第1738号(2002年10月7日)の内容

<1面>
小泉「平和」外交を補完する社共を弾劾し民族排外主義の鼓吹を打ち破れ
拉致問題を巡る日朝両権力者の醜悪な取り引きを弾劾せよ

<4面>
大リストラ容認の「労働運動」への変質(下)
日共官僚・荒堀の労働運動論批判

<5面>
「なぜ嫌われるか」より 好かれる方法を考えろ

<2面>
インド洋出撃阻止に起つ――関西共闘 海自護衛艦に怒りの拳(9・17呉)
大阪港自衛艦入港に抗議闘争(9・20)
「躍進中国」を礼讃する代々木官僚

<6面>
大阪府教委の「評価・育成システム」導入反対
電機下請け会社による「希望退職」の強要
Topics 賃上げ統一要求はもうヤメだ

<7面>
大衆闘争論はいかに形成されたか(下)
なぜ「前進」に「日共内部文書」!?

<8面>
プアー・アメリカンの声がきこえる
「ヤンキーダム終焉の端初」を読んで
  五無人間よ、さらば!
  ざわわ、ざわわとおしよせてくる
『新世紀』最新号(第201号)紹介

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
罪九族に及ぶ?
◆テロとの闘いの模範?
◆ENJOY
◆現代のハムレット?
◆八百万(やおよろず)の権力(かみがみ)

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号

 














































  

小泉「平和」外交を補完する社共を弾劾し民族排外主義の鼓吹を打ち破れ
拉致問題を巡る日朝両権力者の醜悪な取り引きを弾劾せよ

 北朝鮮の金正日指導部は、自国の国家犯罪をも自己暴露し「謝罪」するという捨て身の交渉術をも駆使して、日朝国交正常化交渉の開始を小泉首相に迫った。暴露された日本人拉致のおぞましい現実にもかかわらす、小泉はあえてそれに目をつぶり、この要求を受け入れた。権謀術数と醜悪な取り引きをあらわにした九月十七日の日朝首脳会談は、日本の労働者・人民だけでなく、在日コリアンや韓国の労働者・人民にも怒りを呼びおこしている。北朝鮮の勤労人民は、事実を知らされてもいない。
 真相解明の要求や弾劾の声をおしつぶし、小泉政府はマスコミを総動員して会談の意義をがなりたてている。「歴史は動き、悲劇は残った」と。中国もロシアもフランスも、世界中の権力者が小泉をバックアップしている。日本国内では与党だけでなく、「どんな協力も惜しまない」(志位)と言明した日本共産党を先頭にして、国民総ぐるみの小泉応援団が結成される勢いだ。
 われわれは、声を大にして言わなければならない。「歴史は動いた」のか? 断じて否。アメリカ・ブッシュ政権が十月にも強行しようとしているイラク軍事攻撃、そして第五次中東戦争の一触即発の危機。日朝正常化≠ノついての仰々しい宣伝は、この危機から労働者・人民の目をそらすためになされているのではないか。
 「残った悲劇」とは何か?「八人死亡」という発表によって過去の闇に封じこめられようとしている悲劇。その真相は明らかにされたのか? 断じて否!

以下、見出し
スターリニスト国家の国家犯罪を弾劾する

政権存亡の危機ののりきりをかけた日・朝両権力者

東西対立の狭間での悲劇が今も続く

民族排外主義の煽動を許すな!
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罪九族に及ぶ?
「神の国」のダブル・スタンダード

 九月四日、ヨルダン川西岸に住むパレスチナ人キファフ・アジューリさん(三十八歳)とインティサルさん(三十四歳)の兄妹二人が、イスラエルによって、約一〇〇`はなれたガザ地区に追放された。彼らは、手足を縛られ目隠しされたまま運ばれ、畑のなかに放りだされた。七月十七日にテルアビブ市内で五人が死亡した自爆攻撃事件、その実行者の兄と姉がこの二人。
 数ヵ月前から、イスラエル政府は「自爆テロ犯人の家族にたいして、殉教者への弔慰金の名目で多額の金が贈られている」「イスラム諸国からのこうした贈与こそテロを奨励するものだ」とさかんに宣伝していた。そして「テロ犯人の家族もテロの共犯者だ」として処罰することを公言してきた。アジューリさん兄妹の追放は、家族への処罰≠フ第一号というわけ。
 「姉が弟の自爆用ベルトを縫った」とイスラエル軍は発表した。証拠があるなら、裁判にかけてふつう≠フ処罰に付すことができるはずだが、イスラエルは、二人を問答無用の追放処分にした。これ自体が、イスラエルの軍や警察も兄妹が弟の自爆攻撃に関与したという証拠を見つけられなかったことの証左。
 シャロン政権が独立をめざすパレスチナ人に狂気の弾圧をくりかえせば、それだけ民衆のなかに怒りと憎悪を育てるばかり。生命を賭した抵抗闘争は、衰えるどころか激しさを増している。そこで見せしめに家族にまで弾圧の手をのばせばパレスチナ人の闘いを抑えこめるのでは、と考えたのがイスラエルの権力者たち。
 古代中国では、支配者に反逆したものは、「罪九族にまで及ぶ」。九世代にわたる一族が処刑され、墓をあばかれたという。江戸時代の日本でも、一家の主が重罪をおかせばお家断絶、一族郎党みな処罰・追放の憂き目にあわされた。個人の罪は、彼が属する共同体がともに負うべきものとして丸ごと報復的な刑罰を加えることは、前近代の社会ではごくふつうにおこなわれていた。
 イスラエル政府は、「家族連座制」と称して、前近代社会の刑罰方式を二十一世紀に甦らせた、というべきか。近代ブルジョア社会では、個々人が宗教的・身分的束縛から解き放たれ、法の下での「自由・平等」が保障されてきたはず。「民主国家」を自称しているイスラエル国家も、その独立宣言(一九四八年)で「宗教・民族・性別の相異にかかわりなく、個人の権利は尊重される」と謳っているそうな。
 家族のなかから一人の「テロリスト」があらわれたならば、その家族を丸ごと容赦なく追放する。この行為は、「民主国家」の看板を掲げたイスラエルの民主主義がユダヤ人社会だけのものであることを露骨に示した。アラブ系のパレスチナ人に適用するつもりはさらさらない、というわけ。ユダヤ教徒=ユダヤ人以外は、国家の意志に従順でなければ生存することすら許されない、これって「民族浄化」そのものではないか。
 だけど、「民主主義・人権」の顔の裏でむきだしの宗教的・民族的差別政策をとっているのはイスラエルだけではない。「対テロ戦争」の手本を示し、シャロン政権の強権支配を全面的にバックアップしているアメリカ。民主主義の伝道師≠自任するこの国の権力者は、他国の「民主主義の欠如」をなじっては爆弾を落としたり謀略をしかけたり、もうやりたい放題。この「一超」大国ほど、「法の下での平等」を踏みにじっている国はない。タリバン、アル・カーイダ兵の捕虜たちをキューバのグアンタナモ基地に家畜同然の待遇で幽閉しつづけ、国内では数千人のアラブ系やムスリムの移民たちを逮捕状も裁判もなしに国外追放、数ヵ月にわたって長期拘留している。これが、ブッシュのアメリカの民主主義=B
 「神の国」「選ばれた国」を自任するアメリカとイスラエル、この二つの国のやり口は、まことに瓜ふたつ。
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最新号紹介 新世紀 The Communist 第201号 2002年11月
特集 9・11事件一周年
崩落するアメリカ「一超」支配
イラク侵略を阻止するために


 「9・11事件一周年」を特集した最新号・第二〇一号をすべての読者に送る!
 巻頭に第四十回国際反戦中央集会の基調報告「不屈に闘うイスラーム人民と連帯し『対テロ戦争』の世界的拡大を阻止せよ!」(逆瀬川進)を掲載した。
 ムスリムの青年たちがジハード自爆攻撃によってアメリカ帝国主義の金融と軍事の中枢を射抜いてから、はや一年。かの歴史的大事件によって、その「一超」世界支配の「終わりの始まり」を告知されたアメリカ帝国主義は、いまついにその経済的土台から音をたてて崩れ落ちはじめた! ドル体制の崩壊に脅えるブッシュ政権は、この危機の突破をかけてイラク侵略を強行しようとしている。核先制攻撃を公然と謳っているヤンキー帝国の国家テロルを阻止するために、われわれは今、なにをなすべきか。本論文は「反米・反シオニズム」を掲げて英雄的にたたかうイスラム人民と連帯し、国際的な反戦闘争を断固としておしすすめることを呼びかけている。
 ワールドコムの経営破綻を契機に生起した株・ドル連鎖暴落は、九〇年代の「アメリカの繁栄」が「虚飾の繁栄」でしかなかったことを暴露した。第二論文「<ドル体制>の現実的終焉の始まり」(河原田久)は、アメリカ型「株式資本主義」の崩壊と、かの七一年ニクソン・ショックに続く<ドル体制>崩壊の第二段階の始まりを、まざまざとえぐりだしている。
 「『機械技術文明』崩壊の号砲」(大江山健八)は、作家・日野啓三の9・11事件論(「新たなマンハッタン風景を」、雑誌『すばる』掲載)についての論評。筆者は、「われわれを除くならば唯一、この事件の思想史的位相を鮮明にした」思想家と日野を評価する。同時に、彼が駆使している方法としての「無意識の意識化」の限界に迫る。
 わが同盟は9・11事件以後、アメリカ帝国主義のアフガニスタン侵略反対・反テロル局地戦反対の闘いに決起すべきことを、全世界の左翼諸組織に呼びかけてきた。これにたいする共感の声がまきおこっている。とりわけ、激動するアルゼンチンのトロツキストから、熱烈な書簡がよせられた。「アルゼンチンにおける現段階の革命闘争」がそれである。わが革命的マルクス主義の革命的理論に触れた喜びの表明と、それを学ぶために組織的討論を呼びかける真摯な姿勢は、真に闘う者のみが共有しうる感動を呼びおこすであろう。「全世界の健全なる国際主義的トロツキストへの呼びかけ」は、彼らが世界の「原則的トロツキスト」にたいして発した、国際的結集のためのアピールである。「アルゼンチンの革命的動乱」(丹後夏子)は、アルゼンチン・トロツキストの書簡への返答としての意義をもっている。IMFべったり・アメリカ資本べったりの歴代政権や現ドゥアルデ政権にたいして、アルゼンチンの労働者・人民が困難をはねかえしていかに闘うべきかを訴える。
 今夏の国際反戦集会には、アルゼンチン・トロツキストをはじめとして海外の十団体からメッセージがよせられた。わが国際反戦集会アピール(英文)とともに原文で一挙に掲載した。

住基ネット運用粉砕の指針を提起

 小泉政権は八月五日、国民の圧倒的な反対の声をふみにじって住基ネットの運用を開始した。「住基ネットの強権的運用を許すな!」(山原祐)は、政府・支配階級が「住基ネット」運用にこめた真の狙いを暴きだす。同時に、プライバシーの侵害という観点から「個人情報保護」を要求する既成の反対運動をのりこえていかにたたかうべきかの方向性を鮮明にしている。
 「蝸牛の歩みの断片」(吉川文夫)は、前回(第一九九号)の続編である。筆者は、中学生時代・高校生時代を思いおこすことをつうじて、革命家としての思想形成の歴史的過程をふりかえっている。丁稚奉公≠しながら定時制高校にかよった青少年時代。この若き日の同志吉川の人格と情熱に革命的マルクス主義者としての彼の強靱な思想と意志の源泉の一端をみることができる。
 「ケインズ経済学への讃歌」(鵜沢謙司)は、『経済』二〇〇〇年五月号の「二〇世紀の経済学・二一世紀の経済学」と題した四名の日共系経済学者のシンポジウムにたいする批判である。彼らが、市場メカニズムのメリットとデメリットの科学的分析の必要性≠語りブルジョア経済学の公然たる讃美にのりだしたのは何故か? マルクスの継承≠語りながら、その実、いかにマルクス主義の根幹を破壊しているか、これらのことが理論的に明らかにされている。本論文は、腐敗を深める代々木共産党とその御用学者どもをノックアウトするであろう。
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インド洋出撃阻止に起つ

 9月17日早朝。小泉政権は、海上自衛隊の護衛艦「ひえい」「さみだれ」
を、インド洋へ向けて出撃させようとしていた。彼らは、インド洋での自衛
隊艦隊の派遣期間を11月まで延長し、米英軍のアフガニスタン侵略にひきつ
づき加担しているのだ。日本の参戦を許してなるものか! 全学連関西共闘
会議のたたかう学生たちは、怒りに燃えて呉現地闘争に決起した。
         
矢臼別実弾演習阻止に起つ

9月15、16日の両日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生は、アメリカ
海兵隊実弾砲撃演習を阻止する現地闘争に決起した。
写真は16日、矢臼別演習場ゲート前
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プアー・アメリカンの声がきこえる
ブルース・スプリングスティーンの「パラダイス」を聴いて

 ロックなどとんとわからぬ朴念仁ながら、ブルース・スプリングスティーンのアルバム「ザ・ライジング」を聞いてみた。みずから目のまえにありありと見た9・11事件をうたってこの夏全米のヒットチャートの第一位を占めた、と聞いたので。英語の断片と訳詞の断片とをつきあわせ、とにかく曲に身をゆだねる。
 曲調は、古いロックの聞き慣れた響き。最初のうちは、遠いアメリカの日常そのもののように遠くきこえる。それでも時として生々しい発音が鮮やかに飛びこんできて、だんだんと引きずりこまれてゆく。
 9・11事件のさまざまな情景がうたわれる。「どのくらい進んだのか、どこまで登ったのか/背には六〇ポンドの重荷/肩には半マイルのホース……」炎上するWTCビルの上階をひたすらめざす消防士の全力疾走が、永遠の一瞬に昇華される。
 生還すると「英雄」にされていた消防士は、とまどう。「勇気がほしければ/君にも理解できる勇気を見せよう/ナイトテーブルには/真珠の埋め込まれたグリップとシルバーの銃身/主よ、私です、実行する勇気をお与え下さい/ダーリン、このキスで/わかると言ってくれ/ぼくは、ナッシング・マン/ぼくは、ナッシング・マン……」みずから命を断った「テロリスト」への尊敬心がこみあげるのか?
 「エンプティ・スカイ、エンプティ・スカイ/今朝目覚めたら/そこには空しか見えなかった……」夫を喪くした妻に託して、世界が元には戻らないことが、繰り返し繰り返し言いきかすようにうたわれる。
 それぞれの人の<固有時>をありありと浮かびあがらせ、死んだ人、残った人の魂を完全燃焼させるかのように、スプリングスティーンは朗々とうたう。
 重荷を背負い、使命と殉職に向かって全力疾走する表題曲「ザ・ライジング」(第十三曲)まで、ぐいぐいと盛りあげていったあと、次の曲「パラダイス」が流れる。本当の感動は、それから先。

テロリストの悲しき心

 「市場の人ごみのなか/人びとの顔をうかがい/息をひそめ、目を閉じる/そして天国を待つ……」自爆テロリストを「ぼく」として一人称で歌う。力強くうたう曲よりも、ずっとずっと情感をこめて。
 なんと表現したらよいのだろう。英語を話せない私でも、発音にただならぬ気配を感じる。それが生々しくて、なぜかしら胸がさわいだ。「パラダイス!」――訛りにゆがんだ一言から、万感の思いが伝わってくる。
 これは、ジハード戦士に共鳴している私の主観のせいかもしれぬ。そうでないかもしれぬ。どう聴いても、歌手は「パラダイス」一曲をひきたてるために全曲をうたっているとしか思えない。
 歌の内容はシンプルで、天国への熱望と迷い、この二つだけである。静かで悲しく、気高い曲想が、曲の終りに近く、自爆テロリストの迷いを描くことによって、いっそう高ぶってゆく。「君の目の中にやすらぎを探す/でもそこには天国と同じように何もない」と。問題が解決しないことが逆に心を清めるようだ。このゆえにこの曲は、声高な他の曲を圧倒してしまう。
 発音の歪みは訛なのか。それはアラブ・アメリカンのものなのか。私には確かめようがないけれども、心なしか、アメリカの底辺からの声が聴こえてくるようだ。聞くところによれば、この歌手は、スーパースターでありながら、歯の浮くような「平和」など口にせず、失業者やベトナム帰還兵の内面をシリアスにうたってきたとのこと。
 アラブ訛やスペイン訛やヤンキー・スラングがひしめきあうマンハッタンの下町。夢やぶれパラダイスをもとめてさまよう魂の静かな決心とためらいとを、震える声でつむいでゆく。「奪われたる言葉のかはりにおこなひをもて語らんとする心」……。「テロリスト」は、はたして遠いアラビアからやって来ただけなのか?
 こう聴くのは私だけかもしれない。胸さわぎはなお続いている。

ある晴れた日に

 胸のすくようなジハード戦士の歌もあった。気がついたのはそのあとだ。一九九九年の作、「ファーザー・オン」は文句なしのカッコよさ。あたかも9・11のその日に向けて盛りあがる、闘魂そのものでもあるかのように腹に響く。
 「ずっと砂漠で、訓練を受けてきた/前方に光があるのかどうか、ブラザー、まだわからない/でもこの熱がぼくの心の中で燃えている」「死に装束を身にまとい、ほほえむドクロの指輪をはめて/はるかに道を駆けぬけたその場所でおまえに会おう……」我、汝とともに滅びんと豪快にうたう歌の最後は、「ある輝ける朝、きっとわれらは起ちあがる」と結ぶ。その朝が、目に焼きついた9・11の朝にオーバーラップする。
 敵対しあう世界をつなごうと呼びかける歌もある。「血によって、星空に覆われた山々に橋をかけよう/そして出会おう、ふたつの違う世界の間にそびえる峰で……」と。流された血に目をおおうような「平和」ではなく、流された血が意味をもち新たな価値を生む世界を創ろうとする。「貴重な血によって、みんなが団結しますように」と。
 自爆テロリストたちが流した血と、ニューヨークの消防士たちが流した血をつなぎ、敵対する二つの世界を和解させること。それははたして可能なのだろうか。この歌手は、自分の本当のメッセージが何であるのか、いっさい口を開かないのだという。
 誰の自己犠牲にもっとも心を揺さぶられるのかは、聴く者にゆだねられている。アメリカでこのアルバムは大売れに売れた。大多数のアメリカ人は、「グラウンド・ゼロ」からの再起を訴えるアジテーションにはげまされているのであろう。平和のメッセージに心うたれる人が、それに次ぐのだろう。けれども心ある人は、「ファーザー・オン」の衝撃的な意味に気がついているのではないか。「パラダイス」でうたわれる心やさしきテロリストに、ずっと魅かれているのではないか。とりわけ、大金持ちのこの歌手が語りあったのかもしれぬプアー・アメリカンたち、その口ぶりに託された、あふれる何かに。
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