧州への「移民」送り込みを仕組んだプーチン政権

 昨年十一月にベラルーシとポーランドとの国境で前例のない事態が生起した。ベラルーシのルカシェンコ政権が中東諸国から「欧州移住ツアー」と称して大量に集めた移住希望者をポーランド領内に突入させた。これにたいして、ポーランド国境守備隊がゴム弾、催涙ガス弾、閃光弾などを浴びせかけ、これらの人民を叩き返したのである。それだけではない。ポーランド首相モラビエツキは「(ルカシェンコは)移民を兵器にしている」と叫び、EUの欧州委員長フォンデアライエンと外相ボレルは「これはハイブリッド攻撃だ」と、口をそろえてベラルーシ政府を非難しロシア政府の関与にも言及した。これにたいしてプーチンは、「難民問題のいっさいの責任は米欧にある」と応酬した。いまや〝移民の送り込みと受け入れをめぐる紛争〟がNATOとロシア中心の軍事同盟CSTOの境界線でくりひろげられているのだ。

以下見出し

プーチン・ルカシェンコによるEU諸国権力者への逆襲

「不法移民入国阻止」の名によるEUの強権的対応

〝プレ戦争状態〟への突入
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カザフスタンへのCSTO軍投入

旧ソ連邦の版図復活を策すプーチン・ロシア

 燃料価格暴騰にたいする怒りに燃えて二〇二二年の年明けから反政府デモに決起したカザフスタン人民にたいして、トカエフ政権は、「外国で訓練されたテロ集団」と烙印し大弾圧にうってでた。三十年にわたり圧政と貧困を労働者・人民に強制し大統領辞任後も国家暴力装置を牛耳っているナザルバエフ一族。これにたいする怒りを爆発させたこの闘争を武装部隊をもって徹底的に抑えこむと同時に、これをナザルバエフ派一掃の権力闘争に利用したのが、大統領トカエフにほかならない。ただちに彼は、CSTO(ロシア中心の集団安全保障条約機構)に支援を要請し、ロシア・ベラルーシ・アルメニア・タジキスタン・キルギスの五ヵ国が「平和維持部隊」を派遣した。
 トカエフ派は五ヵ国軍をバックにして、決起した人民に凶暴な弾圧をくわえ、ナザルバエフ一族に暴動の責任をとらせて親族を次々に逮捕し・さらにナザルバエフ本人をも「完全引退」に追いこみ、首都の名であるヌルスルタン(ナザルバエフのファースト・ネーム)を元のアスタナに戻したのであった。
 トカエフ政権を全面的に支えたのがロシア・プーチン政権であった。この政権はカザフスタンをロシア中心体制に深ぶかとからめとるために、〝騒乱〟に介入したのだ。

以下見出し

ナザルバエフ一族一掃の権力闘争

カザフスタンのロシア中心体制への抱きこみ

CSTOの結束強化に狂奔するプーチン政権
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