第2738号(2022年10月3日)の内容

<1面>
プーチンの「動員令」「住民投票」強行を許すな!
 
ロシア人民は<プーチン政権打倒>に起て

「安倍国葬」の強行弾劾!

 岸田政権打倒をめざして闘おう!
<3面>
「安倍国葬」反対の声轟く
 13000人民の先頭で労学が奮闘 9・19 東京
9・19「国葬反対」名古屋集会
<5面>
ロシアで燃え広がる「反プーチン」の炎
全世界人民を食糧危機に叩きこんだ侵略者プーチン
<4面>
Topics 物価上昇分の賃上げ要求さえ否定するJCM労働貴族
印刷産業防衛のための労働運動≠のりこえ闘おう!
 全印総連22年度運動方針批判
<2面>
全学連第92回大会 9・13〜14
 改憲・大軍拡阻止、ウクライナ反戦を闘う闘争体制を確立
<6面>
「スタンド・オフ防衛能力」
AUKUSが極超音速兵器開発
■『新世紀』最新号(第321号)紹介
 「解放」最新号





























  


プーチンの「動員令」「住民

投票」強行を許すな!


ロシア人民は<プーチン政権打倒>に起て

断末魔のプーチンによる人民強制動員を打ち砕け

 
 ロシア大使館の正面で「動員令」「住民投票」を強行したプーチン
に怒りの拳を叩きつける全学連(9月26日、東京・港区)
 九月二十一日にプーチンは、ロシアの労働者・人民にたいする「部分的な予備役動員」を発令するとともに、ウクライナ東部・南部の四州をロシアに編入する「住民投票」を開始するとぶちあげた。そして「編入決定」以後にこの四州のロシア占領地域をウクライナ側が攻撃するならば、核を含む「あらゆる手段を行使」するとあからさまに威嚇したのである。
 この悪らつきわまる決定こそは、ウクライナ軍と領土防衛隊・パルチザン人民の反転攻勢によって窮地に追いつめられた戦争狂プーチンの、まさに断末魔の悪あがき以外の何ものでもない。この「予備役動員」という名の無差別動員を弾劾して、いまロシア全土から労働者・人民の「戦争反対」の怒りのデモが続々と巻き起こり日々拡大しつつある。ここにプーチンは、みずから墓穴を掘ったのである!
 九月初旬からのウクライナ軍による東部ハルキウ州での電撃的な反攻作戦の敢行により、東部戦線のロシア軍は壊滅的な敗北に叩きこまれた。侵略軍は、もはやウクライナ東部から南部にいたる一三〇〇`bもの長大な前線を維持できない惨状をさらけだしている。投入した一五万の当初兵力のうち五万人が戦死し、侵略初期に投入した少なからぬ部隊がすでに壊滅している。残存部隊は極度の士気の低下と兵器・物資の不足にあえいでいるのだ。
 このゆえにプーチンは、東部と南部で後退に次ぐ後退を強いられている前線をもちこたえるために、ロシア労働者・人民の反発を恐れながらも、第二次大戦後初の強制動員にふみださないわけにはいかなくなったのだ。ロシア人民をウクライナ侵略戦争にかり出す強制動員を断じて許すな!
 プーチンは、「予備役の部分的な動員」という名分をひねりだし、動員規模を「三〇万人」(国防相ショイグ)と偽って極力小さく見せかけようと苦心惨憺している。だがじっさいにはこの動員は、「一〇〇万人」(大統領令第七項)を当面の目標とし、プーチンが「除外する」と言明した学生・医療従事者・軍務経験のない者をも誰彼かまわず徴兵し、はては拘束したデモの参加者にさえその場で招集令状を突きつける極悪非道なしろものなのである。
 そのうえプーチンは、ウクライナ軍の反撃とパルチザン部隊のレジスタンス戦のまえに無期延期を強いられていた占領地域の「住民投票」を東部・南部の四州において急きょ強行する挙に出た。
 ウクライナ軍と領土防衛隊の反攻に追いつめられたプーチンは、これら四州の占領地域をこれ以上ウクライナに奪い返されないために、これら地域をむりやり「ロシア領」だと宣言しようとしている。これらの地域への攻撃は「ロシアの領土的一体性への攻撃」だと喚きたて核による報復≠ちらつかせて威嚇しているのだ。「ロシア領への編入」を宣言するための、このデッチあげ「住民投票」を断じて許すな!
 こんにちプーチンは、直近の東部ハルキウ州イジューム一帯における占領軍部隊の大敗北により、決定的な窮地に追いつめられている。この東部での敗退こそは、南部地域でのウクライナ軍の反転攻勢に驚愕したプーチンが、東部戦線から残存正規軍部隊を強引に引き抜き南部に移動させたその隙を衝かれて喫した大敗北なのである。それは、秘密警察FSBあがりのこの男が、みずからの軍事的無常識≠さらけだした戦略的な大失敗いがいの何ものでもない。まさにこのゆえにプーチンは、いま国内の極右勢力や退役軍人組織のみならず、軍の現役指導部のなかからさえも、素人の無用の口出し≠ニいう反発と不信の声にさらされている。プーチンはみずから招きよせた「特別軍事作戦」なるものの大破綻にあえいでいるのだ。
 まさにそれゆえにこの戦争狂は、ウクライナ国内の複数の原発施設直近に巡航ミサイルやロケット砲を撃ちこんで核惨事≠フ脅迫をくわえたり、はては核攻撃の恫喝にうってでたりするほかには、もはや打つ手がなくなっているのだ。追いつめられたプーチンの核恫喝を断じて許すな!
 〔プーチンは、上海協力機構首脳会議(九月十五〜十六日)にさいして、盟友と頼む中国の習近平から冷淡にあしらわれ、インドのモディからも「戦争をする時代ではない」と突き放されたほどに、国際的にも孤立無援となっている。〕

ロシア全土に燃え広がる労働者・人民の叛逆の炎

 このプーチンの悪らつな強制動員にたいして、いまロシア全土から怒りのデモが澎湃と巻き起こっている。モスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市部から、これまで数多くの戦死者をだしてきた辺境のダゲスタンやブリヤートなどの少数民族地域にいたるまで、労働者・人民が公然と「戦争反対」を叫んで、弾圧され逮捕されても連日連夜デモに起ちあがりつづけている。二月の侵攻直後いらい、ひとたび暴力的に抑えこまれていた反戦の闘いに、いまロシア各地において労働者・人民が「墓場への動員を許さない!」と叫びをあげ敢然と起ちあがりはじめたのである。
 同時に動員令布告の直後から、ウクライナへの兵役動員を忌避するロシア人民が、いっせいに国外への脱出に動きはじめた。これまで、モスクワやサンクトペテルブルクなど大都市部において、ロシアのウクライナへの侵略戦争をあたかも遠い世界のできごと≠ナあるかのように思いこまされてきたロシアの人々が、いまやプーチン政権によっていきなり自分自身の生死にかかわる動員令を突きつけられ、国外への脱出をはかるかたちで抵抗≠オはじめたのだ。
 こうしたロシア人民の抵抗と叛逆にたいしてプーチン政権は、片っ端から招集令状を突きつけて「拒否すれば十年の懲役だ」と脅し、拷問にかけてまで応召を強制している。FSBあがりの小皇帝プーチンには、そもそも外的強制によって嫌々かき集められた兵士で構成する軍隊など、ロシア革命直前のツァーリの軍隊と同様に到底まともに戦える軍隊たりえないことが、まるで理解できないのだ。「退却すれば懲役だ」「降伏する者は銃殺だ」と上から恐怖で脅しつけ、数を頼みに兵士を前線に放りこみさえすれば、あたかもウクライナ軍・領土防衛隊の猛反攻に対抗できるかのように、この愚かな冷血漢は思いこんでいるのである。
 この政権は、前線に送りこむ兵士に戦闘を強制するために、動員令布告前日に「動員期間中」の予備役兵を対象に、自分から敵に降伏した者は十年の懲役、命令に背いたり脱走したりした者は禁錮十五年に処すなどの刑法改定を強行した。だが強制措置を積み重ねるこうした悪らつで凶暴な策略は、逆にロシア侵略軍の開始された内部崩壊をいっそう促進するものにしかなりえない。こうした人非人的な所業は、ロシア労働者・人民の、そして前線の兵士たちのプーチンにたいする怒りの火にますます油を注ぎ、必ずや「プーチン打倒」の燎原の炎となってロシア全土に燃えひろがるに違いない。否、現にいまそれは始まっているのだ!

ロシア労働者・人民は今こそプーチンを打ち倒せ!

 わが同盟は、いまこそロシアの労働者・人民に声を大にして呼びかける。
 ロシア労働者・人民を大砲の餌食≠ノ供せんとする悪逆きわまるプーチン政権の強制動員を弾劾し断固として打ち砕こう! 侵略ロシア軍と命を懸けて戦うウクライナ人民と連帯し、ロシア労働者・人民は反戦・反プーチンの闘いに起て! この戦争を阻止する方途は、ただひとつ。自国政府の打倒、すなわち戦争狂プーチンとその政権を労働者・人民の総力を結集して打倒することにこそある。いまこそロシアの労働者・人民はプーチン政権打倒の闘争に総決起せよ!
 すでに前線に強制動員されようとしている招集兵士諸君は、あの一九一七年ロシア革命のただなかにおいて前線の塹壕からツァーリ打倒の闘いに決起した労農兵士ソビエトの革命的息吹を蘇らせ、諸君らを死地へ追いやる上官にこそその銃口を向けよ! いまこそ潰走する侵略ロシア軍の内部から、断固として革命的叛逆を組織せよ! ロシア本土各地で反プーチンをたたかう同胞と連携し、戦争狂プーチン政権の打倒に向けて猛然と進撃を開始しようではないか!
 すべての労働者・学生諸君! われわれは、侵略ロシア軍を叩きだすためにいまこの時も決死の戦いをいどんでいるウクライナの労働者・人民と固く連帯し、反プーチンの闘いを開始したロシア労働者・人民と連帯して、この日本の地から<プーチンの戦争>を打ち砕くウクライナ反戦闘争をいよいよ強力に推進するのでなければならない。すべての諸君、わが同盟革マル派とともに全力でたたかおう!
(九月二十六日)
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「安倍国葬」の強行弾劾!

 岸田政権打倒をめざして闘おう!


 
9・27「安倍国葬」直前、全学連が首相官邸前に敢然と決起!(詳報次号)
 
 岸田政権は九月二十七日、全国からまきおこる「国葬反対」の声を傲然と踏みにじり、首都東京の日本武道館において元首相・安倍の「国葬」を強行した。
 岸田政権が、日本型ネオ・ファシズム支配体制のもとに労働者・人民を統合する儀式として「安倍国葬」を強行したことを、われわれは満腔の怒りをもって弾劾する。これを跳躍台として岸田が一挙に加速せんとしている軍事強国化・憲法改悪を、物価急騰下の貧窮強制を打ち砕け! 労働者・人民の怒りの決起で岸田ネオ・ファシズム政権の打倒にむけて前進せよ!

国会前で万余の労・学・市民が怒りの声 ――9・27

 「安倍国葬」において、首相・岸田は葬儀委員長として「追悼の辞」を述べ、祭壇に祀られた安倍の遺影にむかって、その遺志をひきついで憲法改定や軍事強国化など、安倍が悲願としてきた諸政策を遂行する決意を語った。この政権は、都道府県知事や政令市市長らに参加を強要し、省庁や自治体の諸施設に、また教育委員会をつうじて学校現場に、半旗の掲揚を強制することに狂奔した。全国民に国に殉じた偉大な政治家=安倍晋三≠ヨの弔意と敬愛の念を強要する場として「安倍国葬」を演出したのだ。「右翼の軍国主義者」安倍にふさわしく、会場に千数百名もの制服自衛官を整列させ、十九発の弔砲≠轟かせた。「警備」の名のもとに首都中枢を全国から動員した警察官・機動隊員で埋め尽くし厳戒態勢を敷いて、反対運動を封じこめることに躍起となったのだ。
 まさに<軍事強国・日本>への飛躍のために、労働者・人民に国家への忠誠を、国難にさいしては国家に殉じる気概を植えつけ、彼らをネオ・ファシズム国家のもとに統合する一大儀式としてこの「安倍国葬」を強行したのが岸田なのだ。
 この岸田政権の悪逆きわまりない「国葬」強行の当日、わが革命的左翼を先頭に多くの労働者・学生・市民は国会前に結集し、断固として「反対」の意志を岸田政権に叩きつけた。
 全学連の革命的学生たちは午後一時に首相官邸前に登場し、怒りを全身に漲らせて「『安倍国葬』反対! ネオ・ファシズム支配体制強化反対!」のシュプレヒコールを叩きつけ、力のかぎり拳をふりあげた。
 これを号砲として、怒りに燃えた万余の労働者・学生・市民が国会議事堂前に続々と結集する。わが同盟情宣隊は、この労働者・人民にビラをくまなく配布し、「安倍国葬」に反対し岸田反動政権打倒をめざしてたたかうことを熱烈に訴えた。わが革命的・戦闘的労働者たちは、職場から多くの仲間を組織し、集会を戦闘的に高揚させるために集結した。結集したすべての労働者・学生・市民は「国葬」開始の午後二時を期して「国葬反対!」「岸田政権を許さないぞ!」の声をあげ、さらにそのあとにも職場・地域から続々と結集してきた労働者・人民で隊列を膨らませ、長時間にわたる闘いを貫徹したのだ。
 わが同盟とこれとともにたたかう革命的・戦闘的労働者および学生は、岸田が「安倍国葬」開催をうちだした直後から、この「国葬」にこめられた彼らの悪逆な階級的狙いを暴きだし、これに反対する闘いに決起することをすべての労働者・人民に訴えてきた。これに鼓舞されて、全国各地から「国葬反対」の声が日に日に高まっていったのだ。
 数かずの悪行をこととしてきた極悪ネオ・ファシスト安倍への「弔意」を強制し、一〇〇億円もの国費を投じてその「追悼」をおこなおうとする岸田にたいして、安倍を先頭に自民党がその反動諸政策を貫徹するために極悪反共集団=統一協会を育成し活用してきたことが次々とあらわにされたことにたいして、彼らの怒りが爆発したのだ。
 「『安倍国葬』反対」の声が燃えあがるなかで、当初はこぞって安倍への「弔意」を表明していた日共指導部や立憲民主党幹部たちもおずおずと「国葬反対」を語りだし「不参加」を表明した。とはいえ、日共・志位指導部は「野党共闘」を再興し・やせ細った自党の票田を開拓するという党的利害を最優先し、岸田による「弔意」強制を憲法を基準として「内心の自由」を侵害するものと批判し反対するものへと闘いをきりちぢめ、「ファシズム反対」をさえいっさい語らなかった。
 この「安倍国葬」に勇んで参列したのが「連合」会長の芳野だ。今日版「産業報国会」の頭目として政府・独占ブルジョアどもの番頭としてふるまってきたこの連中は、ファシズム的攻撃の先兵としての醜悪な姿をさらけだしたのだ。
 まさにわが革命的左翼は、これら既成反対運動指導部の腐敗を弾劾して闘いを創造し、多くの労働者・学生・人民の共感と決起をかちとったのである。

以下、見出し

ネオ・ファシズム体制強化、改憲・軍事強国化反対!

労働者・人民への貧窮強制粉砕!

「連合」芳野の式典参列弾劾!「連合」を脱構築せよ!

日共・志位指導部を弾劾し今秋季闘争の高揚を!

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 ロシア国内で燃え広がる「反プーチン」の炎

 ウラジーミル・プーチンは、九月二十一日に「予備役三〇万人」をウクライナの戦場に送りこむ「部分動員令」を発令した。また、ウクライナ軍の反転攻勢によって「延期」に追いこまれた東部ドンバス二州とヘルソン・ザポリージャの占領地域での「ロシア編入住民投票」を九月二十三日から二十七日のあいだにおこなうとした現地親露派の決定なるものを「全面的に支援する」と言明した。この決定は、ハルキウでのロシア軍の無惨な潰走によって「特別軍事作戦」なるものの破綻が暴露されて追いつめられたプーチンの、苦し紛れの前方への遁走≠ノほかならない。
 プーチンのこの「部分動員令」にたいしては、ただちにロシア全国のあらゆる場所で「墓場への動員反対」「戦争をやめろ」と叫ぶ労働者・人民の抗議デモがまきおこった。これにたいしてプーチン政権は、デモ隊を片っ端から拘束し、拘束した参加者に懲罰%Iに「招集令状」を発するという狂乱ぶりを発揮して、人民の怒りの火に油を注いでいる。徴兵事務所は焼き討ちに遭った。動員される可能性のある人びとの多くが、国外に脱出しようとして、陸路も空路も出国ラッシュ≠ェ起きている。プーチンのこの泥縄式の動員令は、これまでくすぶっていた労働者・人民の「プーチンの戦争」への不信と怒りに一気に火を付けた。プーチンは、みずからの墓穴を掘ったのである。

足下から噴きあがった「プーチン弾劾」の声

 すでに九月初めから、「プーチンの戦争」にたいする公然たる批判が、ロシア国内で噴き出していた。ウクライナ軍が、ロシア軍に占領されてきた東部の要衝イジュームを奪還し、その勢いでハルキウ州全域を解放したのと時を同じくしてである。
 九月七日にサンクトペテルブルク市のスモーリニンスコエの地区議会は、プーチンを「国家反逆罪で弾劾せよ」という動議を採択した。この動議を提案した議員たちは、「プーチン辞任」を求める要請書への賛同を他の主要都市の地方議員にも求め、モスクワなどを含めて三十五人がそれに署名した。
 九月八日には、モスクワ市のロモノソフスキー地区の議会で「大統領の考えや統治方法は絶望的に時代遅れ」「ロシアを冷戦時代に逆戻りさせている」として、プーチンに「大統領辞任」を求める決議が採択された。
 さらに九月十八日に、「百万本のバラ」の国民的歌手<Aーラ・プガチョワが、SNSで(三〇〇万人を超えるフォロワーがいると言われている)、「偽物の目標のために若者を死に追いやっている」、「偽物の目標でわが国をならず者国家にした」とプーチンを強烈に批判した。七十三歳のプガチョワのこの発言は、これまでプーチンの「特別軍事作戦」を圧倒的に支持してきた中高年層のロシア人民に大いなる衝撃を与えた。……。
 一気に拡がったこのようなプーチン批判は、クレムリンが必死で箝口令を敷いて抑えてきた「ロシア軍の敗勢」についての情報が、いまや民衆のあいだにあまねく知れ渡ってしまったことの結果である。
 ウクライナ側から、ロシア軍の残虐な行為や「撃破されるロシア軍」のリアルな姿が、インスタグラムやテレグラム(ロシア版のSNS)などをつうじて、毎日ロシア全国に伝わっている。現地のロシア軍兵士たちは、「ボクらは『解放軍として迎えられる』というウソで欺された」「戦場は地獄だ」といった前線の悲惨さを訴える悲痛な叫びをSNSでひっきりなしに訴えている。それだけではなく、ロシア軍の敗退に苛立つ極右勢力や退役軍人たちもまた、「総動員令を出せ」と政府を突きあげるために、テレグラムや国営テレビなどで「戦況の悪化」をあけすけに暴露している。こうしていまやロシア軍の敗勢と惨状は、都市部の住民の多くが知るところとなっているのだ。
 ロシア軍は、これまでは辺境部の少数民族からその貧困につけ込んで徴募したり、傭兵会社ワグネルをつうじて囚人をかき集めたりして、兵員不足を埋め合わせてきた。プーチン政権は、そのような姑息なやり方をとって、戦死者・負傷者の激増について都市部の住民に極力知られないようにしてきた。だが、いまやロシア軍の次から次への敗走とともに、そのような情報統制はダムの決壊≠フように崩壊してしまったのだ。

<プーチン打倒>に起ちあがるロシア人民と連帯せよ

 ロシア人民を舐めきっているプーチンは、「兵役経験者だけ・予備役だけの部分動員だ」と限定すれば――それじたい大ウソである!――、大した反発は噴きあがらないと考えたに違いない。だが、これまで「これは戦争ではない」、「国民の生活に何の影響もない」などというウソで欺してきた国民にたいして、手のひらを返すように戦地への動員をかけたことで、多くの国民は「自分や家族が戦地に送られる」とパニックに陥った。このような動員令をかけることじたいが、「特別軍事作戦」なるものの破綻とウソをみずから認めるにひとしい、ということに気づくこともできないのが、この愚かな小皇帝≠ネのだ。欺されたことに気づいた人民は、いまやいっせいに反旗を翻し、またロシアから脱出しはじめたのである。
 「部分動員令」にたいする抗議の闘争が全国で拡がるなかで、ひときわ犯罪的役割を果たしているのが、ジュガーノフのロシア連邦共産党である。二〇一四年いらいドンバスで親露派と癒着して自称「人民共和国」の中枢に入りこみ、「ロシア編入」を叫んできたのが、彼らである。この党は、いまや「戦局悪化」への危機感も露わに、極右勢力と声を揃えて「総動員令を発せよ」と叫びたてている。スターリニストとしての本性を剥きだしにして、労働者・人民を侵略戦争に動員する先兵になっているジュガーノフの党を弾劾せよ。
 われわれは、ロシアのたたかう労働者・人民に、いまこそ「動員令粉砕」「編入住民投票粉砕」「プーチン政権打倒」の闘争に決起することを熱烈に訴える。
 ロシア国内でたたかう戦闘的な左翼はこう叫んでいる。――
 「この戦争はロシアの戦争ではない。これはプーチンとその政府の戦争だ。」「われわれの敵はキエフやオデッサにいるのではない、モスクワにいるのだ。奴らを叩きだすときだ。」(戦争に反対する社会主義者連合)
 「ロシアにおける革命の可能性は、この戦争でのプーチン政権の敗北にかかっている。ウクライナでのプーチンの敗戦は、同時にウクライナ人民の・そしてロシア人民の勝利である。」(オルタ・レフト)
 そうだ! だがこの闘いは、スターリン主義との断固たる対決をつうじて一九一七年ロシア革命の精神を今日に甦らせることによってのみ可能となるのだ。今こそロシア労働者階級の階級的団結を再創造し、<プーチン打倒>の巨大な闘争を創造しよう!
 われわれは、このロシアのたたかう労働者・人民と連帯し、そしてウクライナの戦う労働者・人民と連帯して、日本の地において<プーチンの戦争>をうち砕くために全力でたたかおうではないか。
 〔ロシア左翼のアピールについては『新世紀』第三二一号参照〕
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 最新号紹介

新世紀

The Communist

第321号
2022年11月

 













ウクライナ反戦―半年間の激闘が切り開いた地平を鮮明に

「安倍国葬」反対、反戦・改憲阻止の檄

反革命スパイ集団=北井一味を粉砕せよ

 巻頭の「ネオ・ファシスト安倍の『国葬』を許すな」は、労働者・人民に圧政と貧困を強制してきた元首相・安倍晋三の「国葬」に反対するわが同盟の檄だ。首相・岸田は、日本の軍事強国化・憲法大改悪・日本型ネオ・ファシズム支配体制の一挙的強化のためにこそ、安倍の「遺志を継ぐ」などと称して、「国葬」の強行にうってでたのだ。おぞましい反共右翼宗教団体「統一協会」と黒い癒着関係を形成し・利用してきた極悪ネオ・ファシストの安倍を讃え、生活苦にあえぐ労働者・人民からむしりとった巨額の血税を注ぎこんで「国葬」を強行する岸田政権を許すな、と訴える。
 人民の「安倍国葬」への怒りが沸騰するもとでも、傲然と労働者の反対の闘いをふみにじり「国葬」に参加したのが「連合」会長・芳野だ。「労働戦線から改憲阻止闘争を!」(無署名)は、ネオ産業報国会としての本性をむきだしにする「連合」芳野指導部の抑圧を打ち破り、「専守防衛の自衛隊は合憲」などと口ばしる「全労連」日共系指導部の闘争歪曲を弾劾し、職場から反改憲・反戦反安保闘争を創造しようと呼びかける。
 ◆半年間にわたるわがウクライナ反戦闘争がきりひらいた画期的地平とその意義を鮮明にする企画として、8・7国際反戦中央集会の基調報告や海外の左翼からのアピールなどを掲載した。
 ロシアのウクライナ軍事侵略をまえにして、日本においても世界においても、「左翼」を自称する者たちの多くが「左翼」失格の惨状をさらけだした。「NATOの東方拡大が問題だ」と称して侵略者プーチンを実質上擁護したり、ウクライナの人民に「降伏」をすすめたりしている者たちには、ロシア侵略軍への決死の反撃にたちあがっているウクライナの労働者・人民にたいする共感の一カケラもない。基調報告(市原道人)は、こうした部分との果敢なイデオロギー闘争を展開しつつ、われわれが各職場・学園からウクライナ反戦の闘いをいかに創造してきたのか、また、ウクライナの、そしてロシアの労働者・人民とのプロレタリア的連帯をいかに創造してきたのかを提起している。そして、この闘いに適用されている理論的武器・教訓はいかなるものであるかを、集会での報告をさらに充実させるかたちで、明らかにしている。
 われわれの国際的闘いについては、「ウクライナ・ロシアなど海外の左翼からのアピール」を一読されたい。「あなた方の支持は、ウクライナは必ず勝つ、左翼運動はやがて復興する、という確信を、われわれに与えてくれました」(ウクライナ「ソツィアルニー・ルフ」)、「あなたたちと連帯して、われわれは、犯罪的なプーチン政権との闘いを、あくまでもたたかいぬきます」(ロシア「オルタ・レフト」)など。わが闘いの地平とその革命性をいっそう鮮明に確認することができるであろう。
 ウクライナの現情勢については、ウクライナ軍・人民の一挙的な反転攻勢について論じた「南部二州のロシア併合を打ち砕く戦い」、これに追いつめられたプーチンの「ザポリージャ原発砲撃」の核恫喝についての論文、ロシア国内において「国家総動員令を出すべきだ」とつきあげる極右を黙らせるための「ドゥーギナ爆殺」謀略を論じた三論文を検討されたい。
 ◆「反革命=北井一味を粉砕せよ!」は、本紙に第二七二九号から連続的に掲載した論文の第一回から第三回までをまとめて再録したものである。「探究派」を僭称する北井一味が、国家権力のスパイ=糸色望に操られた走狗集団にほかならないことを完膚なきまでに暴露している。「システムエンジニア」を名のる糸色は、日本の市民団体や日共に潜入したり、しばしばロシアなどの海外に出かけて情報収集に精を出している。日本の諜報機関または米CIAあたりの末端の諜報員にちがいない、と。北井一味は、わが革マル派がプーチンの侵略に抗して戦うウクライナ人民に連帯の意志を表明しウクライナ反戦闘争を推進していることにたいして、「祖国防衛主義に転落した」などと罵る。これが、ロシア軍の残虐行為に怒りをたぎらせ命をかけて戦っているウクライナの人民に思いをはせることのまったくできない「血も涙もない異常人間」=北井の戦争評論なのだ。わが戦線の脱落者から生みだされたこの反革命一味を一掃せよ。
 ◆「愛大当局の自治破壊攻撃を打ち砕く二ヵ月の闘い」(マル学同革マル派愛大支部)は、学生会館の管理運営権の剥奪などの学生自治破壊攻撃をしかけてきた愛大当局にたいする反撃の闘いの報告である。四〇〇名を結集して「自治破壊反対」の決議をあげた学生大会をはじめとして、闘いの高揚を生き生きと伝える。
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9・19 東京
 

「安倍国葬」反対の声轟く


一万三千人民の先頭で労学が奮闘


 九月十九日、東京・代々木公園で「安倍元首相国葬反対! 改憲発議と大軍拡やめろ! さようなら戦争 さようなら原発」集会(主催は「総がかり行動実行委員会」など)が開催された。この集会には、台風接近下の雨をついて、「安倍国葬」を強行しようとしている岸田政権への怒りに燃える一万三〇〇〇人の労働者・学生・市民が結集し、「国葬反対」の声をあげたのだ。
 わが同盟の情宣隊は、「『安倍国葬』を許すな!」と大書きしたビラをくまなく配布し、参加者に闘いの方向性をさししめし檄を飛ばした。首都圏のたたかう学生たちは「『安倍国葬』反対! ファシズム反対!」の大横断幕を掲げて登場した。「岸田政権打倒めざしてたたかおう!」と烈々たるアピールを発し、集会後の街頭デモ行進にいたるまで終始最先頭で奮闘した。各労組でたたかう革命的・戦闘的労働者たちは、職場から多くの仲間を組織し、集会の戦闘的高揚のためにたたかいぬいたのである。

「反ファシズム」掲げ闘う学生が集会・デモを牽引

 集会開始をまえに、早稲田大学・国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは、代々木公園の野外ステージにむかって左側のエリアに陣どった。団結ハチマキとゼッケンで身を固めた彼らは、「『安倍国葬』反対! ファシズム反対!」、さらには「岸田政権打倒めざしてたたかおう!」と大書された横断幕をひろげ、戦闘的息吹を吹きこんだ。集会会場は、台風接近による強雨をものともせず、労働者・学生の岸田政権への怒りで充満した。
 集会後、学生たちはデモに打ってでた。公園内の「けやき並木」エリアは、デモの出発を待つ労働者・市民の長蛇の隊列で埋め尽くされた。学生のデモ隊が意気高くシュプレヒコールをあげた。「自民党と統一協会との黒い癒着弾劾!」「国葬への巨額の国費投入を許さないぞ!」「ファシズム的な支配体制の強化粉砕!」「岸田政権を打倒するぞ!」
 たたかう学生が熱烈なアジテーションで訴えた。「岸田政権は、戦争法の制定や『アベノミクス』による人民への貧困の強制、NSC専制体制の強化などに狂奔してきた極悪人・安倍への追悼を強制することによって、労働者・人民をネオ・ファシズム国家日本のもとに統合することをたくらんでいる。今こそ、『ファシズム反対』の旗高くたたかおう!『安倍国葬反対』の闘いを改憲・大軍拡に反対する闘いとして、さらには人民への貧窮の強制に反対する闘いとして推進しよう!」
 たたかう学生たちの勇姿に鼓舞された労働者・市民たちがともに拳をふりあげたり、直接声をかけてエールを送ったりした。
 たたかう熱気に満ちたデモ隊が渋谷駅方面に進撃してゆく。学生のシュプレヒコールにあわせてデモ隊の労働者・市民の怒りの声が渋谷の街に轟きわたった。「憲法改悪阻止!」「先制攻撃体制の構築反対!」「物価の引き上げを許さないぞ!」「戦争と貧困を強制する岸田政権打倒!」道行く人民からも、車の窓を開けて「がんばってください」と大きな声で声援を送る人や、「安倍の国葬に大金をつぎこむなんて許せない」と子どもに語りかける女性など、岸田政権への怒りが澎湃と巻きおこった。
 こうして首都圏のたたかう学生たちは、「ファシズム反対」を放棄する日共・志位指導部をのりこえるかたちでこの日の集会・デモを戦闘的に牽引し、「安倍国葬反対」のうねりを創造したのだ。
闘う学生が結集した1万3000人のど真ん中で「ファシズム反対!」「岸田政権打倒!」を掲げ領導
(9月19日、代々木公園)

   「安倍国葬反対!」のシュプレヒコールをあげデモを戦闘的に牽引する闘う学生
(9月19日、渋谷駅前)
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「改憲阻止! 軍事強国化反対!」

闘う労学が戦闘的息吹

9・19国葬反対名古屋集会



 九月十九日、名古屋市中区の若宮広場で、「憲法をくらしと政治にいかす 改憲NO! あいち総がかり行動」が主催する「国葬反対 9・19集会」がおこなわれた。台風の影響でときおり強い雨がたたきつけるなか、労働者・人民のごうごうたる批判をふみにじって安倍の「国葬」を強行しようとする岸田政権への怒りを胸に、約三〇〇名の労働者・学生・市民が結集した。
 たたかう労・学は、日共中央による闘争歪曲をのりこえ、反ファシズム、改憲・軍事強国化反対、岸田政権打倒の方向性を鮮明にして、集会を戦闘的につくりかえるべく奮闘したのだ。
「改憲阻止!」「日米安保強化粉砕!」を掲げ闘う労学が牽引
(9月19日、名古屋市・若宮広場)
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改憲・大軍拡阻止、ウクライナ反戦を闘う闘争体制を確立

全学連第92回全国大会を実現

9・13〜14

 九月十三・十四日の両日、全学連の学生たちは、東京都内において全学連第九十二回定期全国大会をかちとった。岸田政権による「安倍国葬」や諸物価のつりあげにたいする労働者・人民の怒りが高まるなかで、「安倍国葬」反対をはじめとする反対運動をその最先頭で牽引してきた全学連の学生たちは、満を持して全国から大会に結集した。全学連の学生たちは熱気あふれる討論をつうじて、激動する内外情勢の分析を深め今秋期の闘いの指針を練りあげ、確固たる闘争体制を確立した。間近にせまる「安倍国葬」という日本型ネオ・ファシズム支配体制強化の攻撃をうち砕くとともに、岸田政権による改憲・大軍拡を阻止する闘いやウクライナ反戦闘争をはじめとする今秋期闘争の爆発をかちとる橋頭堡をうち固めたのである。
今秋期の闘いの大爆発に向け決意をうち固める全学連
(9月14日、東京都内)
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