第2722号(2022年6月13日)の内容

<1面>
ロシア軍のセベロドネツク総攻撃を許すな!
 ウクライナ反戦の闘いに起て!
<4面>
「ネオナチとの戦い」――プーチンのデマゴギー
 スターリン式の民族主義者攻撃
<2面>
ウクライナの大動脈≠守る鉄道労働者
■プーチンの「ホロドモール」
<3面>
日米首脳会談粉砕!
 5・23 米総領事館抗議闘争に起つ
 沖縄札幌
5・19 鹿大生 侵略抗議集会で奮闘
<5面>
トヨタ
 下請け労働者に犠牲を転嫁――労使協議の犯罪性
Topics 医療・介護分野のデジタル化に狂奔する岸田政権
<6面>
「戦場」の没リアリズム
 亀山郁夫の「ウクライナ侵攻」論
◎ウクライナ烈歌(2)
週間日誌は3面に掲載
 「解放」最新号




























  


ロシア軍のセベロドネツク総攻撃を許すな!

ウクライナ反戦の闘いに起て!

 ロシアのウクライナ軍事侵略開始から約一〇〇日。ロシア侵略軍にたいするウクライナ軍および労働者・人民の戦いは、いまや重大な局面を迎えている。
 東部ルガンスク州の軍事的制圧を狙って侵攻したロシア侵略軍にたいしてウクライナ軍と領土防衛隊は、この州の要衝セベロドネツク市を死守するために、いままさに壮絶な戦闘をくりひろげている。
 二月末の軍事侵攻開始いらい、ウクライナ軍の反撃によって敗北に敗北を重ねてきたプーチンの侵略軍は、攻撃目標をルガンスク一州だけに絞り、セベロドネツク市を廃墟と化す無差別攻撃をしかけてきた。一万数千人の住民の水も電気も食料も絶ち、彼らの住居とすべての建物を破壊しつくし数多の人民を虐殺してきた。だがいまやウクライナ軍は、この侵略軍にたいして猛然たる反攻にうってでているのである。
 われわれ反スターリン主義革命的左翼は、たたかうウクライナの労働者・人民に「プーチンの侵略軍の悪逆無道な攻撃を粉砕せよ」と革命的連帯の呼びかけを発する。そして日本の地において<プーチンの戦争>を打ち砕くウクライナ反戦闘争の火柱を断固として噴きあげるのでなければならない。
 ロシアのウクライナ侵略に乗じた米・日両権力者による日米軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化の攻撃を粉砕せよ。岸田ネオ・ファシスト政権による日本国軍の大増強と憲法改悪を阻止せよ。<反戦反安保・改憲阻止>の闘いをいまこそ労学両戦線から推進しよう。すべてのたたかう労働者・学生は、全国各地の6・19労学統一行動に勇躍決起せよ!

ルガンスク州の「制圧」に血道をあげるプーチン
 セベロドネツク攻撃に狂奔するロシア侵略軍は、親露派支配地域で急きょ徴集した予備役やチェチェンのカディロフ軍などのあらゆる部隊を動員し、五十年前に製造されたT62戦車などの旧式の兵器をかき集めて、この街とその周囲にたいして攻撃を集中している。ルガンスク州を制圧すると同時にウクライナ軍主力部隊に多大な打撃を与え、あわよくば隣のドネツク州全体にロシア軍を進出させる。――このような形勢逆転≠狙ったプーチンの命令のもとに侵略軍は、ウクライナ軍を包囲する陣形を構築しようとしている。
 だが、士気を阻喪し上意下達の命令に従うだけのロシア侵略軍は、ドンバスにおける渡河作戦においても市街戦においても、ウクライナ軍の勇猛果敢で臨機応変な反撃によって撃破され、死体の山を築いている。〔セベロドネツクの市街地に侵入した殺戮部隊カディロフ軍はウクライナ軍によって包囲され、撃破された。〕ルガンスク州を制圧するというプーチンの野望は、必ずや粉砕されるにちがいない。
 そもそもルガンスク州一州の占領に当面の軍事目標を絞らざるをえなかったこと自体が、ウクライナの労働者・人民と国軍の団結と反撃力を侮ったプーチンの二度にわたる軍事的大敗北、そののりきり策でしかない。首都キエフ占領・ゼレンスキー政権倒壊をねらった当初の作戦は、ウクライナ軍・領土防衛隊・地域住民一体となった反撃によって完全に粉砕された。東部ドンバス全域の占領を目標にした「軍事作戦の第二段階」なるものも、アゾフスターリ製鉄所に立てこもったアゾフ連隊や政府軍などの英雄的な戦いによって侵略軍一万人がマリウポリに釘付けにされたがゆえに、そしてドンバス平原に向けて北と東から進軍した戦車隊が補給線をウクライナ軍に寸断されて立ち往生させられたことによって、惨めな敗北を強制されたのだ。
 ロシア侵略軍は全兵力のうちの三分の一をウクライナ軍に撃破され、十二人の将軍が殺害された。約一四〇〇両以上の戦車、約四〇〇機の戦闘機とヘリコプターが粉砕された。ウクライナ軍・領土防衛隊・住民組織一体となった反撃がプーチンの野望を粉砕したのである。
 ウクライナの軍、労働者・人民がかくも団結して勇敢に反撃することなど、プーチンはまったく予想もしていなかったのだ。
 ウクライナの労働者・人民はいま、プーチンとスターリンとを重ねあわせ、スターリン・ロシアの歴史的大罪にたいする民族的怒りと憎しみを胸に刻んでたたかっている。このウクライナ人民の抑圧者ロシア≠ノたいする怒りの深さなど、およそプーチンには想像も理解もできないのである。
 スターリニスト秘密警察KGBの元将校として脅迫と拷問と暗殺とによって「敵」を屈服させることができると妄信し「大ロシア主義」の熱狂にとりつかれているプーチンとそのとりまきども。このスターリニストの末裔どもが強行した軍事侵攻は、ウクライナ労働者・人民が組織した領土防衛隊とこれに支えられたウクライナ軍の反撃によってことごとく粉砕されている。ロシア侵略軍は兵力をつぎこんでは失い、失ってはつぎこむという泥沼のごとき消耗戦にひきずりこまれているのである。
 プーチンと侵略軍司令部の命令のもとに食糧や燃料の補給もなくやみくもに突撃を強制されてきた下級兵士たちは、ウクライナ軍に打ちのめされ、「侵略者は出ていけ」というウクライナ人民の罵声を浴びせられて、いまや完全に戦意を喪失している。出撃命令を拒否する者、戦線逃亡する者、進んでウクライナ軍に投降する者が続出している。ロシア侵略軍は、いままさに崩壊寸前に叩きこまれているのである。

スターリン礼賛による侵略戦争の聖化
 侵略戦争の開始いらい、ロシア軍の戦死者・負傷者・投降者は、じつに三万人を超えている。プーチン政権は三月下旬に「死者一三五一人」と発表して以後、その数を完全に隠蔽している。だがこの惨状は、国営放送の大本営発表≠ェたれ流されているロシア国内にも徐々に知られつつある。息子や夫を捜す兵士の家族たちは澎湃と怒りの声をあげている。「兵士の母の会」は軍当局に「情報を明らかにせよ」と要求し、行方不明の兵士が捕虜になっていないかどうかをウクライナ政府に問い合わせているのだ。
 多くの若者が兵役を拒否して国外に脱出している。国外に逃れた人民はSNSなどをつうじて「反戦」を訴えている。国内に残る若者のなかには徴兵事務所にたいして火炎瓶を投げつける者もいる。
 政府・軍やプーチンを支えてきた勢力の内部からも反戦・反プーチンの声があがっている。外務省幹部職員がプーチンを非難して亡命し、ロシア軍の元大佐は国営放送のテレビ番組で公然と侵略戦争の敗勢を暴露して政府を批判した。そしてキエフ攻略戦に真っ先に投入されて大量の戦死者を出した極東部隊、その地元ウラジオストクの地方議会においては、戦争翼賛政党たるロシア連邦共産党の議員が「軍事作戦の即時停止を求める」プーチン非難声明を公然と発表したのだ。
 人民の反抗と体制内からの反発を抑えこむためにプーチン政権は、治安部隊による凶暴な弾圧にくわえてマスコミにたいする統制を強化している。それだけではない。労働組合などを牛耳るスターリニスト残党の諸党派――ロシア連邦共産党や共労党など――を動員して、労働者・人民を「戦争翼賛」運動に動員したり、「反戦・反プーチン」の声をおし潰したりしている。プーチンを弾劾した極東議会の二議員をロシア共産党指導部は即座に除名した。このスターリニスト党の残党こそが、ロシア正教会とともに<プーチンの戦争>の共犯者となっているのである。
 いまやプーチンは、ナチス・ドイツの侵略にたいする「大祖国戦争」の記憶を人民に呼び覚まさせ、スターリンは二千数百万人もの犠牲にも動じぬ鉄の意志をもった偉大な指導者だ≠ネどとスターリン礼賛を煽りたてている。
 戦争が長期化し戦死者の棺が次々に戻ってくるなかで反戦・厭戦気運が急速に拡がっている。これに焦慮を募らせたプーチンは、いまや偉大な指導者スターリン≠ネるものにみずからをなぞらえて、大統領に忠誠をつくすことを人民に強制しているのだ。
 プーチン政権はスターリンの銅像を各地に再建させている。五月九日の対独戦勝記念日には、ロシア共産党を先兵にしてスターリンのポスターを掲げさせた。そしてまた、正教会は「三民族一体の『ルースキーミール』(ロシアの世界)」の名においてプーチンのウクライナ領土強奪を正当化するとともに、「神」の名において指導者への絶対服従≠鼓吹しているのだ。プーチンはいま、スターリン礼賛とロシア正教の後光とによって、みずからの蛮行を聖化しているのである。
 戦うウクライナ人民を「ネオナチ」と烙印して虐殺し、焦土と化した占領地のウクライナ人民をシベリアや極東・サハリンなどに強制移住させ、占領地ではウクライナ語教育を禁止しているプーチン。まさにウクライナ国家と民族を抹殺し領土を強奪しようとしているスターリンの末裔にして「今ヒトラー」プーチンを絶対に許すな!

以下、見出し

国家エゴイズムをむきだしにする米欧諸国権力者

<ウクライナ反戦、反安保・反改憲>に起て!
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「ネオナチとの戦い」――プーチンのデマゴギー

 スターリン式の民族主義者絶滅攻撃

 プーチンのロシアによるウクライナ侵略戦争が開始されて三ヵ月。いまやロシア侵略軍は、怒りに燃えたつウクライナ軍と労働者人民の勇猛な反撃によって相次いで撃破され敗退させられている。
 ロシア軍の惨めな敗勢を突きつけられたプーチンはいま、この侵略戦争を、ナチスの侵略からソ連邦を防衛した「大祖国戦争」になぞらえ、「ウクライナをネオナチの支配から解放する」ためにロシアは戦っているのだ、などと喧伝している。
 みずからの蛮行を開き直り正当化するためにもちだした、この「ネオナチとの戦い」というスローガン。――これこそは、KGB的謀略を駆使して強権支配をうちたててきたプーチンのFSB的マキャベリズムとスターリンの末裔≠スるの本性を自己暴露するおぞましきデマゴギーにほかならない。

A ウクライナ民族抹殺≠フためのプロパガンダ

 プーチンはこの侵略戦争を開始するにあたって、「ウクライナ民族などという民族はない。ウクライナはロシアの一地域にすぎない」と「大ロシア皇帝」気どりで宣言した。それは、ウクライナという国家と民族をこの地球上から抹殺するというおのれの野望を公然と披瀝したという意味をもつ。そしてまさに「偉大なロシアを破壊するウクライナ民族主義は根絶すべし」という狂信的な大ロシア主義にもとづいて、この男はウクライナ人民にたいする大殺戮を強行してきたのだ。
 このナチスまがいの民族絶滅$争にロシア労働者人民を動員するためにこそプーチンは、ゼレンスキー政権・軍・戦う民衆を「ネオナチ」と烙印し、みずからの「軍事作戦」を「ネオナチとの戦い」ででもあるかのような大嘘をばらまいている。それはまた、政府の報道管制にもかかわらず、「特別軍事作戦」なるものの破綻がロシア国内で知れわたり、戦死者・負傷者の続出や兵員の「不足」がもはや隠しとおせなくなっているなかで、ロシア人民に「ナチスを打ち負かした栄光の大祖国戦争」の記憶を呼び起こさせ、もってこの汚い戦争への「支持」をつなぎとめるためのプロパガンダでもあるのだ。

 マリウポリへの残忍な報復

 プーチンが、「ネオナチ」の象徴とみなして絶滅≠フ対象にしているのは、とりわけ「反ロシア」で頑強に戦っているアゾフ連隊のような民族主義者たちである。
 アゾフ連隊は、もともとは、二〇一四年のロシアのクリミア占領・ドンバス侵攻にたいして、マリウポリなどの東南部地域で結成された地域民兵集団であった。当時ドネツク州に侵攻したロシア軍は、いったんはアゾフ海に面する人口四〇万強の工業港湾都市マリウポリを制圧した。だがこれに強力な反撃をおこなって、この街を奪還した主力部隊が、アゾフ大隊(当時)だったのだ。〔このアゾフ大隊は、ドンバス内戦を戦う過程において、ウクライナ内務省が統括する国家親衛隊――各地の地域民兵集団を中央政府の統轄下に入れて再編した部隊で、国軍・領土防衛隊に次ぐ「第三の軍隊」と呼ばれる――の一部として再組織化された。〕
 彼らの思想は、熱烈なウクライナ民族主義である。だがこの民族主義こそは、ほかならぬ大ロシア主義をふりかざしてウクライナ人民にたいする蛮行をくりかえしてきたプーチンその人がそれを強め育てた≠烽フにほかならない。
 このウクライナ民族主義への憎悪を募らせるプーチンは、「民族主義者の拠点」とみなしたマリウポリにたいして都市を丸ごと破壊する焦土作戦を強行したのだ。そしてアゾフスターリ製鉄所に立てこもるアゾフ連隊への復讐心をたぎらせて、「蠅一匹逃すな」と命じて皆殺し作戦にのりだした。同時にマリウポリ市民にたいしても、「ネオナチを育てた」とみなして無差別殺戮を強行させたのだ。
 占領した地域の住民にたいしては、一人ひとりの携帯電話を点検して選別し、ウクライナ軍への協力者とみなした者は拷問し処刑する。そして多くの住民をロシア国内の収容所に連行したうえで、シベリアなどの僻地に送って強制労働をさせている。
 これこそが、プーチンの言う「ネオナチとの戦い」なるもののおぞましい現実である。まさしくそれは、ウクライナという民族と国家を抹殺するために、侵略者と戦うウクライナの民族主義者・兵士・人民を、「ネオナチの絶滅」というデタラメな基礎づけ≠フもとに殺戮しつくす攻撃にほかならない。

以下、見出し

B 「バンデラ主義者」への憎悪

 「バンデラ主義」とは何か?

 スターリン主義の圧政にたいする民族主義的反逆

C スターリンの民族抹殺″を継承したプーチン
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下請け労働者に犠牲を転嫁――トヨタ労使協議の犯罪性

「すべての労働者のための話し合い」なるものの欺瞞
 トヨタ二二春闘は、集中回答日の一週間前(三月九日の第三回労使協議会)に、社長・豊田章男がトヨタ労組の賃金要求にたいして「満額回答」を正式に示すことをもって早ばやと幕を閉じたのであった。この異例の展開≠「賃上げの流れをつくるものだ」などとおしだすトヨタ労使の言辞とは裏腹に、トヨタ関連の中小企業ではたらく労働者たちは、トヨタの労使協議に学んだ経営者どもから徹底した賃金抑制と労働強化を強いられ苦闘しつづけているのだ。
 そもそも第一回の交渉(二月二十二日)の冒頭において「満額回答」する意向を示し、賃金要求をめぐる議論を封じたのが、トヨタ社長・豊田章男だ。この輩は翌日、「分配戦略」なるものを掲げる首相・岸田に会い、「満額回答」する意向を伝えて「自動車産業の仲間に良い風が吹けば」などとぬかし、「さらに(自動車産業・製造業のために)ご尽力をいただきたい」と要請したのであった。あたかもトヨタの取引先をはじめとする自動車産業で働く労働者の賃上げのために「満額回答」なるものをおこなったかのようにアピールした。しかし、実のところ産業支援策(電気自動車普及のための購入補助や充電設備設置補助などだ!)を政府に求めたのだ。
 しかもトヨタ経営陣は、今春の「労使協議会」において――「満額回答」するから賃金要求をめぐる論議は不要だとして――「トヨタは下請けいじめをしていないか、仕入れ先から搾取していないか」ということをめぐってもっぱら議論した、と称している。彼らは、米・欧・中の政府・諸企業がEV(電動)化を急速にすすめていることへの立ち遅れを挽回するために、蓄電池開発や充電設備の設置などのEV化関連事業を日本政府と日系企業・下請け企業の総力ですすめることに血道をあげている。こうした事業再編に下請け企業を協力させるためにトヨタ経営陣は、「自動車産業五五〇万人のために」ということをことさらにおしだし、もって下請け企業経営者において高まっているトヨタにたいする不満・反発を沈静化し抑えこもうとしているのだ。
 この一年半余り、コロナパンデミックによる海外生産の停止や半導体不足、東北地方の地震による停電、果ては主要下請け企業へのサイバー攻撃などのゆえに、トヨタの生産ラインはたびたび稼働が中断した。その度に部品メーカー・素材企業は生産ストップに追いこまれた。あるいは製造した部品は工場の隅に放置されたままにされた。逆に生産が再開されるや否や、トヨタはその度に挽回生産を下請け企業に強硬に要求した。しかし次から次へとトラブルが発生し挽回計画が破綻していく。下請け企業はその度に人を手配し原料を確保して生産しては在庫が膨れあがるという困難を強いられつづけている。経費ばかりが増え、在庫置き場にも窮してしまっているのだ。これらにともなう諸経費の負担を強いられる下請け企業の経営者たちからは――半年ごとに下請け単価の切り下げを強いられていることへの怒りとも相まって――「トヨタによる搾取ではないか」という不満が噴き出している。
 こうした状況をのりきるためにトヨタ経営陣は労働貴族とともに、賃金交渉そっちのけで、下請け企業への対応≠フ問題を労使協議会で話しあったのだ。トヨタ経営陣はトヨタ(社員)の他企業(社員)への対応≠ノついての「反省」を組合員に語らせ、これを経営者が賞賛するという茶番劇を労組指導部の協力をえておこなった。豊田章男は昨年来、章男イズム≠ニでもいうべき「YOUの視点」なるものを標榜し、全社員・組合員にむけて「つねに『誰かのために』を考えるべき」だとおしだし、みずからの同僚や取引先社員への接し方をふりかえるようにくりかえし説教してきた。下請け企業にたいする部品単価切り下げや新たな技術開発投資・設備投資などの要求をゴリ押しするみずからの経営施策をふりかえらずに、だ。このように傲慢な社長の説教を唯々諾々と受け入れて労組役員どもは、「(トヨタは)搾取はしていません、ともに難局をのりこえましょう」などと下請け企業の不満解消の宣伝に一役かってでたのだ。
 豊田章男は、このような今年の春の労使交渉を「従来の『労使協議』から抜け出し、全員参加の『経営会議』のようになってきた」などと絶賛した。これは、形骸化した春闘方式においてもなお形ばかり残っていた産別横並びの集中回答という形式を最後的に破壊しただけではなく、労使交渉も賃金や労働条件をめぐってではなく資本の生き残りをかけた「懸案」を徹底して議論し・もって組合員を洗脳する場につくりかえたことのトヨタ経営者どもの凱歌にほかならない。
 社長・豊田は、極めて尊大な態度で「自動車産業五五〇万人の仲間のうち、組合があるのは三割にすぎない」「声を出せない仲間の存在を念頭に置き、日本で働くすべての人たちのことまで考えて話しあうこと、そして行動すること」などと、くりかえし主張している。だがこれこそは、トヨタ資本の生き残りのために下請け企業やその下で働く労働者に犠牲を転嫁していくことをおし隠すための美辞麗句にすぎない。しかもそれは、下請け企業労働者との賃金・労働条件の「格差是正」を口実として、相対的に高いトヨタ労働者の賃金や労働条件を――一部の「優秀」とみなした技術労働者などを除いて――もはや改善しないことの宣言でもあるのだ。
 ところが、トヨタ労組指導部は、この経営陣につき従い、こうした労務政策の実現に協力することをみずからの役割と自認してトヨタ資本への忠誠を誓っているのだ。トヨタ労組の労働貴族は、資本の生産性向上・競争力の強化に献身するばかりか、下請け企業およびそこで働く労働者に犠牲を転嫁し資本の生き残りをはかるトヨタ資本の居直りの代弁者にまでなりさがったのだ。

以下、見出し

下請け企業における賃上げ闘争の前進を!

腐敗を深めるトヨタ労働貴族を弾劾せよ!
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 日米首脳会談粉砕!

5・23沖縄
「辺野古新基地建設阻止!」
県学連 全島要塞化に反撃
 五月二十三日、沖縄県学連のたたかう学生たちは、浦添市の在沖縄アメリカ総領事館前において日米首脳会談粉砕の闘いに決起した。たたかう学生たちはシュプレヒコールをあげる。「日米グローバル同盟粉砕! 反安保を放棄した日共中央をのりこえたたかうぞ! 基地撤去・安保破棄めざしてたたかうぞ!」県学連のたたかう学生たちは、全国のたたかう労働者・学生と固く連帯し、沖縄の地において日米首脳会談粉砕の闘いをたたかいぬいたのだ。
米総領事館に怒りのシュプレヒコール
(5月23日、浦添市)
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 5・23札幌
米総領事館に怒りの拳
道共闘・反戦が抗議闘争に起つ
 五月二十三日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会のたたかう労働者は、この日おこなわれようとしていた首相・岸田とアメリカ大統領バイデンによる日米首脳会談に反対して、在札幌アメリカ総領事館にたいする抗議闘争に決起した。札幌のたたかう労学は、「反安保」を放棄する既成反対運動をのりこえ、「日米グローバル同盟反対!」の旗幟鮮明に最後まで戦闘的にたたかいぬいたのだ。
「対中対露の日米グローバル同盟反対!」の声高く闘う北海道の労学
(5月23日、札幌市)
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「ウクライナ人民と連帯して闘おう!」
鹿大生の訴えに圧倒的共感
5・19 侵略抗議かごしま集会
 五月十九日、鹿児島市役所前のみなと大通り公園で「ロシアのウクライナ侵略に抗議する 5・19かごしま集会」が開催された(主催は「憲法壊すな・戦争法廃止! かごしまの会」)。鹿大生たちは、<反安保>を完全に放棄した日共系指導部の闘争歪曲を許さず、ウクライナ反戦、反改憲・反安保の大運動を巻きおこすべきことを訴え奮闘したのだ。
「ロシアのウクライナ侵略反対!」鹿大生が奮闘
(5月19日、鹿児島市)
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