第2716号(2022年5月2日)の内容

<1面>
侵略軍の東部総攻撃阻止!

ウクライナ人民と連帯し闘おう

<4面>
大リストラと一体の「ジョブ型雇用」の導入
 経団連『経労委報告』の批判
<3面>
物価高騰・公共料金引き上げ――人民に窮乏生活を強制
日産 EV化推進で下請け切り捨て
4・17「とめよう! 戦争への道」集会 大阪
<5面>
Topics 「連合」芳野が自民会合に出席
コロナ感染の入院制限――高齢者施設で犠牲急増
酷使される個人請負宅配労働者
<2面>
プーチンのウクライナ原発への軍事攻撃弾劾!
<6面>
「中華民族再興」の野望をたぎらす習近平指導部
 中国共産党6中全会「歴史決議」

◆お知らせ
本紙五月九日付は休刊します。次号は第二七一七‐一八合併号として五月十六日付で発行します。
 「解放」最新号































  


侵略軍の東部総攻撃阻止!


ウクライナ人民と連帯し闘おう


 4・24  労学がロシア大使館に怒りのデモ
 
 
 「ウクライナ侵略弾劾!」――ロシア大使館〔奥〕に拳を叩きつける労学
(4月24日、東京・港区)
 プーチンの侵略軍は、ハリコフ・ルガンスク・ドネツクなどのウクライナ東部各地に戦車や砲兵など七万余の大部隊を送りこみ、四月十八日未明から、ウクライナ軍と領土防衛隊・自警団組織の住民たちが守る前線の街や村々に雨あられと砲弾を撃ちこんで人民にたいする無差別の殺戮を開始した。
 ウクライナ兵士と領土防衛隊などに結集する人民はいま、砲撃にさらされながらも、侵略軍を断固として迎え撃つべく、身を隠す山林の少ない平原地帯で果敢に戦いぬいている。
 ロシア侵略軍は、東部戦線で抗戦するウクライナ軍と人民を、北と東の親ロシア派支配地域および南のマリウポリの三方から包囲し挟撃しようとしている。だが、マリウポリにおいては、港湾部の広大なアゾフスターリ製鉄所敷地内の地下深く張りめぐらされた核シェルターに、いまなお数多くのウクライナ軍・アゾフ連隊の兵士と人民が踏みとどまり、ロシア侵略軍にたいする不屈の抵抗戦を戦っている。彼らは、マリウポリに侵攻したロシア軍部隊をみずからに引きつけ東部戦線への北上を阻むために、いまこのときも身体を張り命を賭して戦っているのだ。
 日本の地においてたたかうわれわれは、決死の戦いをくりひろげるウクライナ人民と固く連帯しつつ、4・24労学統一行動の切り拓いた地平をふまえ、ウクライナ反戦闘争のいっそう巨大な爆発をかちとるためにいまこそ全力をあげて奮闘しようではないか!

プーチンのドンバス制圧・人民大虐殺を許すな!

 アゾフスターリ製鉄所敷地内の巨大な地下シェルターに立てこもる数千のウクライナ軍・アゾフ連隊の兵士と人民は、製鉄所を包囲したロシア軍によって食糧と水の補給を断たれながらも、侵略軍の「降伏勧告」を敢然と拒否して戦いつづけている。
 まさにそれゆえに、五月九日の「対独戦勝記念日」までに何としても戦果≠あげなければならないという焦りに駆られたプーチンは、四月二十一日にロシア国営テレビのカメラの前で、国防相ショイグとともに「マリウポリでの軍事作戦は成功した」と強引に宣言し、マリウポリをロシア軍が完全制圧し勝利したかのように言いくるめる演出をおこなった。
 その場においてこの男は、地下シェルターへの突入作戦の「中止」を命令したうえで、「蠅一匹抜け出る隙間もなく封鎖しろ」とショイグに命じた。製鉄所内に立てこもる兵士と人民を皆殺しにするために、水と食糧の補給を完全に断って全員餓死させろ、と命じたのだ。そして空からは地下貫通爆弾を使った凶悪な爆撃を継続しているのだ。この殺人鬼プーチンの暴虐を断じて許すな!
 いまプーチンとその軍隊は、ウクライナ東部の全面的な軍事制圧と東部二州のロシア併合、さらにはモルドバ内親ロシア派の沿ドニエストル地域につらなる港湾都市オデッサを含むウクライナ南部一帯の制圧を新たな目標にすえなおして、東部戦線での攻撃を開始している。
 キエフ攻略戦の惨敗にひきつづいて、ロシア海軍の象徴である黒海艦隊の旗艦「モスクワ」までもがウクライナ軍のミサイル攻撃をくらって海の藻屑と化した。――この予想さえしなかった敗北にプーチンはいきり立ち、いま東部戦線において戦果≠あげることに血眼になっているのだ。
 ロシア侵略軍が開始したこの攻撃にたいして、ウクライナ軍と領土防衛隊・自警団組織に結集する兵士・人民は、東部戦線の広大な耕作地帯に塹壕の網の目を張りめぐらせ、侵略軍の砲撃をかわすために変幻自在に位置を変えつつ、携行式の対戦車ミサイルや対空ミサイルで決死の反撃にうってでている。国境近くの丘陵地帯へとゲリラ的に小部隊を送りこみ、ロシア軍部隊の延びきった補給線(鉄道や道路)を背後から襲撃して断ち切る戦いをも敢行しながら。
 こうした果敢な戦いの奏功のゆえに、東部戦線のロシア侵略軍は本格的な戦闘をはじめる前からキエフ侵攻の時と同様の物資補給の停滞にみまわれ、日に日に進軍の速度を鈍らせている。強制的に前線へと動員され、負傷しても治療も受けられない前線のロシア兵たちのあいだには、すでに厭戦気分が蔓延している。
 しかもロシア軍部隊は、上官からの命令をただ上から下へと貫徹し、命令どおりに動くことだけを最重視した旧ソ連スターリニスト軍の指揮命令方式をそのままにひきついでいる。このゆえにロシア軍は、現場の状況に対応して自在に戦闘をくりひろげるウクライナ軍や領土防衛隊の戦いに対応不能となり、あいついで撃退されているのだ。
 いまウクライナの兵士と人民は、この東部戦線における総力戦に勝利することが、必ずやロシア侵略軍をウクライナから叩きだす決定的な戦いになることを確信し、いやがうえにも闘志を湧きたたせて反撃にうってでているのだ。
 スターリンによる農業強制集団化の強行いらい、文字どおり地獄の歴史をくぐりぬけ生きぬいてきたウクライナ人民は、親から子へ・子から孫へと受け継がれ身体に刻みこんできたこのスターリン・ロシアへの憤怒を、いま殺人鬼プーチンに重ね合わせて赤あかと燃えたたせている。この憤激をバネに彼らは、「独立ウクライナ」をプーチンの侵略軍から何としても守りぬくために決死の覚悟で戦いぬいているのだ。いまこそプーチン侵略軍をウクライナ全土から叩きだせ!
 われわれは、命を賭して侵略軍と戦うウクライナ人民と固く連帯し、日本の地においてプーチンの軍事侵略を打ち砕くウクライナ反戦闘争をおしすすめようではないか! そしてこの闘いを全世界へ波及させるために全力をあげて奮闘しよう!

第三次世界大戦勃発の危機を突き破れ!

 
 ロシア大使館へのデモ出発へシュプレヒコール
(4月24日、東京・芝公園)
 プーチンのウクライナ侵略にたいして、アメリカ帝国主義のバイデン政権は、これをロシアのみならず中国にたいする米・欧・日帝国主義諸国の国際的な政治的・軍事的・経済的の包囲網を強化するための絶好の契機たらしめようとしている。
 G7諸国およびポーランド、ルーマニア、EU、NATOが参加したオンライン首脳会談(四月十九日)においてバイデンは、ウクライナにたいする経済・軍事支援とともに対露経済制裁の追加措置をとることを確認した。同時にバルト三国とポーランドへのNATO軍のいっそうの増配備を、仏独をはじめとする欧州諸国に費用を負担させ・欧州諸国軍を動員するかたちでおしすすめている。
 プーチンによって強行されているウクライナ侵略戦争をば、「専制主義にたいする民主主義の戦い」の旗手としてみずからを喧伝する好機ととらえ最大限に利用しているのがバイデンなのだ。それゆえにこそこの政権は、ことあるごとに――自国のアフガン・イラクにおける人民大殺戮には頬被りしながら――「戦争犯罪人」だの「人殺し」だのとプーチンを非難してみせているのである。
 それだけではない。アフガニスタンからの惨めな米軍撤退、インフレの昂進などによって政権支持率の低落にみまわれているバイデンは、みずからの窮地を脱するためにウクライナ問題を利用している。ロシアのウクライナ侵攻を契機として、アメリカ軍需産業やエネルギー産業を中心にいわゆる「ウクライナ特需」がうみだされている。こうした事態を、今秋の中間選挙や再来年の大統領選挙戦における民主党の勝利をもぎとるための格好の材料≠ニみなして利用しているのがバイデンなのだ。
 いまや、世界最大の軍需独占体であるロッキード・マーチン社やレイセオン・テクノロジーズ社の株価は、ともに年初以来二七%もの上昇を記録している。これら「死の商人」どもは、まさにハゲタカのごとく「戦争景気」を歓迎しているのだ。
 エネルギーの四五%をロシア産天然ガスに依存する現状から脱却することを迫られたEU欧州委員会は、二〇三〇年までにアメリカから液化天然ガスの大幅追加供給を受けることをアメリカ政府とのあいだで合意した。これによって、エクソン・モービルなどのエネルギー業界の独占ブルジョアどもも「好景気」に沸きたっている。
 しかも、ありとあらゆる商品を投機対象とみなしているヘッジファンドが、国際先物市場に資金を投じみずからの利殖に血道をあげている。生活必需品価格の高騰をもたらし労働者・人民を生活困窮に叩きこむ帝国主義ブルジョアジーとその政府を怒りを込めて弾劾せよ!
 「自由と民主主義・法の支配」なるものを旗印として米・欧・日の対露包囲網を構築・強化するとともに、ウクライナへの支援を強化しているバイデン政権およびNATO同盟諸国権力者にたいして、プーチン政権は、「破滅的な結果を招くことになる」と核兵器の使用をも辞さないという恫喝に踏みだしている。
 プーチン政権は、NATOへの加盟の意志を鮮明にしたフィンランドとスウェーデンの政府にたいして、即座に複数の核搭載戦略爆撃機をバルト海のフィンランド領空に侵入させ露骨な核威嚇にうってでた。それのみならず、十〜十六個もの各個誘導核弾頭を極超音速でミサイル防衛をかいくぐって突入させる能力をもつ、新型のICBM「サルマト」の発射実験を強行した。戦争狂プーチンは、習近平中国との同盟的結託を基礎として、いまや傲然と対米の核恫喝をふりかざしながら、ウクライナ軍事侵略を強行しているのである。

<プーチンの戦争>を支援する習近平中国

 このプーチンの戦争を、いまや政治的にも経済的にも公然と支えているのが中国の習近平政権にほかならない。この政権は、「世界平和を壊す冷戦思考のもちこみ反対」を錦の御旗として、米・欧・日の対ロシア経済制裁に公然と反対しているだけではない。国連やG20などの国際機構・会議からロシアを排除しようとする米欧帝国主義の画策を打ち砕くために、BRICSやASEANやアラブ湾岸諸国などの権力者を抱きこむ外交を猛然とくりひろげてもいる。
 さらに、「NATO東方拡大反対」をプーチンとともに叫びたてつつ、アメリカ・バイデン政権が日米軍事同盟とAUKUSを中軸に形成しようとしてきたアジア版NATOに反対する機運を、ASEANなどの途上諸国のあいだにつくりだそうとしているのである。
 習近平政権は、「中国はロシアにたいする軍事的支援を控えよ」と迫るバイデン政権にたいして、――中国が制裁を受けるような露骨な対露武器援助は回避しながらも――「中露貿易でアメリカの指図は受けない」と傲然とはねつけている。対露制裁でロシアが欧州に輸出できなくなった物資は「中国やインドに振り替えられていく」とか、SWIFTからロシアを排除しても「人民元とルーブル決済が確実に拡大するだけだ」とかとうそぶいているほどなのだ。このように対露経済制裁に、公然と風穴を開けているのが習近平の中国なのである。
 それだけではない。同時に習近平の中国は軍事的には、南シナ海のスカボロー礁やスービ礁などを埋め立て、この人工島に軍事拠点を構築し、米軍や周辺諸国にたいする威嚇的軍事行動を強化している。そしてソロモン諸島と新たに安保協力協定を締結して、南太平洋地域においても米英豪の軍事同盟であるAUKUSに対抗するための拠点を次々に確保しつつあるのだ。
 こうしていまやロシアのウクライナ侵略を決定的な契機として、東アジアにおいても、アメリカおよびその同盟諸国と中国・ロシアとの戦争勃発の危機がいやましに高まっているといわなければならない。ひとたび火がつけば熱核戦争=第三次世界大戦に転化しかねない危機が日々迫っているのだ。
 いまこそわれわれは、ロシアのウクライナ軍事侵略に反対するとともに、<新東西冷戦>下の米―中・露の核戦力強化競争に反対する反戦闘争を日本の地において断固としておしすすめようではないか!

反改憲・日米グローバル同盟粉砕の闘いに起て!

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大リストラと一体の「ジョブ型雇用」の導入

経団連『二〇二二年版経労委報告』の批判

 二〇二二春闘において自動車・電機などの大企業の諸労組指導部は、「デジタル化」や「脱炭素化」に向けた事業構造転換をめぐる経営者との労使協議にうつつをぬかし、賃上げ闘争を破壊した。「企業の持続的発展に協力する」と称してあらかじめ超低額に抑えた「賃上げ」なるものをアリバイ的に求めた各単組の労働貴族にたいして、多くの大企業の経営陣は「満額」で答えた。独占資本家と労働貴族のあいだで演じられた、こうした労働者を愚弄する儀式によって、この二十年間で下がりつづけてきた労働者の賃金は、またしても――このかんの猛烈な物価高騰のなかで――実質的に切り下げられた。いわんや法定最低賃金ぎりぎりで働かされている多くは未組織のままの非正規雇用労働者たちは、労働貴族どもによって完全に見殺しにされたのである。
 いま独占資本家どもは、ポストコロナに向けて、「デジタル革命」(DX)や「脱炭素革命」(GX)に対応した産業構造・事業構造の大転換を一気に加速する、という企業戦略をこぞってうちだし、――「新しい資本主義の実現」を叫ぶ岸田自民党政権に後押しされつつ――その実現に突進している。これに全面的に協力することを誓っているのが各企業の労働貴族であり、彼らの指導のもとに、二二春闘は、DX・GXなどの事業転換のための組織再編=人員削減、「高度人材」の確保と能力開発、生産性向上の諸施策、「ジョブ型雇用の導入」などをめぐる労使協議へとすり替えられ収斂されたのである。
 いまや独占資本家どもは、企業内労働組合指導部を「労使運命共同体」思想で完全に洗脳し第二労務部≠スらしめたうえで、それを先兵にして、新たな大リストラ(企業組織体の再構築)と大量首切り、雇用形態・賃金支払い形態の改悪に突きすすんでいるのだ。
 この新たな攻撃をはね返すために、以下では、日本経団連の『二〇二二年版 経営労働政策特別委員会報告』で提示されている現段階の独占ブルジョアどもの労務政策について、その悪辣さを暴露していくことにする。

T 「DX・GX推進」のための大リストラ宣言

U 「ジョブ型雇用システム」の奨励


 「日本型雇用」の破砕

 「自社型雇用システム」なるもの

 解雇しやすい雇用形態の導入


(つづく)

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「中華民族再興」の野望をたぎらす習近平指導部

中国共産党六中全会「歴史決議」

 プーチン政権によるウクライナ軍事侵略から二ヵ月、中国・習近平政権は、米欧主導の対ロシア制裁措置にたいして「反対」を唱えるのみならず、ロシアが国連安全保障理事会に提出した決議案――ウクライナ東部地域における「人道的危機」を防止するという、侵略軍みずからが鉄面皮にも提出した決議案――にたいして賛成票を投じた(三月二十三日)。ロシア軍がウクライナ人民にたいする無差別殺戮に狂奔している事態を承知のうえで、プーチン政権への援護射撃をおこなっているのが習近平政権にほかならない。
 この習近平の中国共産党は、党創立一〇〇年にあたる昨二〇二一年に、「一〇〇年の重要成果と歴史的経験にかんする決議」を採択した(十一月の六中全会)。この「歴史決議」において習近平指導部は、「第二の奮闘一〇〇年」と呼ぶ「建国一〇〇年」(二〇四九年)までに「祖国完全統一=台湾併呑」をはたし、「中華民族の偉大な復興」をなしとげ政治・経済・軍事の全部面においてアメリカを追い越し世界一の「社会主義現代化強国」にのしあがる、という世界戦略を謳いあげた。そしてこの世界戦略を実現する「新時代」をきりひらくのは、習近平を「核心」とする中共であるなどと強弁したのである。
 こうしたネオ・スターリニスト権力者どもがうちだした第三の「歴史決議」は、現在直下、習近平・中国が逢着している国際的国内的危機を強行突破するために、党官僚専制支配体制をいっそう強化することの宣言にほかならない。
 習近平らネオ・スターリン主義党官僚どもによる勤労人民にたいする強権的支配と貧困の強制を許すな! いまこそ、中国人民はたちあがれ!

T 「習近平の新時代」なるものの権威づけ

 (1)「一〇〇年の重要成果と歴史的経験にかんする決議」と題する習近平版歴史決議において、北京官僚どもは、決議の大半を「習近平の新時代」(習が総書記に就任した二〇一二年の十八全大会以降)に費やしている。そして、この「新時代の中国の特色ある社会主義」の任務を実現し「中華民族の偉大な復興」をはかることが党の歴史的使命であると宣揚している。
 過去の二つの歴史決議(毛沢東による一九四五年決議とケ小平による一九八一年決議)は、たとえば第二の決議ではプロレタリア文化大革命を発動した後期毛沢東の路線を否定したように、それまでの路線を否定しみずからの路線を正当化するために党史を書きかえるというものであった。これらとは異なって、新歴史決議の眼目は、党一〇〇年の歴史の総括≠ニいう装いをとって現在の習近平の内外総路線を正統・正当なものとしておしだすことにある。「新時代の軍隊強化」や「国家の安全保障の確立」、「一国二制度堅持」と称しての「愛国者による香港統治」と「台湾問題解決」、また外交分野での「人類運命共同体構築の促進」などの十三項目を列挙している。
 (2)習近平指導部は、一〇〇年にわたる中国共産党史を「中華民族の復興の歴史」として描きだしている。そもそも中共は、創立の時からずっと「中華民族の偉大な復興」を使命としていたと断じ、その歴史を、民族復興のための任務を遂行してきた過程とするわけである。
 すなわち、(@)党創立から新民主主義革命の時期、これは、中華民族復興実現の基礎になる社会的条件の創出を任務にした。
 (A)社会主義革命・社会主義建設の時期、その任務は民族復興のための政治的・制度的基盤づくりであった(文化大革命の時代は飛びこえる)。
 (B)改革開放・社会主義現代化の時期、民族復興のための急速な経済成長がその任務である。
 (C)今や偉大な復興に向かって前進する新時代だ、というように。
 こうした四段階の時期区分は、一九五八年の「大躍進」から「文化大革命」にいたる後期毛沢東の路線と実践を全否定し、劉少奇・ケ小平主導の八全大会(一九五六年)に直結するかたちで一九七〇年代末からの「改革開放・社会主義現代化」路線を位置づけ正当化したケ小平の党史(第二の歴史決議)を踏襲するものだ。このケ小平式党史を習近平は、もっぱら「中華民族復興」のための過程として描きだすことに重点を置き、その頂点に、習近平自身の名を冠した「新時代」=「中華民族復興の最盛期」を位置づけたのである。
 (3)習近平は、一〇〇年の「党の経験」を総括するかたちで十項目の「堅持」すべき教訓≠あげている。「中国共産党がなければ新中国はなく、中華民族の偉大な復興もなかった」、「中国共産党の指導を堅持する」ことこそが、教訓≠フ核心である、とくりかえし強調している。六中全会において演説に立った習近平は、「中華民族の復興」という党の歴史的使命の実現は、これに敵対する勢力と闘争し、闘争に依拠して勝ちとるのだ、と「闘争」=「全党全軍の敢闘精神の発揮」を連呼したのであった。

以下 見出し

U 北京官僚の専制支配を揺るがす<内憂外患>

V 官僚専制体制強化の宣言

W 「中国の特色ある社会主義」の反労働者性


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4・17「 とめよう! 戦争への道」集会  大阪
四月十七日「とめよう!戦争への道 めざそう!アジアの平和 2022春 関西のつどい」が、開催された。わが同盟の情宣隊は、「ウクライナ反戦・反改憲・反安保の闘いに起て!」と赤刷りした関西地方委員会のビラを、参加者にくまなく配布した。そして全学連関西共闘の学生は、「ウクライナ人民のレジスタンスと連帯し、プーチンの戦争を粉砕せよ!」と呼びかけ、終始戦闘的に闘いを牽引した。
全学連の学生が熱烈にシュプレヒコール
(4月17日、大阪市)
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