第1741号(2002年10月28日)の内容

<1面>
戦争放火者どもに反戦の怒り炸裂
10・20 「米帝のイラク侵略阻止! 日本参戦阻止!」
労学1300が首都中枢を席巻

<4面〜5面>
中国国家の威信を後光とした「野党補完外交」の虚妄
北京の手の平にのせられた代々木官僚
◆北朝鮮「核開発」暴露に動転した日共

<2面>
10・20闘争に海外からメッセージ
イギリス 革命的マルクス主義者/アルゼンチン労働者国際主義者同盟・チリ労働者国際主義者グループ/ロシア マルクス主義政綱派/フランス ユニオン・パシフィスト
10・20集会―革共同の連帯挨拶
闘う学生が原発損傷隠しを弾劾(10・10)

<6面>
「自治労連」第24回大会
組合員に「地域振興」への奉仕を強要
Topics 「健康増進法」が狙うもの

<7面>
「大逆」ならぬ大嘘の「ゲリラ」<上>
荒岱介が謀略追認を自白

◆反米アラブ民族主義について

<8面>
経済破局にあえぐ金正日の北朝鮮

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
「和解」の真相
ブッシュvsカーター
消えた媒介者
暗い日曜日

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号

 













































  

戦争放火者どもに反戦の怒り炸裂
10・20 「米帝のイラク侵略阻止! 日本参戦阻止!」
労学1300が首都中枢を席巻
<左上>国会・首相官邸にシュプレヒコールを叩きつける
全学連(霞が関2丁目)
<右上>米大使館の真ん前に陣取り抗議闘争
(10月20日、午前)
<左下>曇天の首都中枢に長蛇の白ヘルが輝く

 「アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争絶対阻止!」「日本の参戦・有事法制定を許すな!」「侵略戦争に突進する小泉内閣を打倒するぞ!」――十月二十日、全国から結集した一三〇〇名の労働者・学生の白ヘル部隊は、首都中枢に反戦の雄叫びを雷鳴のごとく轟かせた。同時に決起した北海道、関西の労・学と固く連帯しつつ。
 全学連のたたかう学生たちは、この日の午前中、戦時下≠フ厳戒体制を打ち破ってアメリカ大使館前に断固として登場した。大量破壊兵器の開発を口実にイラク侵略戦争に踏みだそうとしているブッシュ政権にたいして抗議闘争を展開したのだ。
 午後、芝公園に結集した反戦青年委員会の労働者と全学連の学生たちは、米大使館、国会、首相官邸に、そしてさらにはあいつぐ原発損傷事故を隠蔽し、かつ居直っている東京電力本社にたいして、怒りの大デモンストレーションを敢行したのだ。
 「イラクを攻撃するな!」――さし迫るアメリカ帝国主義のイラク侵略戦争を前にして、いま、世界各国の労働者人民が、イギリスで、スペインで、ドイツで、アメリカで、陸続と起ちあがっている。革命的動乱のもとで、暴虐に抗して不屈にたたかい続けているアルゼンチンの兄弟から、チリやロシアなど全世界から、本10・20闘争に決起した労働者と若き全学連の戦士たちにたいして、熱烈な連帯のメッセージが寄せられた。たたかう労学の部隊は、世界各地で起ちあがっている労働者・学生と、国境を越え海を越えて固くスクラムを組み、戦争狂ブッシュを支えている小泉政権の足元から、反戦の紅蓮の炎を断固として燃えあがらせたのである。
 北朝鮮の金正日政権が、ただひたすら経済援助を求めて日本人民の拉致という過去の国家的犯罪をあえて自己暴露したことを最大限活用して、いま、日本の小泉政権は、反北朝鮮の排外主義を大々的に煽りたてている。みずからのイラク侵略戦争への参戦・有事法制定の策動を正当化し、かつて天皇制ボナパルティズム権力が犯した朝鮮人民の強制連行や南京大虐殺などの戦争犯罪を居直り帳消しにするというどす黒い思惑をこめて。
 社民党は、朝鮮労働党との「友党関係」にもとづいて「拉致などない」と言ってきたことを追及され、解党寸前の危機に叩きこまれている。日共の不破=志位指導部は、権力者どもによる排外主義的ナショナリズムの鼓吹にたいする一片の警戒心ももちあわせぬままに、あろうことか小泉政権の「国交正常化交渉」促進策を全面的に支持し、「小泉応援団」となりはてている。わが革命的左翼の牽引のもと、全学連・反戦の部隊は、このような社共既成指導部の犯罪的対応を満腔の怒りをこめて弾劾してたたかった。民族排外主義の嵐のなかで窒息させられている日本反対運動の危機を根本からつくりかえていく橋頭堡をがっちりと築きあげたのである。

以下、見出し

アメリカ大使館に抗議の嵐

「ブッシュを戦慄せしめよ!」 闘志たぎる総決起集会


国会・首相官邸へ進撃

わが反戦の炎を全世界へ!
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中国国家の威信を後光とした日共式「野党補完外交」の虚妄

 アメリカ帝国主義はいよいよイラク軍事侵略を強行しようとしている。この事態を目前にしながらも、日本共産党の不破=志位指導部は、今また新たな裏切りと変質の道を突っ走りつつある。一年前のアフガニスタンにたいする空爆に際しては「残念だ」とつぶやくことしかできず、ブッシュ政権の蛮行に抗議することさえできなかった代々木官僚ども。彼らは今、わが同盟のイデオロギー的追撃を恐れつつ、北京官僚との結託の強化を基礎として、「イラクへの軍事攻撃反対」「アメリカ覇権主義の暴走をくいとめるたたかい」を推進するという指針をうちだしてはいる。けれどもその内実は、イラクの大量破壊兵器開発疑惑の「国連下での解決」を叫ぶ中国政府のお先棒を担ぐとともに、小泉政権の「対米追随」外交を「中国重視・アジア重視」の「自主・平和」外交に転換させるための「野党補完外交」に精を出す、というものでしかないのだ。
 八月下旬の中国共産党総書記・江沢民と日共議長・不破との会談において「イラクへの軍事攻撃反対、核兵器全面禁止」という当面の方針上の一致を確認したこと、および不破が中国社会科学院で「レーニンと市場経済」と題する講演をおこなったこと。こうして北京官僚との結束を強化したことをもって、代々木官僚はあたかも自分たちがアジアに平和をもたらす救世主≠ナでもあるかのように党内外にアピールしている。いや北京官僚と「対等」に会談できたと錯覚した彼らは、ほとんど政権党にでもなったかのように舞いあがり、「日本の政治」=「自民党政治」には「アジアでどう生きてゆくのか」という「大戦略」がない(9・20、大阪・高槻での不破講演)などと口走りはじめている。
 すでに国家権力を打倒するための革命戦略を放棄してしまったというだけでなく、いまや現存ブルジョア国家の「国益」を守るための「平和戦略」・「経済戦略」を得意気に提示するにいたったこと、そしてこのような「戦略」にのっとって後進諸国の独裁政権≠ふくむ各国権力者どもとの友好≠求める「野党外交」に全力を傾注していること――、ここに今日の日共官僚の変質ぶりが集約的に示されているのだ。
 「野党連合政権」の末席に加えてもらうという見果てぬ夢を追い求めながら、安保・外交政策をはじめとするあらゆる諸政策の右翼的緻密化に腐心してきたのが、このかんの代々木共産党官僚であった。こうして「保守層」に際限なく迎合し媚を売ってきたにもかかわらず、国会の議席数ではいよいよ後退した。それだけではなく、彼らの革命の完全放棄と修正資本主義的変質、そして祖国防衛主義への転落を暴きだしたわが革命的左翼の集中的なイデオロギー闘争の砲火を浴びて、彼らはいよいよ下部党員の不満・反発の増大という党的危機を招いた。まさにこの窮地をのりきるために、彼らは北京官僚と新たな結託の絆≠結び、中国国家の威光≠バックにしてなんとか起死回生≠フ延命策をひねりだそうと躍起になっているのだ。まさにこのような彼らの延命策の反動性と反プロレタリア性を、われわれは断固として暴きだすのでなければならない。

以下、見出し

T 北京官僚の手の平にのせられた代々木官僚

U 「野党補完外交」の茶番性と犯罪性

 A 「アメリカ帝国主義反対」の旗はいらない=H
 B  「国益」のための「平和戦略」・「経済戦略」
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「大逆」ならぬ大嘘の「ゲリラ」 <上>

 
二重追認! 
八五年4・8成田「ロケットゲリラ」事件では、中核派とブント日向派が、それぞれ機関紙やビラでみずからの戦果として追認した。
(上)日向派の「戦旗」510号
(下)東北大教養部でまかれた中核派のビラ
[玉川信明編著『内ゲバにみる 警備公安警察の犯罪』下巻W部<特集・三里塚事件>より]
ブント(旧名戦旗・日向派)のオーナー・
荒岱介。この自称「社会運動家」の荒が、『大逆のゲリラ』と題する本を出版した。やれ自動車サークルだ、お料理対決だ、クロスカントリー大会だと、あきもせずにお遊び大会を主催し、ゴールデンレトリバー犬を連れてポルシェを乗り回す荒。今日では「左翼はカルトだ」と左翼とマルクス主義を口汚くののしっているこの男が、かつて「共産主義者同盟」を自称していた当時どんな「闘い」をし、どのように弾圧され、いかに転向したのかをこの本で「告白」している。
 彼は、この駄本に「実録・過激派ゲリラ戦始末記」などという副題をつけている。ところが、この本は、「実録・ゲリラ戦」とは名ばかりのしろものなのである。全体三〇〇ページのなかで、「ゲリラ」事件に触れているのがわずか十ページ強。しかも、「ゲリラ」の実行場面そのものを実行部隊の側から描写しているところは皆無なのである。そのかわりに延々とつづられているのが、なんと「公安警察」の「捜査記録」のひきうつしなのだ。公安警察が日向派の活動家を「ゲリラ犯」として逮捕した際の「捜査記録」をひきうつして「実録・ゲリラ戦」と銘打っているのだから、まさに悪質食肉会社も真っ青の誇大宣伝もいいところではないか。
 それだけではない。『大逆のゲリラ』なるこの駄本は、かつて戦旗・日向派が「決行した」と宣伝してきた「ゲリラ」なるものが、国家権力内謀略グループが仕組んだものでしかなかったことをまさに逆証するものとなっているのだ。以下そのことを具体的に暴きだしていこう。

アラタイヘン、謀略追認を自己暴露

何のリアリティもない「実録・ゲリラ戦」


 荒は、この本において、一九八六年三月二十五日の皇居・アメリカ大使館への「ロケット弾ゲリラ」から、九〇年十一月十二日の三里塚「ロケット弾ゲリラ」までを、日向派のゲリラ戦として描いている。では、彼らの「実録」なるものをひとつ紹介することにしよう。
 もっとも詳しく描かれている一九八六年三月二十五日の皇居・アメリカ大使館への「ロケット弾ゲリラ」事件について。
 「一台につき三発装着していたが一発はどこに飛んだのかは不明、二発が皇居内に着弾した。うち一発は内堀通り、堀、半蔵門をこえて半蔵門内七一・五メートルに着弾炎上した。」(一〇頁)
 これのどこが「実録」か。これすべて、警備・公安警察の側から発表されていることではないか。
 「ゲリラに使用された白のブルーバードは……各々二四日夜から朝までの間に盗まれたものだ。他にもう一台、青のブルーバードが……同時に盗まれ……たが、これは使用されず、東名高速港北パーキングエリア内に放置されているのが、発見された。……迎賓館に対するゲリラに使用される予定であったものと推測された。」(一三頁)
 「盗まれた」「放置された」「推測された」とはよくぞいった! これらは捜査当局=公安の立場からする「叙述」いがいのなにものでもないではないか。テメエらが「ゲリラ」を実行していないからこそ、このようなことを平然と書くことができるのだ。

八五年4・8二重追認「ゲリラ」に完全沈黙

 そもそも、日向派の「ゲリラ戦」が一九八六年三月二十五日の「ロケット弾ゲリラ」から始まったかのように語っていることじたいが、重大問題なのである。
 荒よ、日向派が「ロケット弾」をつかった「ゲリラ戦」を初めて追認したのはいつなのか?
 一九八五年四月八日に発生した「ロケット弾ゲリラ」事件。これを日向派は四日後にみずからの「戦果」として華々しく追認したのではなかったのか。この八五年4・8「ロケット弾ゲリラ」を語らないで、八六年三月の事件を紹介し、「戦旗・共産同がかくも華々しくゲリラ戦を展開しはじめた」などと言うのはどうしたことか。
 荒に代わって、われわれがその理由を語ってやろう。誰も逮捕されず起訴されてもいない八五年四月の事件。イケニエ逮捕者もいないこの件については、当然にも「公判記録」がない。「公判記録」が無いから、荒が引用できるゲリラ事件の実況検分記録も無い。だから書けないのである。いいかえれば、「ゲリラ事件」について荒が書いていることはすべて権力の捜査記録だけなのである。それだけではない。今年五月に刊行された『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』(玉川信明編著、あかね図書販売)において、八五年4・8「ゲリラ」なるものの謀略性が完膚なきまでに明らかにされている。この事件を、日向派と中核派の両派が二重追認した事実が暴露されている。そうである以上、なおさら荒はこの件に触れることをためらったにちがいない。
 「ロケット弾ゲリラ」を日向派が最初に追認したのは、一九八五年四月八日の成田空港敷地内にあった空港公団工事局へのそれであった。それ以前は「ロケット弾ゲリラ」といえば「中核派の専売特許」だなどと公安警察は宣伝していた。当時の中核派はわが謀略粉砕・走狗一掃の闘いの万力に締め上げられ組織崩壊の危機にたたき込まれていた。そして謀略ゲリラの追認を拒否しはじめた。この中核派を恫喝し揺さぶりをかけるために、権力内謀略グループはお前たち日向派を追認者として「ロケット弾ゲリラ」を実行したのだ。
 中核派は動揺し、この4・8ゲリラの二日後の四月十日に東北大で「中核派革命軍の犯行」とする中核派のビラをまいた。ところが、その二日後の四月十二日に日向派が機関紙上で自らの「戦果」として大々的に宣伝した。ブクロ派と日向派との二重追認が演じられたのであった〔写真参照〕。
 国家権力の謀略ゲリラを追認するという日向派の反階級的な正体が『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』に載せられた二枚の写真(下巻一七八頁)によって暴露されてしまっている。それゆえに焦りに焦った荒は、この暴露されている4・8「ロケット弾ゲリラ」事件についてはブント下部メンバーの目から隠蔽しようとしたのである。

以下、見出し

公安「捜査記録」の引き写し!

なんと十五年後に「放火ゲリラ」を追認?!


(つづく)
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「和解」の真相
千のため息、千の涙
千の反乱、千の希望
クルドの古詩

 船戸与一の小説に『砂のクロニクル』というのがある。この本の「解説」で「イラン、イラクに住まうクルド人の歴史に流れる血と涙は、いや増しに増しこそすれ乾いたためしがない」「クルド人総体の無念と憤怒、……イラン・クルドとイラク・クルドの哀しい確執など、新聞、テレビでは絶対に知りえぬ中東外史をじつに感動的に描きだしている」と辺見庸がベタボメしている。これをかつて読んで心動かされたからというわけではないが、昨今「クルド人」問題が気にかかる。
 イラク北部に居住するクルド人の二大勢力が「和解に向けて活発な動き」を見せているという(「読売新聞」十月六日付)。二大勢力とはクルド民主党(KDP、マスード・バルザニ議長)とクルド愛国同盟(PUK、ジャラル・タラバニ議長)のこと。同じクルド民族ながら、この二つのグループはつい昨日まで、激烈な対立・抗争をくりひろげてきた。九六年八〜九月には、サダム・フセインのイラク軍が、この両者の対立につけこんでバルザニをかつぎあげつつ、国連監視下のクルド人PUK居住区に軍事侵攻をしかけたほどだ。その彼らがここにきて態度を一変、休眠状態だった「クルド民族議会」を六年ぶりに開催して「和解と団結ぶり」をアピールした、とか。
 一見不可解なこの「和解」劇も、真相はいたって明解。演出したのは、ほかでもないブッシュ政権。何のためにかと言えば、フセイン政権打倒後の受け皿づくり=B
 イラクにたいする大規模軍事攻撃を着々と準備しながらも、ブッシュのアメリカは、フセイン後のイラク支配体制をどうつくりだすかのメドなどまったくついていない。これまであの手この手を追求してはきた。国務省内に「イラクの将来プロジェクト」というチームを設置し、今年の八月初めにKDPやPUKを含めた「イラク反体制派」六組織の代表を呼びよせた。従来は「足並みが乱れており実力不足」と評価してきたこれらの諸組織が軍事行動や政権を担当する能力があるか否か、アフガニスタンにおける「北部同盟」のような役割を果たしうるか否か、を点検した。
 その結果、十月から週一回、これらの諸組織のメンバーを集めて「国防・軍事問題、石油産業の経営、経済政策、外交政策」などの「新政権運営のための知識」を体得させる勉強会を開くことにしたのだそうだ。明らかに「能力不足」と判断せざるをえなかったのでしょう。
 この六組織が九月に欧州で「合同会議」を開催し「亡命政権」を旗揚げするというプランに合意したということだが、このプランもどうやら難航しているらしい。そこで、最近では、第二次大戦後に日本を「連合軍」の支配のもとにおいた形態をモデルにしよう、というプランが練られている。(前号本欄参照)
 アメリカ権力者がクルド人諸組織をあまり信頼できないとするのにも、実は深い理由(わけ)がある。なによりも、飼い犬≠ノ手を咬(か)まれるのを恐れてのこと。だいたい、ヤンキー権力者どもは、これまで周辺国権力者がクルド人民の部族間の争いを利用し煽りたて残虐な弾圧を彼らに加えるのを裏から支え、また突然支援をうちきるという裏切りを積み重ねてきた。だからクルド人民の胸奥には強く深く反米感情がわだかまっている。
 たとえば一昔前の話。湾岸戦争で米軍の軍事侵攻に敗退したフセイン政権にたいして、KDPやPUKが珍しく足並みを揃えて決起しスレイマニヤやキルクークなどの主要都市・地域を「解放区」にした。その当時、フセイン政権を倒壊させるまではできなかった父ブッシュ政権は、決起したクルド人民を化学兵器をも使って鎮圧したイラク政府軍の残虐行為を黙認し、なすがままにまかせた。一五〇万人ものクルド難民が必死でイランやトルコに逃れようとして虐殺されたのを見殺しにした。「クルド自治政府」の樹立などをアメリカ権力者が決して望んでいるわけではないことは、誰よりもクルド人民が承知している。
 イラク、イラン、トルコの国境地帯に居住し、「祖国なき最大の民」と呼ばれるクルド人、その数およそ二五〇〇万。命をおしまぬ勇猛さ、優れたゲリラ戦術、狙撃兵としての群を抜いた資質……等々で知られる敬虔(けいけん)なイスラーム教徒(スンナ派)の彼ら。地道な現地取材にもとづいて描かれた船戸与一の小説は、「体制の牙城めがけて不意に直撃弾をしかける攻撃者」がここにも伏在していると予告しているかのようである。
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闘う学生が原発損傷隠しを弾劾(10・10)

政府・東電への怒りを結集してかちとられた日比谷野音集会
(10月10日)
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