第2727号(2022年7月18日)の内容

<1面>
憲法大改悪を阻止せよ!
改憲翼賛体制にのみこまれた既成指導部を弾劾し闘おう!
<3面>
太平洋島嶼国をめぐる米日―中の激突
<2面>
弾道ミサイル・核兵器開発に突進する金正恩政権
<4面>
労働の現場から
日雇い派遣労働者は使い捨てのネジ≠セ
Topics 「解雇の金銭解決制度」の導入を許すな!
<5面>
<歴史>を内在化しているウクライナ民衆の反撃
◆民衆の心にしみついたスターリンへの怨念―映画『赤い闇』を観て
◆中国で深刻化する学生の就職難
<6面>
黒田さんの組織と主体性≠フ探求に学ぶ
 「解放」最新号























  


憲法大改悪を阻止せよ!

 改憲翼賛体制にのみこまれた既成指導部を弾劾し闘おう!

 七月十日投開票の参議院議員選挙において、「憲法改正」を呼号する自民、公明、維新、国民が、全改選議席一二五のうちの九十三の議席を制した。衆参両院における三分の二以上の議席を改憲勢力が手中にした今、岸田政権・自民党は、この秋の国会に自民党改憲案を提出すると公言している。憲法審査会において「全国民的な憲法論議」なるものを演出し、もって今年中に改憲案の国会発議へと一気に突進することを企んでいるのだ。
 すべての労働者・学生・人民諸君! わが同盟とともに、ただちに全国・全戦線において憲法改悪阻止の闘いを断固としてまきおこそうではないか!
 岸田自民党は、投票日の二日前に発生した元首相・安倍にたいする銃撃事件を利用して、「暴力から民主主義と言論を守れ」の大合唱を組織し、これに日共を含む全野党が唱和した。愚かにも政府・自民党にたいする批判をみずから封印し・抑制したのが全野党であり、とりわけ日共委員長・志位であった。
 この選挙戦のはじめから、自民党や維新のネオ・ファシストが「ウクライナ問題の教訓」と称して投げつけてきた「憲法第九条では国は守れない」という非難にたいして、日共・志位指導部は日本防衛のために「自衛隊を活用する」のが「わが党の政策」だ、という弁明にあけくれたのだ。反改憲闘争の組織化を完全に放棄したうえに「保守層」の票ほしさに政策をヨリ右翼的に変質させた彼らは、そうすることによって岸田政権の改憲策動や軍事費倍増の攻撃に憤激する労働者・人民からも見放されて惨敗を喫したのである。
 自民党の勝利にあからさまに手を貸したのが「連合」芳野指導部だ。彼らは一人区における「野党共闘」を立民・泉執行部に拒否させただけでなく、特定の選挙区においては右派労働貴族が牛耳る労組が自民党候補を応援することを公然と尻押ししたのだ。
 こうした日共や「連合」指導部の度し難い腐敗のゆえに、労働者・人民は、みずからの頭上に極反動攻撃をふりおろそうとしている自民党やその別働隊たる維新などのネオ・ファシストどもに、国政選挙における勝利を与えてしまったのである。
 参院選を制した岸田は、――「安倍」という重しがとれた喜びを沈痛≠ネ面持ちでおしかくしながら――「元首相の遺志を受け継いで憲法改正にとりくむ」などと言いはなった。みずからの手で・みずからのやり方で改憲をなしとげると傲然と宣言したのである。
 すべての労働者・学生諸君! 憲法改悪の一大攻撃を打ち砕くために、いまこそ総決起せよ!「憲法第九条は『個別的自衛権』を認めている」などとうそぶいて改憲阻止闘争を内部から破壊している日共指導部を断固として弾劾せよ! 心ある日共党員は、いまこそ転向スターリニスト党と決別し、わが革命的左翼とともに反改憲・反戦反安保の闘いに起ちあがれ!
 岸田自民党の勝利に公然と手を貸した「連合」芳野指導部を弾劾せよ!「連合」労働貴族・ダラ幹の闘争抑圧・歪曲に抗して、労働戦線から反改憲の闘いをつくりだそう!
 すべての労働者・学生・人民諸君! 職場・学園そしてあらゆる戦線において反改憲・反戦反安保の闘いを組織せよ! 憲法改悪阻止闘争の大高揚をかちとれ! わが同盟はこの闘いの先頭に立つ。
(七月十一日)

日米軍事同盟強化と軍事強国化を許すな!

 ロシア・プーチン政権のウクライナ軍事侵略とそれによって一挙に熾烈化した米―中・露の激突。このもとで現代世界はいま、大戦勃発の危機に突入している。
 ウクライナ民族と国家を抹殺し「大ロシア」に組みこむことを狙ったこのプーチンの蛮行を眼前にして、日本の岸田政権は、「ウクライナは対岸の火事ではない」と叫びたて、アメリカ帝国主義のバイデンと結託して対中・対露の軍事包囲網の構築にむけて猛突進している。
 五月の日米首脳会談において「同盟の抑止力と対処力の強化」をバイデンとともにうたいあげた岸田は、この日米合意≠ノもとづいて対中国戦争をアメリカの属国軍として遂行しうる部隊へと自衛隊を飛躍的に強化しようとしている。そのためにこそ、アメリカ、中国に次ぐ世界第三位となる「GDP比二%」への防衛予算の大増額と敵基地先制攻撃体制の構築に突っ走っているのだ。日本の軍事強国への飛躍をたくらみ史上空前の軍備増強に突進する岸田自民党政権の極反動攻撃を断じて許すな!
 いま東アジアにおいては、習近平の中国が「台湾の完全統一」を叫びたて、南シナ海の岩礁に建設した軍事基地を拠点として、南シナ海や太平洋の沖縄近海で、陸海空軍部隊による威嚇的軍事行動を一挙にエスカレートしている。そしてロシアもまた、対露経済制裁に踏みきった日本を「非友好国」=敵対国と烙印し、爆撃機や偵察機を日本の周辺に進入させたり、海軍艦隊に日本列島を周回させたり、巡航ミサイルの発射訓練をおこなうなどの、軍事的恫喝を強めている。
 これら中国とロシアに加えて、ICBMの発射実験や核開発を進める北朝鮮と最前線で対峙しているのが日本の岸田政権である。この政権は、「インド太平洋におけるいかなる力による現状変更も許さない」と叫びながら、中国軍の台湾侵攻に備えて沖縄をはじめとする南西諸島にミサイル部隊を配備し、対中国の前線基地として強化している。さらに、在日米軍司令部の指揮下で米軍と一体となって対中軍事作戦を遂行しうる部隊として日本国軍の戦闘能力を飛躍的に向上させるために狂奔しているのだ。そのために、日米共同で陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波の全領域(マルチドメイン)にまたがっての各種の軍事作戦計画を練りあげ、これにもとづく軍事演習を、全国的規模で連続的に強行している。
 そして岸田政権は、バイデン政権の「日本の負担拡大」要求に応えて、沖縄の辺野古に極東最大級の米海兵隊の新基地を建設し、台湾および尖閣諸島の併呑を策して軍事的攻勢を強める中国を抑えこむための軍事体制を強化することに血眼となっているのだ。
 アメリカのバイデン政権は、米日韓の三角軍事同盟と米豪軍事同盟、および米英豪の核軍事同盟AUKUSを結びつけ、「アジア太平洋版NATO」というべき対中・対露(・対北朝鮮)のグローバルな軍事包囲網を構築しようとしている。こうしたアジア太平洋地域における多国間軍事同盟を、欧州のNATOと連携するかたちで形成し、もって文字どおり全球的な対中・対露の包囲網を構築することに血道をあげているのだ。
 このためにバイデンは、六月にスペインで開催されたNATO首脳会議において欧州の権力者との合意のもとに、新たなNATO「戦略概念」を採択した。そこにおいて、これまで「戦略的パートナー国」としてきたロシアを「最も重要かつ直接的な脅威」と烙印した。アメリカ帝国主義のバイデン政権としては、あくまでも中国を封じこめることを第一義的課題にすえている(三月の「国家防衛戦略」)。このゆえにバイデンは、中国の策動を「われわれの利益、安全保障や価値観に挑戦するもの」と名指ししたのである。
 ロシアのウクライナ軍事侵略は、ユーラシア大陸の東側でも激震を引き起こしている。反米連合を形成した中・露が、欧州と東アジアにおいて対米攻勢にうってでている。東西二正面で対峙することを迫られているバイデンは、それゆえに、「自由で開かれたインド太平洋地域の実現」の旗を掲げみずから東アジアのリーダー≠テらをしている日本の首相・岸田を、韓国大統領・尹錫悦およびオーストラリアやニュージーランドの権力者とともにNATOの首脳会議に出席させ、東アジアにおける対中・対露の軍事包囲網においてアメリカとともに主導的役割を日本が果たすことを宣明させたのだ。
 バイデンの要求に応えて岸田は、日本、韓国にオーストラリア、ニュージーランドを加えたアジア太平洋四ヵ国(AP4)の首脳会議を開催し、太平洋の島嶼国に触手を伸ばす習近平中国の策動を阻止するために連携することを四ヵ国のあいだで確認した。そして、アメリカとともに戦争をやれる′R事強国への飛躍をかけて、防衛費の大増額と、敵基地先制攻撃体制の構築を核心とする日本国軍の一大増強に狂奔している。
 そのためにこそ岸田自民党政権は、憲法第九条に謳われる「交戦権の否認」「戦力不保持」の破棄と自衛隊の国軍としての明記、そして国家の非常時には議会を経ずとも政令を発して権力を行使できる非常大権を首相に付与する緊急事態条項の新設――これを核心とする憲法の大改悪をなしとげようとしているのだ。ロシアのウクライナ侵略を絶好の口実とし「憲法第九条で日本が守れるのか」などと叫びたてながら。
 われわれは、岸田政権の憲法大改悪の攻撃を断固として打ち砕くと同時に、日米軍事同盟のグローバル同盟としての強化に反対する反戦反安保の闘いをおしすすめなければならない。

ロシアのウクライナ侵略を打ち砕け!

 ロシア権力者プーチンは、ウクライナにたいする残虐極まりない侵略戦争を強行している。住宅や民間施設・商業施設などに無差別にミサイルや砲弾を撃ちこみ、数多のウクライナ人民を殺戮している。七月九日にドネツク州北部の五階建て集合住宅にたいして、そしてハリコフのショッピングセンターや南部クリボイログ、ミコライウ、オデッサの住宅・インフラなどにたいしてミサイル攻撃を強行し、数十人の住民の命を奪いさった。このプーチンの狂気の蛮行を絶対に許すな!
 ウクライナ東部のドンバス地方全域の制圧を策すプーチンの侵略軍は、ドネツク州の主要都市クラマトルスクやスラビャンスク、そしてウクライナ軍が拠点を構えているバフムートなどに無差別的な砲爆撃を連日加えている。労働者人民の生活の場である民間施設を意図的に標的にした嵐のような猛爆撃こそは、<プーチンの戦争>の残虐性を象徴するものにほかならない。
 このロシア軍の物量にものをいわせた重火器による攻撃にも屈せずロシア軍の侵攻を阻止しているのが、ウクライナ軍および領土防衛隊・住民組織に結集している労働者人民なのである。南部ではウクライナ軍はロシア軍の弾薬庫をロケット砲で攻撃し破壊するなど、占領された地域の奪還のために占領軍に反撃している。ロシア軍が占領したと宣言している地域の内部では、住民が結束してパルチザン戦を果敢に展開し、「ロシア化」へのレジスタンスで侵略軍や親露派武装勢力による支配を打ち砕くために戦っている。
 不屈に戦うウクライナの労働者人民と連帯し、日本の地でわれわれは、スターリンの末裔たるプーチンのウクライナ侵略戦争を打ち砕く反戦の闘いをさらに強化しよう。全世界の労働者人民の団結の力で<プーチンの戦争>を打ち砕くためにたたかおう!

以下 見出し

諸物価つり上げ反対!
社会保障切り捨てを許すな


ネオ・ファシズム憲法への改悪を粉砕せよ!

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太平洋島嶼国をめぐる米日―中の激突

「青い太平洋のパートナー」設立
 中国軍の拠点構築阻止に狂奔するバイデン政権

「太平洋島嶼国は運命共同体」!?
 「第三列島線」への進出を企む習近平中国

「島国の仲間」と称しパラオ・フィジーを取り込む岸田

米日―中の熾烈な海底ケーブル攻防戦

 デジタルデータ窃取のための水面下≠フ戦い
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